音声アシスタントって、やたらと人の話に入ってこようとするような気がしませんか?

ドイツのルール大学ボーフム(RUB)とMax Planck Institute for Security and Privacyが最近行った調査により、AlexaやSiri、Googleアシスタントなどの音声アシスタントが、起動コマンド(「ウェイクワード」とも言います)と聞き間違えやすい1000超の言葉やフレーズが特定されました。

この調査に関するArs Technicaの記事から、その一部をご紹介しましょう。

Alexa:「unacceptable(アンアクセプタブル)」「election(イレクション)」「a letter(ア・レター)」

Google Home:「OK, cool(オーケー、クール)」「Okay, who is reading(オーケー、フー・イズ・リーディング)」

Siri:「a city(ア・シティー)」「hey jerry(ヘイ、ジェリー)」

Microsoft Cortana:「Montana(モンタナ)」

この調査によれば、こうした「聞き間違い」による起動はよくあることだそうです。プライバシーの観点から見ると、これは非常に気がかりです。

Alexa、一体何が問題なの?

音声アシスタントは、起動コマンドを聞き逃すまいとして、常に「耳を澄ませて」います。必ずしも録音しているわけではありませんが、警戒態勢を取っていることは明らかです。

スマートスピーカーからであれ、スマホのマイクからであれ、ひとたびAIがコマンドを認識すると、それに続いて「聞こえる」音声が録音され、リモートサーバーに送られます。

リモートサーバーでは、さまざまなアルゴリズムがその音声を処理し、何が求められているのかを判断します。

場合によっては、この音声は保存され、その後、音声アシスタントの音声認識機能の改善に取り組むエンジニアによって聞かれることがあります。

ここで生じるのが、プライバシーに対する懸念です。

録音された音声が、サーバーサイドの何かを起動することはないとしても、その音声は録音・保存されるかもしれません。

さらには、コマンドが聞き逃されていないか、誤解されていないか確認するために、人間のエンジニアによって聞かれることもあるかもしれません。

ユーザーの音声は聞かれている

これは単なる推測ではありません。このようにして「機械学習」アルゴリズムが機能していることは周知の事実です。

人間が手動で、機械が学習するのを手伝っているのです。機械は自律的な存在ではないのです。

そしてしばしば、これがプライバシーの侵害、ひいてはユーザーの反発や法律上のゴタゴタへとつながります。

Googleは、ユーザーデータを広告主に販売することに関して、いつも攻撃の的になっています。

Amazonも、ユーザーが録画・録音したものを漏洩したり、処理を誤ったりを繰り返しています。

Appleのデータプライバシーポリシーは全体的に見て「ベスト」ですが、偶然耳にした音声をコピーしていたことが発覚したスタッフも過去にはいました。

スマートデバイスの音声アシスタントを誤って起動してしまうと、多くの場合、ユーザーのやりとりは録音され、部外者にアクセスされる危険にさらされることになります。

彼らがそのデータをどうするのか、わかったものではありません。この点をお忘れなく。

どの音声アシスタントのユーザーも、録音された音声を自分で管理・削除できますが、予防策を講じて、そうしてほしいときにだけスマートデバイスが耳を澄ませるようにしておくことも大切です。

音声アシスタントの誤起動を防ぐ方法

  • 可能な場合は、起動ワード/フレーズを変更します。Alexaであれば、起動ワードを「Echo」か「Amazon」「Computer」に変更できます(「Computer」に変更すれば、あなたもスタートレック気分を味わえるのでは?)。Googleアシスタントであれば「OK, Google」か「Hey, Google」のどちらかを選べます。ただし、Siriは「Siri」にしか反応しません。
  • Google Homeの反応感度を下げます
  • デバイスのマイクをミュートにします。ほとんどのデバイスには、本体のどこかに「ミュート」の物理ボタンがついています。
  • 使わないときには、スマートスピーカーなどのスマートホームデバイスのプラグを抜いておきます。
  • あなたの音声が保存されたり、聞かれたりすることのないように録音内容を削除し、アカウントのセキュリティーオプションをアップデートします
  • スマートスピーカーや音声アシスタントを一切使わないようにします(ごめんなさい! でも、これが唯一の確実な方法なのです)。

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Image: Shutterstock

Source: Ars Technica

Brendan Hesse - Lifehacker US[原文