AppleがApple Musicの多くの楽曲のクオリティを「ロスレスオーディオ」にアップグレードすると聞いて、私はちょっとワクワクしました。
この変更は今すぐ反映されるわけではありませんが、6月に7500万曲以上をロスレストオーディオで再生できるようになるので、やはりワクワクしますよね。
ロスレストオーディオとは?
ロスレスオーディオとは、Appleが説明している通り、「アーティストがスタジオで制作したのとまったく同じクオリティで聴くことができる」という意味です。
ネタバレ:ほとんどの人にとって、これはまったく無意味です。ロスレスオーディオをApple Musicに切り替える理由にしないでください。
新しい空間オーディオで聴ける楽曲、Apple Musicの競争力のある価格、あるいはApple MusicのUI(Windowsユーザーを除くすべての人向け)の方がはるかにまともな理由です。
ロスレスオーディオは、むしろ紙の上でしかサウンドをアップグレードしません。
その理由をご説明しましょう。
ロスレスオーディオを体験できるイヤホンはない?
まず、Apple Musicを聴くために使用している多くのAppleデバイスではロスレスオーディオを体験することさえできません。嘘じゃありませんよ。
耳に詰め込む小さなAirPodsでは?聴けません。
「爽快なハイファイオーディオの完璧なバランス」(Appleが好んで使う表現です)を体験するために購入した500ドル以上もするヘッドフォンとして知られるAirPods Maxでは?
聴けません。 ワイヤレスだろうと有線だろうと、「本物の」ロスレスオーディオは聴けません。The VergeのChris Welchさんは次のように説明しています。
Appleは、ケーブルとLightningドングルの両方を使用してiPhoneからAirPods Maxに24ビット/ 48 kHz のApple Musicのロスレス楽曲を再生すると、オーディオがアナログに変換され、次に24ビット/48 kHzに再デジタル化されるとThe Vergeに語っています。
その再デジタル化のステップが、純粋なロスレスオーディオを聞いているとAppleが言えない理由です。
音源と全く同じになるわけではないからです。
最近発売されたHomePodのスピーカーはどうでしょう。
あるいはHomePod Miniのスピーカーは?どちらもダメです。確かに、空間オーディオで再生することはできますが、ロスレスオーディオでは再生できません。
サウンドのクオリティの差を聞き分けられないかもしれない
では、どうすればいいのでしょうか。
そうですね、アナログのヘッドホンを192kHzで24ビットのオーディオに対応する外付けのDACに接続すれば、最適なリスニング設定になるでしょう。
しかし、そのためにはずいぶん多くのギアを追加することになります。何のためにそこまでする必要があるのでしょうか。
私なら、まず、オンラインでできるこの便利な小テストをして、Apple Music(256kbps AAC)とロスレスオーディオのサウンドの違いを聞き分けられるかどうか確認します。
違いがわからない場合は、「ハイレゾ・ロスレス」に必要なギアを増やしたり、前述の「192kHzで24ビット」のオーディオを入手する必要はありません。
普通の中間クラスの「Appleロスレス」オーディオは、通常のアナログヘッドフォンより良い働きをしますが、その2つで聴き比べてサウンドの違いがわからないようなら、より高度なフォーマットとの違いも気付かないでしょう。
おわかりですか?
上記の説明がわかりにくかったり、自分のリスニングスキルをテストしたくないと思っても、心配無用です。その場合は、Appleの言葉を言葉通りに受け取りましょう。ロスレスオーディオは、たいていの人にはあまり意味がないでしょう。
Source: Apple, Digital Feed, 9to5Mac