自分を正当化して言い訳することは、他人から攻撃されたときの自然な反応です。

しかし、会話中に言い訳がましく自己正当化するデメリットはなんでしょうか?

人間関係を研究しているジョンとジュリーのゴットマン夫妻も、強い自己防衛は、関係にヒビを入れるコミュニケーションの4パターンのうちの1つだと考えています。

自己正当化は、議論的に思えることもありますが、否定、回避、嘘、心理的に操って人をだますことなど、異なる形を取ることもあります。ペンシルバニア州ハリスバーグの認定カウンセラー、アマンダ・レビソンさんによると、自己正当化は、通常、(その人が認識している)脅威への対応だそうです。

言い訳して自己を正当化することで、自分と自分の気持ちを守るのです。これは、直視を余儀なくされたときに責任や説明責任をかわす方法の1つです。

1. 言い訳に言い訳で対抗しない

双方が自己正当化して言い訳合戦になるのは、緊迫感を解く代わりにそれを悪化させるだけです。

「そんなに言い訳ばかり言うな」「個人的に責めているわけじゃないよ」などと言っても、おそらくプラスにはならないでしょう。

「自己正当化は、普通、拒絶や判断に対して恐れを感じることから生まれます」と述べているのは、シカゴの認定臨床カウンセラーのアナ・ポスさん

「言い訳がましい人と口論したり、自己正当するような反応をしてしまったり、相手を判断したりすると、相手が恐れていたことを裏付けてしまうだけです」

2. 相手や状況と距離を置く

人が自己正当化して言い訳しているときには、理論ではなく感情に基づいて行動しているとポスさんは言います。(当事者両方が)強い感情を感じているときに他人を説得しようとするのはおそらく生産的ではないでしょう。

感情が昂ぶっているなら、自分でコントロールできるようになるまで(または相手がコントロールできるようになるまで)一呼吸置いたほうがいいかもしれません。

ポスさんは、深呼吸や10数えることを提案しています。実際にその場を立ち去って落ち着いてから、話に戻ったほうがいいかもしれません。そんな場合には、少しスペースが必要なことを相手に伝えましょう。

3. 対話に構造を加える

自己正当化とそれにともなう機能不全を管理するには、コミュニケーションの基本ルールに従う術もあります。

つまり、聞く、振り返る、検証する、繰り返すことです。たとえば、双方が、順番に、中断されずに話し続けられることに同意するとします。聞く側になったときには聞いた内容を振り返り、話し手の感情を確認。そして、聞き手、話し手を交代して同じことをします。

コミュニケーションを改善する他の方法には、(他人を非難するのではなく)自分が経験していることを説明する「I(私)」ステートメントを使って、状況の事実だけを説明するという方法もあります。

4. 問いかける

また、ポスさんは、相手の視点に興味を持つことを勧めています。

そうすれば、物事をそれほど個人的に捉えることがなく、相手があなたに判断されているという印象を持つことを避けられるかもしれません。

心から関心を持って問いかけて、なぜ相手が自己正当化して言い訳しなければならないと感じているのかを理解するように努めましょう。あなたの発言や行動、または口調に対する反応ならば、それを認めて、今度は違うアプローチを取るようにします。

自己正当化に対応するには、ある程度の自己認識と、自分が間違っていたかもしれないと認める気持ちが必要です。

また、相手の気持ちに共感することも大事です。もちろん、いつもああ言えばこう言う人との状況や関係から不健全な関係性が生まれることもあるでしょう。

必要ならば専門家のサポートを受けるという選択肢もあります。


Source: The Gottman Institute 1, 2, Psychology Today, Neurofeedback and Counseling Center of Pennsylvania, Modern Solutions Counseling