どんな習慣でもそうでしょうが、日記を書くことを習慣づけるのは、口で言うほど簡単ではありません。

私も長年挑戦してきましたが、長続きしませんでした(実家の自室にある何冊もの使いかけノートがその証拠です)。ようやく習慣化できたのは、海外の大学で学んでいて、旅行記を毎日つけるようになったときです。そのころにふと「続けられそうだ」と思い、アメリカに戻ってからも日記をつけるようになりました。

日記が、訪ねた場所や食べた料理を記録するだけのものから、感情に向き合ったり、疑問や気づきについて掘り下げたり、自分のゴールを設定したりする場所に変わったのはそれからです。

そうは言っても、毎日書く気にはなれません。

吐き出したい何かを胸のうちに抱えていていても、書けないときはあります。後世に書き残せるようなすばらしい考えが何かひらめかないかなあと思いながら、日記を開いて真っ白なページをじっと見つめている時もあります。

日記を続けるための、3つのヒント

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Image: Pixabay

書きたいことがわからなくて困ってしまうことが時々あるという人は、Benjamin P. Hardy氏のこちらの記事をぜひ読んでみてください。

日記を書く習慣を身につけ、それを維持していくための参考になるアドバイスがたくさん紹介されています。

私が特におすすめしたいのは、書くことが何も思いつかないときに役に立つ、次の3つのヒントです。

ヒント1

自分の人生で起きていることすべてに対し、まずは感謝を述べましょう

時間をかけて振り返り、生活や人間関係のこまごまとしたことを何もかも書いてください。自分にとって大切な人は誰か、現在の自分にいたるまでにどんなことがあったかを書き出してみましょう。

前回つらいことがあって立ち直ったときからこれまで、具体的に何があって、今はどんなことが起きていますか? 日記で肝心なのは、自分が辿ってきた経験を記録することです。そこから、自分の考えや目標、計画の背景が見えてきます。

ヒント2

日記では、自分の周辺で起きていることについて、心から正直になりましょう

自分の人生におけるすばらしいこと(つらいこと)に対して感謝を述べた直後には、まださらけ出していない感情を率直に認めてあげる必要があります。

気分が高揚しているうちに、具体的な変化を起こそうと決意しなくてはなりません。夢や理想を叶えるために変えるべきおもな事柄を書き出してください。心に浮かぶことを何でも文字にするのです

日記は、心を落ち着かせ、癒すのに大変効果的です。

変えるべき事柄をつづりながら、現在の自分を作り上げた失敗や苦労を包み隠さず書き出しましょう。これまでなぜ、そうした変えるべき事柄に取り組んでこなかったのか、その理由をつづってください。自分に正直になって、弱みをさらけ出すのです。

日記に書いている内容が人に知られることはありません。日記を書くのは、自分の考えを整理し、優先順位や目的をもう一度打ち立てるためです。日記の中で自分に正直になれなければ、その後の人生を正直に生きていくことなどできないのではないでしょうか?

ヒント3

大局的な視点に立った自分の夢について書きましょう

人生のビジョンや3~5年後の目標、あるいは3カ月~1年以内に達成したいゴールを設定しても良いかもしれません。

目の前の具体的な事柄に焦点を絞る前に、まずは広い視野に立ち、時間をかけて、自分がやろうとしていることについて考えるのはとても有益です。全体像を描くのが重要なのは、そうすることで、なぜそうするのかという「理由」ともう一度つながりが持てるからです

慌ただしい日々を送っていると、「理由」をつい見失ってしまいます。

また、「手段としての」目標と、「最終」目標のあいだには大きな違いがあります。そして最終目標こそ、自分にとって真に重要なものです。なぜなら、それが心から求めているものだからです。本当にほしいものを手に入れられるようになるからではありません。

たとえば、良い仕事に就くために大学を卒業しようと考えるのは、「手段としての」目標です。

一方の最終目標こそ、何よりも大切なものです。ですから、最終目標を念頭においてスタートを切り、それに向かって走り続けてください。そうすればかなり手間が省けます。要するに、社会的に期待される目標を追い求めずに済むというわけです。

ここで指摘しておきたい点があります。

それは、私は日記に自分の目標を書いていますし、Hardy氏も自らの目標を設定するうえでは日記が大変優れた方法だと強調してはいますが、「日記を活用して生産性向上につなげよう」などとプレッシャーを感じる必要はないということです。

たしかに、日記を生産性アップにつなげようと意識すれば、実際に効果があるかもしれません。

とはいえ、日記は自分の好きなように使うのがベストです。決まりはありませんし、Hardy氏が言うように「あなたの日記を読む人は誰もいません」。

日記では、ありのままの自分になれます。

あるいは、日記を自分探しの場にしても良いでしょう。生活のあらゆる面がパフォーマンスを意識し、最大限の効率化が図られているような時代においては、日記は自分を解放するための場であり、癒しの場なのです。

フリーライティングする

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Image: Writelight

もっと抽象的なことを追求したいという人には、フリーライティングをおすすめします。

フリーライティングとは、制限時間を設定して、スペルや文法の誤りを気にせずにひたすら書くジャーナリング手法です。あるいは、テーマを決めても構いません。とにかく、時間切れになるまで脇目もふらずに書くのです。

私は、書くネタがあまりないけれど日記をつけたいという日には、日記を書くきっかけをランダムに与えてくれるアプリ・ウェブサイト「Writelight」を使います。

Writelightを開くと、設定時間の選択肢(10分や20分など)とアイコン(フラッシュライトやコーヒーの入ったカップなど)が表示されるので、書くのに費やしたい時間と、好きなアイコンを選びましょう。すると、書くきっかけになる1文が提示されます。

たとえば、「7分」と小鳥のアイコンを選ぶと、「私は何に集中すべき? 今この場でそれに集中すべき理由は何?」といった文章が出てきます。

「10分」と猫のアイコンを選ぶと、「午前中いっぱい、自分だけの時間ができたら何がしたい?」という1文が表示されます(はっきり言って、2つめのヒントはさほど大事だとは思えませんが、考えるのは楽しいですよね)。

調子が出てくれば、すらすらと書き続けられるでしょう。

制限時間をオーバーしても、そのまま「Writelight」が提案してくれたヒントについて書くもよし、もっと個人的な内容へと切り替えるもよし。そして、日記を数日か数カ月に1回しか書かなかったとしても、気にする必要はありません。いずれにせよ、日記はあなたの心のはけ口なのですから。

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Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com,Pixabay, Writelight

Source: Medium, Writelight

Alicia Adamczyk - Lifehacker US[原文