最近はメッセージのやり取りのほうが増えているかもしれませんが、業務用としては、また個人でも、まだまだメールはコミュニケーションの主役です。
その邪魔をするのが、山のように届く迷惑メールです。スパムはもちろん、マーケティングメールもいつの間にか増えちゃうんですよね。米ギズモードのDavid Nieldが指南します。
メールは、簡単で便利だし、何より安上がり。でも、不便な点もあります。相手かまわず勝手に送りつけてくる、迷惑この上ないスパムメール。
その勢いに抵抗するのは無駄のようにも思えますが、それほど時間も手間もかけずに迷惑メールを減らすのは、案外、簡単なんです。
メールフィルターを鍛える
スパムは、想定外の問題などではありません。
だからこそ、今どきのメールサービスやメールクライアントには、スパム対策のツールが組み込まれているのです。
受信ボックスに迷惑メールが届くのを完全に防いでくれるわけではありませんが、スパムフィルターを実行するアルゴリズムを鍛えてやることはできます。
週に1回くらい、メールをスパムかどうか分類するだけで、フィルターの動作は違ってくるものです。
スパムではないメールをマークするのも、同じくらい重要です。
結果的に、受信ボックスに届いてほしくないメッセージにフラグを立てることになります。
スパムフォルダをときどきチェックしたほうがいいということも、以前のブログでお伝えしました。
大切なメールが紛れ込んでいないかどうか確かめ、メールアプリがスパムかどうかを判定するのを手伝ってあげるためです。

ウェブ版Gmailの場合は、迷惑メールを開いた状態で「迷惑メールを報告」ボタンをクリックするだけです(ボタンにテキスト表示していない場合は、〔!〕アイコン)。
モバイル版の場合は、右上にある「…」アイコンの中に「迷惑メールを報告」オプションがあります。
間違ってスパムフォルダに入ってしまったメールは、開いて「迷惑メールではないことを報告」をクリックまたはタップ(ウェブ版、Android版)するか、右上の「…」をタップして「迷惑メールではない」を選択(iOS版)すれば大丈夫。
Windowsでデフォルトの「メール」アプリを使っている場合は、メールを開いた画面で右上の「…」をクリックし、迷惑メールであれば「スパムとしてマーク」を、正常なメールであれば「迷惑メールではないメールとしてマーク」をクリックします。
ウェブ版とモバイル版のOutlookでも、同じところに同じオプションがあります。メールを開いた画面の右上にある「…」メニューです。

Apple Mailをお使いの場合は、macOSのツールバーに「“迷惑メール”メールボックスに移動」アイコンがあります。
ショートカットは、Cmdキーを押しながらクリックです。
迷惑メールフォルダを開くと、選択したメールを受信ボックスに戻すアイコンに変わります。ショートカットは同じくCmd+クリックです。
iOSでは、ウィンドウ下部にある旗アイコンをタップして「“迷惑メール”に移動」するか、迷惑メールを開いて「迷惑メールにしない」を選んで分類の動作を決めます。
メールクライアントそれぞれについて詳しく説明することはできませんが、スパムを報告する(またはスパム指定を除外する)方法は、どんな環境でもすぐに見つかります。
大切なのは、適切な分類を教え込んでいけば、どんなメールアプリでもどんどん賢く迷惑メッセージを分類するようになるということです。
メールアドレスを保護する
邪魔なメールが次々と受信ボックスに届くのを防ぎたければ、メールアドレスをしっかり守るのも効果的です。
いちばん大事なメールアドレスはウェブに公開せず(自分のウェブサイト経由で連絡を受けたいときには、ウェブフォームを使う)、それ以外の用事にはスペアとしてセカンドアドレスを使うという方法もありますGmailやOutlook、Yahooなら簡単にアカウントを作るのも簡単です。
すでに使っているアカウントでメールエイリアスを設定するのも、意外に簡単です(エイリアスとは、メインと同じアカウントの同じ受信ボックスで使えるアドレスです)。
Gmail、Outlook、iCloudなら数回のクリック操作で作成でき、方法は以前こちらで説明しています。

新しいアプリやサイトに登録するときには、セカンドアドレスやメールエイリアスを使いましょう。
そのアドレスに届くメッセージも、メインの受信ボックスからフィルターで振り分け、好きなときにチェックすることができます。
そのアドレスに、さばき切れないほどスパムが届くようになってしまったら、さっさと閉鎖してしまえばいいのです。
数分かけてスパムフィルターを鍛えるだけで予想以上に効果があるように、不要メールの配信を停止するのも有効です。
もちろん、これは勝手に届いたり、ときには何らかの詐欺行為を狙ったりする、いわゆるスパムではありません。
宣伝やマーケティングを目的としていますが、過去に接点があって送られてくる正規のメールです。

GmailでもAppleの「メール」でも(モバイル版)、メールに配信停止のリンクがあり、実際に配信を停止することができます。
1週間分のうち、いくつかのメーリングリストだけ配信を停止したところで、ほとんど意味はないように思えるかもしれませんが、受信ボックスにたまるメールを減らす役には立つものです。
有効かどうか分からずに当てずっぽうで送られてくるメールは別です。
その手のメールは、できれば、スパムフィルターに引っかかってほしいものですが、件名を見てスパムと判断できれば、開封すらせずに削除するのが一番です。
開封してしまうと、アドレスが生きていることを送り主に知らせる結果となり、さらにスパムが届くきっかけを作ることになります。
専用のサービスを利用する
スパムの襲来に対処するために、専用のサービスを使っていたとしても、別に恥ずかしくなんかありませんよ。
GoogleだろうとAppleだろうと、受信ボックスを管理するサービス側にその機能がないとしたら、他のサポートを頼るのは当然です。
SaneBoxは、無料トライアルののち、月額7ドルからで利用できます。スパムを取り除くだけでなく、どのメールがユーザーにとって重要かも学習してくれるので、メールをえり分けなくて済みます。
サーバー側で動き、ユーザー側ではメールクライアントもサービスも不要です。

Spamfighterは、Windowsの個人ユーザーなら無料で利用できます。
この手のサービスでは老舗で、受信ボックスに届く前にスパムメールをしっかり止めてくれます。
どんなメールクライアントでもプラグイン形式で使用でき(使用説明書も付いてきます)、内蔵フィルターとして強力にスパムを排除します。
MailWasherもおすすめです(Windows版のみ)。
これも、好きなメールクライアントで動くように設定できます。メールアドレス1つなら無料で使えますが、40ドルで購入すれば、複数のアドレスで利用できるほか、技術サポートも受けられるようになります。
スパムで本当にお困りなら、MailWasherのような専用ソリューションを使う価値はありそうです。

最後にご紹介するのが、SpamSieveです。
macOS専用で、無料トライアル後に30ドルかかりますが、スパムメールを排除するという点ではかなり優秀で、特におすすめできます。
Mac用のどんなメールクライアントでも動き、機能を細かく調整したければ、カスタマイズのオプションも豊富です。
いつものことですが、新しいサービスに登録するときには、受信ボックスにアクセスするものには特に注意するようにしてください。
たとえば、Unroll.meは、メーリングリストの配信停止を自動で処理してくれる便利なサービスですが、皆さんの受信ボックスから、匿名化したうえでデータを集計し、マーケット分析に利用しています。
プライバシーポリシーは必ず確認してください。他のユーザーのレビューも参考になります。
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Image : Gizmodo US , SaneBox
ギズモード・ジャパンより転載(2019.8.15)