「2人目、3人目と子どもが増えるにつれて、上の子に比べて子育てがだんだん手抜きになる」
2人以上の子どもを持つ親御さんなら、身に覚えがある話ではないでしょうか。
最初に生まれた子の時は、ベビーフードもすべて手作りで、オーガニック素材を丹念に裏ごししていたのに、2人目になると市販の食べものを与えるようになります。
さらに3人目になると、ほかの家族が夕食に食べているものを適当に分け与えて済ませるようになります。よくある話です。
1日が24時間なのも変わりません。そう考えると、これはやむを得ないと言えるでしょう。
精神的刺激だけは手抜きしてはいけない
合理化できるところはある程度手間を省いてもかまいませんが、1つだけ、上の子と同じレベルにキープしておくべきことがあります。
それは、生まれたばかりの子どもに与える「精神的刺激」です。というのも(私の兄にこの記事を読まれるリスクを承知の上でご紹介しますが…)学術誌『Journal of Human Resources』に掲載された研究論文に、上の子に比べて下の子には、早くも1歳のころから、認知能力テストのスコアが低くなる傾向が見られるとの結果が示されているからです。
就学前の子どもの場合、認知能力の違いの大部分は、親の行動の変動によって説明できます。学校の成績やその後仕事に就いた際の実績には、生まれ順による差が認められます。
第1子に始まり、子どもが増えるに従って、親の子どもに対する全般的な行動が変化していきます。この変化が、こうした差を生む理由と考えられることが、今回の研究からわかりました。
これは確かに納得できる話です。子どもが1人だけなら、本を読んであげたり、色や文字、動物について話をしたりするなど、その子の教育に役立つことをしてあげる時間はたっぷりあります。
これが2人(あるいは3人やそれ以上)となると、「そんなことは学校で習いなさい」と言ってしまいがちです。今回の研究では、子どもに関する米国パネル調査(NLSY)のデータに基づき、一番多くの精神的刺激を受けるのは最初に生まれた子だとしています。
その影響は生涯にわたる
さらにToday.comの記事によると、両親の接し方の違いが与える影響は、幼いうちだけでなく、その子の生涯にわたって続くようです。
これまでの研究から、下の子は上の子に比べて、全般的に知能指数が低く、大人になって稼ぐお金も少なくなりがちであることがわかっています。
また、短期間で教育を終える人が多く、高校の卒業率も低いです。10代で母親になったり、犯罪で検挙されたりする確率も、下の子のほうが高くなっています。
ただしこの研究では、親の接し方以外の要素が影響を与える可能性についても指摘されています。
これらの要素として、
- 第2子以降の出産前後の母親に見られる
- 妊娠中もアルコールの摂取をやめない
- 妊婦健診を受け始めるのが遅い
- 赤ちゃんを母乳で育てない
といった傾向が挙げられています。
もちろん、下の子には、上の子を見てお手本にできるというメリットもあります。さらに、下の子の存在が、上の子が人の気持ちを理解できる子に育つきっかけになるとの研究結果もあります。
とはいえ、一般的な精神的刺激に関して言えば、下の子になるほど不足気味になるのは間違いないでしょう。
ですから、下の子には、たくさん本を読み聞かせる、一緒にパズルを解く、心の発達を促すおもちゃを買い与えるなどして、できるだけ精神的な刺激を与えてあげましょう。
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Image: Pixabay/Pexels
Source: Journal of Human Resources, NLSY, Today.com, Fatherly
Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文]