仕事を離れて心身を休める時間を十分に取れていますか?

パンデミックが発生する前から、多くの人が夜遅くまで仕事をしたり、有給休暇を使い切っていませんでした

今は、在宅勤務を続ける人が増え、状況はさらに悪化しています。原因の1つは、仕事をする場所と私生活の場を物理的に切り離せないせいで、仕事と私生活の切り替えが難しいことです。

もう1つの原因は、休暇に出かける場所の選択肢が多くないため、休暇を取っても遠出せずに過ごしてしまうことです。

しかし、それでは、「バケーション」ならぬ「ステイケーション」中にどうしても多少は仕事をしてしまいます。

しかし、仕事をする時間が長くても生産性が向上するわけではありません。ある時点で、休憩が必要です。

午後は仕事をしないことにする日を設けたり、1週間仕事を休みにするなど、やり方は人それぞれで構いません。

次にあげるような症状が出ていたら、休みを取る必要があるサインです。

1.新しいアイデアが湧かず堂々巡りになる

仕事をしていると、答えが出ない問題に直面します。一般的に、明確な答えがある問題には、それに対処する自動化されたシステムがあるものです。

ですから、人間の仕事は新しいソリューションを開発することです。

そう考えると、人間は仕事上の問題に直面したら、その解決策を見つけられるはず。しかし、最善の努力をしても解決できない問題に出会うこともあり、そういうときは、解決策が見つかるまでとことん頑張ってしまいたくなります。

しかし、多くの場合、それをしてしまうと、同じことを繰り返す堂々巡りに陥ってしまいます。

本気で斬新なアプローチを見つけたいときは、いったんその問題から離れてみるべきです。そんなときは、仕事を休むことが最善の策ではないでしょうか?

休暇の後で仕事に戻ると、自分が取り組んできたことを新しい視点から見られるかもしれませんよ。

2.嫌なことを笑ってやり過ごせない

休暇を取ることで得られることの1つは、レジリエンスが強くなることです。

自分の「レジリエンス」=逆境力のレベルをチェックしてみよう

自分の「レジリエンス」=逆境力のレベルをチェックしてみよう

レジリエンスとは、困難や苦境から迅速に回復する能力のこと。

どれほど成功している人でも、仕事は「3歩進んで2歩さがる」です。後退したとき、そこから前進できなくなるほど参ってしまってはいけません。

レジリエンスが欠けていることを示す兆候は2つあります。

1つは、仕事で悪いニュースを聞いたとき、感情的に反応することです。上司にプロジェクトのやり直しを命じられると、普通は一瞬フラストレーションを感じますが、その後は当初の取り組みを改善する作業を始めます。

しかし、そのようなネガティブなフィードバックをもらうと、モチベーションをすっかり失ってしまうことがあります。

そうなったら、仕事から離れる時間が必要だというサインです。

批判を乗り越えて仕事を成し遂げられるように、気持ちを立て直す必要があります。

レジリエンスの欠如を示すもう1つの兆候は、職場の人間関係に現れます。

どんなに素晴らしい同僚でも、時には煩わしいときがあります。

「どうしてこんなにしつこく質問し続けるんだろう」「そんなこと自分でできるはずなのに、どうしてこちらに助けを求めるんだろう」「意地悪なことを言うなあ」と思うことってありますよね。

それでも、こちらが絶好調なときは、笑顔で「今日はこの人、何かあったのかな。次はもっと感じよいやり取りができるはず」と思えます。

しかし、こちらにも絶不調の日はあります。

そんなときは、感じが悪い相手にネガティブな対応をしてしまい状況をさらに悪化させがちです。

むしろやり取りをしない方が賢明です。

職場で燃え上がった火にガソリンを注ぐと不要な緊張が生じて、誰の生産性も向上しません。

同僚に不愉快なことをされても寛大に対応できない状態が続いていることに気づいたら、休みを取るべきときかもしれません。

3.仕事をしているふりばかりしている

デスクに向かっていても、必ずしも仕事をしているとは限りません。

全然仕事をしていないのに、忙しく見せる方法はたくさんあります。

インターネットを閲覧したり、ニュースサイトをスクロールしたり、PCのフォルダーから古いファイルを削除することで、仕事をしているふりができます。

その姿を見た人は、一生懸命働いていると思うかもしれません。

私は、この状態を「仕事をしているふり」と呼んでいます。一見すると仕事をしているように見えますが、生産的ではありません。

もちろん、少しなら仕事をしているふりをしても構いません。

誰だって心を休める時間が多少は必要ですから。しかし、長い間休みを取らず、何週間も続けて長時間労働をしていると、いつの間にか仕事をしているふりをしている時間が増え始めていることに気づくはずです。

その時点で、本物の休暇を取るべきです。

仕事をしているふりをしているとリラックスできません。

朝から晩まで仕事をした気がしても、実際にはToDoリストのタスクは1つも片づいていません。そのせいでますますストレスが強くなります。

仕事をしているふりばかりするようになったら、何日か仕事を休み、目的意識を刷新して仕事に戻るのが得策です。

最後になりますが、上記の症状が全く出ていなくても、週単位で持続可能な労働時間数を見つけること、そして、毎年休暇を取り、懐かしい人たちと旧交を温めたり、仕事以外の人生も味わうことをお勧めします。

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Originally published by Fast Company [原文

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