こんにちは。セールスコンサルタントの伊庭正康です。
1年なんて、あっという間に過ぎてしまうものです。特に忙しい人ほどそうでしょう。
もし、今年こそはと、スキルアップや副業、趣味の充実など仕事以外のことを考えているなら、先にスケジュールを決めてしまい、予定を書き込んでおきましょう。そうすることで、実践する確率が高くなります。
ただ、その時、残業の問題を解消しておく必要もあるかもしれません。せっかく予定を書き込んでも、仕事が終わらないとなると、「今年こそ」と思っていることが、ズルズと流されてしまいます。
そこで今回は、充実した1年を過ごすために、「残業を前提としないコツ」「飛躍の1年にするコツ」について考えたいと思います。
伊庭 正康 株式会社 らしさラボ 代表取締役

リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社 らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理など、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。近著に、『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)』『数字を上げる人のセールストーク・営業のキホン(すばる舎)』など著書多数。「無料メールセミナー」も好評。公式サイト
残業を前提に予定を組まない
「早く仕事を済ませて帰れたらいいな」といった願望だけで、早く帰れるほど、時間の流れは甘くありません。思うだけではダメで、決意が不可欠です。まず、出勤する際に帰る時間を決めてから仕事に取り掛かることをおすすめします。
この時、「できるかどうか」を考えてはいけません。あなたが「帰りたい」と考える時間で決めていいのです。決意したら躊躇せずに予定を書き込むのです。
たとえば、「18時に終了」と。たったこれだけのことですが、確実に世界が変わります。
これをコミットメント効果と言います。決めたら、やらざるを得ないという効果で、いわば、自分との約束。仕事の速い人は、スゴいのではなく、決意しているからで、物事に流されませんし、迷わないのです。
そうなると、「この仕事を20分で終えないといけないな」「今、休憩をとっている場合ではないな」「この業務を割愛できないかな」と自己検証せざるを得なくなります。帰る時間を“希望ではなく決意”に変えることが最初の一歩です。
仕事が終わってからの“放課後の予定”を先に決めてしまう

また、帰らざるを得ない状況をつくることも効果的な作戦です。仕事が終わってからの予定を先に決めてしまえば、帰らざるを得なくなるばかりか、プライベートまでが充実します。
たとえば、今年こそは資格を取るぞ、と決めたなら、学校に通うことや、勉強の時間を確保する必要があるでしょう。それをまず、予定に書き込んでしまうのです。もちろん、映画でもいいですし、エステでも、ジムでもいいのです。
ただし、この時、何を予定に入れてよいのか、わからないことがあるかもしれません。そんな時は、時間を3つに分けて考えてみることをおすすめします。
処理時間:目の前の出来事への対応。タスクの処理など、日常の業務
投資時間:人と会う、勉強、体を鍛えるなど、自己投資に充てる時間
余暇時間:趣味、リフレッシュ、休息など、余暇を満喫する時間
迷ったら、投資時間と余暇時間を、仕事終わりの放課後に予定を入れてみてください。どんなことでもOKです。目先の仕事に追われるばかりの生活では、おもしろくありません。“充実を感じる生活”を手に入れる大きな一歩となるでしょう。
人生は、1日の積み重ねの連続でしかない
ここからは「飛躍の1年にするコツ」ですが、複利の発想で考えてみることをおすすめします。複利の効果はあなどれません。1日を無駄にしない発想になれるでしょう。
複利とは、1日1%の金利がつく場合に、100円が翌日に101円、2日後には102円と、増えた金額に対して毎日1%が増え続ける仕組み。1年(365日)経つと、100円が約22倍の2192円に。これが複利の発想。
ちょっと考えてみましょう。仮に残業時間を1日30分早めたとしたら、年間240日労働とすると、7200分(120時間分)の時間を捻出できるわけですが、複利で考えると効果はそれだけではないのです。
コツコツと“積み重ねていく”こと、これこそが複利の発想。ゆえに、「資格取得」「語学の上達」「友人の広がり」など、飛躍の1年にすることができるのです。
たった、10分、30分、1時間、この1日の積み重ねが、あなたの世界を変えてくれるでしょう。そう考えると、無駄に残業することは「人生の機会ロス」になるとも言えるわけです。
いかがでしょう。残業レスで仕事が終わった後に、専門書を読む、学校に通う、人と会う、映画を観る、ジムでメタボを予防するなど、できること、やるべきことはたくさんあります。
いわば、心・技・体を高める投資の時間と考えるのです。それを複利で考えると、飛躍の1年、変化の1年にできるのではないでしょうか。
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