急速に変化するビジネスの世界では、仕事の過負荷にはほとんど、あるいはまったく注意が向けられていません。
仕事の数を増やすことばかりが重視され、社員の心の健康が損なわれています。
当然のことながら、仕事はしなければなりません。そのため、仕事の過負荷を防ぎつつ、それでも仕事を進め成長していく方法を学ばなければならないのです。
正しい情報と考え方をもってすれば、両方とも達成することが可能です。
仕事の過負荷とは?

仕事の過負荷は、個人の時間やリソース、スキル全般よりも仕事の責任が大きい場合に起こります。
仕事の過負荷は、単に残業して定時よりも遅く退社するというだけではないこともあります。自分の現在のスキル以上の仕事をしている、という場合もあります。
そのような場合、満足のいく結果を出すために自分の能力を超えて取り組まなければなりません。
テクノロジー主導の今日の職場では、生産性を高めようとして、スケジュールに組み込むタスクを増やす傾向があります。
多くの仕事を達成しているという実感は、確かに自信を高めてくれます。
しかし、残念なことですが、常に自分の能力を超えた仕事をしているとストレスを抱えることになります。
仕事の過負荷を分類する

仕事の過負荷は、質的なものと量的なものに分類することができます。
質的な仕事の過負荷は、自分のスキルを超えて取り組んだ結果です。概して言えば今の仕事に向いていたとしても、与えられた特定の仕事に対してはスキルが不足しているのです。
自分の能力を証明するために、キャパシティを超えて無理をしてしまいます。
もう一方で、量的な仕事の過負荷では、限られた時間内に過剰な仕事を行います。この場合、タスクに必要なスキルは持っているかもしれませんが、時間がありません。
どちらの仕事の過負荷も、自分や仕事に異なる形で様々な影響を与えます。
自分が仕事の過負荷に陥っていることを察知して状態が深刻化するのを防げるよう、気をつけていなければなりません。
過負荷を抱える人の兆候とは?

「効率的に仕事をしたい」あるいは「もう少し生産性を上げたい」という気持ちは、過剰な量の仕事に没頭してしまう簡単な言い訳です。
仕事の過負荷の兆候は、典型的な仕事上の課題として姿を隠していることもあります。
その結果、どん底の状態になるまでそのことに気づかないかもしれません。ここでは、注意するべき兆候をいくつかご紹介します。
1.追加のタスクを引き受ける
仕事中に追加のタスクを引き受けることは、生産性が高まるため必ずしも悪いことではありません。問題となるのは、前のタスクを終わらせずに別のものに取りかかる場合です。
結局は仕事の山を作り、自分にプレッシャーをかけることになってします。次を始める前に、前のタスクを終わらせましょう。
2.常にストレスを感じる
仕事の過負荷に苦しんでいる明らかな兆候の一つは、常にストレスを感じているということです。ひどい場合には、散らかった仕事の山が待っているため、仕事のことを考えるだけで気分が滅入ってしまいます。
時にはストレスを感じでも問題はありません。感情的、心理的、肉体的に努力しているからです。しかし、それが絶えず続くべきではありません。
3.抑えきれない感情の爆発
自分の限界に達してもなお働き続けなければならない時は、ちょっとしたことがきっかけで感情が爆発してしまうことがあります。些細なことで苛立ち、人にフラストレーションをぶつけてしまいます。
突然自制心を失ったり、叫んだり、泣き出したりしてしまう状態を見過ごさないようにしましょう。特に、普段はそのような兆候が見られない人は要注意です。
4.やることリストが長い
やることリストを作成することは、物事を終わらせるための実用的な方法です。
また、リストに書かれた項目がチェックされて消えるのを見るのは最高の気分です。
一日の始まりに長いリストを作り、項目を減らすどころか増やし続けてしまう場合は、仕事の負荷が過剰になっている危険信号です。
5.仕事の時間が足りない
時間が足りるということはそもそもほとんどありませんが、やるべきことがたくさんある場合には特にそうです。
しかし、仕事に余計に時間をかける必要があったり、オフィスに長時間いたりするのが好きなら、間違いなく仕事の過負荷の兆候です。
仕事の過負荷を避ける5つの方法

仕事の過負荷と生産性は紙一重です。自分の業務に満足していると、生産性は上がりません。かといって過度に活動的だと、働き過ぎることになります。
では、どのようにしてバランスを取るのでしょうか?
1.不必要な仕事は避ける
求められる仕事をすべてこなそうとすると、働き過ぎになる可能性が高くなります。やらなければならないことは常にあります。
大切なのは、その時々で何が重要なのかを理解することです。
仕事の優先順位を決めましょう。重要度の低い仕事は手放すか、後回しにして忙しくない時に考えるようにしましょう。
2. 現実的なやることリストを作る
やることリストが長いと、紙の上で見るのと比べて現実には実現性が低いものです。実現できないなら、リストにあまりたくさんの項目を入れる必要はありません。
スケジュールに対して現実的になりましょう。
長いリストの全項目にチェックを入れないとがっかりするかもしれません。実行できる自信のあるタスクだけを含めましょう。予定通りにいってリストが尽きた場合、項目を追加したければ付け足すことができます。
3. 休憩する
仕事の合間に休憩を取り、次のタスクに向けて活力を取り戻す習慣をつけましょう。
長時間仕事をした後に疲れ切ってしまうのは当然です。体に必要な休息を与えないと、さらに自分を痛めつけてしまいます。休憩でリフレッシュした後は脳の働きが良くなり、何でもできるフロー状態になります。
4.仕事を任せる
すべてを自分でやらずに生産性を上げるには、仕事を任せるのが良い方法の一つです。周りに仕事を手伝ってくれる人がいれば、その人に仕事を任せましょう。そうすれば、働き過ぎになることなく仕事をやり遂げることができます。
きっと、その仕事を自分と同じようにはできないかもしれない、と心配になるでしょう。まずは簡単な仕事をお願いし、徐々に仕事を覚えてもらうことから始めましょう。
5.断ることを学ぶ
すでにやるべき仕事がたくさんある時は、新しい仕事を頼まれても必ず丁寧に断りましょう。
雇い主の言うことを断るのは困難です。自分はすでに多くの仕事をこなしており、これ以上増やすと効率が悪くなってしまうということを理解してもらえるよう努めましょう。
それは、組織にとって不利益になるということでもあるのです。
自分の健康を優先する
自分が自分自身に対してどれだけ価値を置いているかが、仕事の習慣に影響を及ぼします。雇われている環境にあったとしても、健康を損ねてまで働き過ぎる言い訳にはなりません。
仕事では最善を尽くすよう努力しましょう。
そして、疲れた時は休息を取ってストレスを解消しましょう。仕事が自分の健康を脅かすことがあった場合、その仕事にそれだけの価値はないのです。
Original article: What Is Work Overload and How Can You Avoid It? by MakeUseOf