エレベーターが突然止まって中に閉じ込められたら、これ以上の悪夢ありません。
エレベーターは宙づりになり、唯一の頼みは目の前にある非常ボタンだけです。
ニューヨークで女性が週末ずっとマンションのエレベーターに閉じ込められるという事件が実際に起こりました。
New York Timesによれば、そのエレベーターは最近検査したばかりで、その際は何の異常も認められませんでした。
閉じ込められたときにとるべき行動

IBMが2010年に行った研究によれば、全米の16の主要都市で、サラリーマンが1年間にエレベーターに閉じ込められた時間を合計すると33年間になり、22%は脱出するまで10分以上かかっています。
私が住む6階建てのアパートも、エレベーターに問題があり、ほとんど毎週人が閉じ込められています。
毎回最後は解決するのですが、玄関ホールから心配して叫ぶ人たちの声には、慣れっこになりました。
では、このようなホラー映画さながらの恐ろしい事態に陥ったときは、どう対処したら良いのでしょうか。エレベーターに閉じ込められたとき、取るべき行動をご紹介します。
すべきこと① 平常心を保つ
この2008年のニューヨークの事件を見れば、エレベーターに閉じ込められるとどうなるかが正確にわかります。
Business Week誌の元プロダクション・マネージャー、Nicholas White氏がオフィスのエレベーターに41時間閉じ込められた体験を詳細にわたって伝えています。
非常ベルが鳴り響き、彼は火事になったのかと不安になりました。最近そのビルでぼや騒ぎがあったばかりで、そのときもエレベーターは使えなくなり、43階を歩いて下ったのでした。
非常ベルの音に耳慣れない振動を聞いた気がしましたが、幻聴でした。そのうち、「死ぬのではないか」と思えてきました。
言うまでもありませんが、狭い空間に閉じ込められると、人間はあっというまに闘争・逃走反応モードに入ります。
できるだけ平常心を保ち、今できることに集中しましょう。興奮しても、脱出が早まることはありません。
すべきこと② 備え付けの非常用電話を使う
理論的には、どのエレベーターにも非常用電話機が備え付けてあり、ビルのセキュリティやエレベーター会社につながることになっています(中には、非常ボタンしかないエレベーターもありますが)。
その非常用電話機を使って、助けを呼びましょう。氏名と今いるビルの住所を必ず告げて、直面している問題を知らせてください。
してはいけないこと① 飛び跳ねたり、無理に扉をこじ開けない

壊れた機械は叩いて直したくなるように、エレベーターにも刺激を与えて再稼働させたくなります。
でも、自分でエレベーターを動かそうとすると、かえって事態は悪化しますからやめましょう。
考えてもみてください。地上何メートルもの高さにつりさげられているのですから、ドアから落ちる危険性があります。
エレベーターの扉を無理に開けようとしたら、突然エレベーターが動いてしまい、亡くなった人はたくさんいます。
してはいけないこと② 天井のハッチから脱出しようとしない
アクション映画でよく見るシーンですが、実際には不可能です。最近のエレベーターは天井に脱出用ハッチはありませんが、もしあっても、外側からボルトで止めてあります。
万が一、ハッチから外に出たとき、突然エレベーターが動いたら、中にいるより危険です。
エレベーターが突然落下することはない
エレベーターはたった1本のロープでつり下がっていると誤解されることが多いのですが、そんなことはありません。
ほとんどのエレベーターは、安全ブレーキがあるので、突然落下することはあり得ません(それでも心配なら、落下するエレベーターの中にいるときは、体重を分散させて、床の真ん中に横たわるのが生き残るコツです)。
自分のスマホで119番に電話する
助けが来ず、非常電話に誰も出ないときは、自分のスマホで119番に電話しましょう(スマホを持っていて、電波が通じることが前提です)。
窮地に陥っているときは、消防署の方がエレベーター会社より早く応じてくれる可能性が高いからです。
繰り返しになりますが、とにかく冷静でいることです。
消防はこうした非常事態に対処する装備を備えているので、助けが到着するまで、何とか気持ちを紛らわすように最善をつくしましょう。
意識的に深呼吸することをお勧めします。
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Image: StockSnap/Pixabay, Michael Morse/Pexels, Reinhard Krull / EyeEm/GettyImages
Sources: New York Times(1, 2), IBM, The New Yorker
Josh Ocampo – Lifehacker US[原文]