私は5年ほど前から英語を教え始め、現在、幼稚園児~大人まで50人ほどの生徒に英語のレッスンをおこなっています。教える際にこだわっているのは、英語圏で作られた「旬」の素材を使うこと。

その理由は、目新しい素材が多く、海外の文化を学びながら、英語を好きになってもらえるから。

特によく使っているのは、アメリカ人のネイティブ講師が教えてくれた英語ネイティブの子ども向け学習サイトです。今回は中でもおすすめの、幼稚園児、小学生向けの学習サイトを3つご紹介します。

英語圏の学習サイトをおすすめする理由

まず、日本語の英語学習サイトや通信教育ではなく、英語圏の学習サイトをおすすめする理由をご紹介します。

1. 小さいころから国際感覚が身につけられる

国際感覚は、英語を使って仕事や生活、旅をする時に必要不可欠なスキル。英語圏のコンテンツには、さまざまな人種が出てきます。そのため、子どもたちは小さいころから「世界にはさまざまな人がいる」ということを自然に学べます。これが将来の異文化理解につながるのです。

2. 英語圏の文化にもふれられる

ハロウィンやイースターがテーマの塗り絵など英語圏の文化にふれ、自然に理解できる内容があり、国際感覚を身につける手助けとなります。

3. 教える大人の学びなおしにも最適

英語がちょっと苦手な親も、幼稚園児向けのコンテンツなら、中学卒業程度の英語力で理解可能。

一緒に取り組むうちに、特にリスニング力が身につきます。また、「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉のとおり、親も一緒になって楽しく英語に取り組んでいると、子どもたちのモチベーションも上がります(私の英語教室の生徒も、親御さんが英語を勉強している家の子どものほうが英語力が高いです)。

4. 英語で英語を学べる

ネイティブ向けのウェブサイトなので、当然、日本語はゼロ。子どもたちは自分の言語と同じように、想像力を使いながら意味を推測し、英語を身につけることができます。

5. 遊び感覚で「読み書き」が学べる

英語圏の親御さんにとって、読み書きは、しっかり教えたい大事なスキル。そのため、アルファベットの読み書き、単語の読み方が身につくオンラインゲームやアプリ、プリントがたくさん開発されています。特にPhonicsという英語の読み方のスキルは、英語圏のほうがコンテンツが充実しており、遊んでいるうちに読み書きができるようになります。

6. 無料!

一部有料のコンテンツもありますが、無料で使える範囲でも十分、楽しめます。

では、さっそくおすすめのサイトを3つ、紹介します。

1. 2歳~小学生向けまでの学習コンテンツが揃った「Education.com」

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Screenshot: Education.com

Education.comにはPreschool(入園前・年少程度)から5th Grade(小学5年生)向けまで、様々な教育素材が入っています。

日本人が英語を勉強する場合、年齢にあわせて以下のレベルをご利用ください。

  • 幼稚園児〜小学校1、2年:Preschool(入園前・年少程)やKindergarten(幼稚園児)のコンテンツ
  • 小学低学年・中学年:1st Grade(小学1年生)や2nd Grade(小学2年生)のコンテンツ
  • 文章が読める小中高生や大人:3rd Grade(小学3年生)以上のコンテンツ

驚くのは、その素材の豊富さ。Worksheet(プリント)、Workbook(ワークブック)、Lesson Plan(授業プラン)、それにオンラインゲームまで入っています。

  • Worksheet(プリント):塗り絵やアルファベットの書き方など種類が豊富。印刷して使えます。
  • Workbook(ワークブック):英語の読み書きや文法などを教科書のようにまとめたもの。20P程度のものが多いです。
  • Lesson Plan(授業プラン):Body(体)、 Numbers(数)などテーマ別に、授業の進め方、使うプリントがまとめられており、全てダウンロードできます。子ども英語講師が使うのはもちろん、英語を読むことに抵抗感が少ない親御さんがお子さんを教える際にも使えます。
  • オンラインゲーム:読み書きと算数、タイピングに関するオンラインゲームです。遊び感覚でできるので、子どもたちに大人気です。

こんなに多く入っていると何から始めてよいものか、分からないかもしれません。

そんな方におすすめなのが、検索機能の活用。「Halloween」「Christmas」「Food」など気になる言葉を入れて検索をかけると、その言葉に関する教育素材がたくさん出てきます。そこから希望の年齢層を選べるので、慣れるとわりと簡単です。

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プリントやワークブックはダウンロードしたあと、印刷します。ワークブックの場合は、コンビニで小冊子モードでプリントし、ホチキスとマスキングテープで製本して使っています。
Photo: 曽我美穂
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プリントやワークブックはダウンロードしたあと、印刷します。ワークブックの場合は、コンビニで小冊子モードでプリントし、ホチキスとマスキングテープで製本して使っています。
Photo: 曽我美穂

また、最近は特にゲームに力を入れているようなので、スタートしたい年代に設定すれば、その年齢向けのゲームができます。

図1-4
Screenshot: Education.com

こちらは、アルファベットと音を覚えるためのゲーム。「J」「R」などのアルファベットの音が流れたら、その文字をタッチ。タッチすると左の気球が上がり、全部上がったら満点です。お子さん1人でもタッチパネルで直感的に操作し遊べます。

幼稚園児の息子は、このようなゲームをするうちに、英語の大文字、小文字を覚えられていました(私がしっかり教えた覚えはありません!)。

ただちょっと残念なのが、このサイトを使うには、会員登録が必要な点と、たくさん使うにはお金がかかる点です。ある程度までは無料で使えるのでですが、毎月、制限量を超えると制限がかかります。好きなだけ使うには、毎月会費を払うか、永久会員になるしかありません。詳しくはサイトをご確認ください。

会費は以下の3択です。

  • 月契約で毎月12.99ドル払う
  • 年間契約で毎月9.99ドル払う
  • 298ドル払って永久会員になる

私はたくさん使いたかったので永久会員になりました。決して安くはない金額ですが、日々のレッスン準備に使う他、9歳と6歳の子どもたちも使っており効果が出ているので、元は取れていると思います。

2. 英語を読む力を育てられる「Starfall」

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Screenshot: Starfall

Starfallは非営利組織が運営している、英語を読む力を身につけるための教育サイトです。ウェブサイトとアプリがあり、どちらも無料で使えます。

左上にある1〜4の項目を選ぶと、それに関する歌を見たり、ゲームをしたりできます。英語初心者の幼児、小学生におすすめのコンテンツは「1.ABCs」(アルファベット)と「2.Learn to Read」(英語の読み方)です。アルファベットの発音や単語の読み方を、音声付きで学ぶことができますよ。

私は、アプリを2つダウンロードし活用しています。1つは『Starfall ABCs』というアプリ。アルファベット表があり、そのアルファベットをさわると、歌が流れ、読み方を教えてもらえます。何度も使ううちに自然と、英語の読み方を覚えられますよ。

図1-6
Photo: 曽我美穂

こちらがアルファベット表です。それぞれの文字をタッチすると、歌が流れます。一番下の小文字のaeiouのボタンは、英語を読むときの音の出し方を教えてくれるので、英語の単語を読む準備になります。

もう1つは、単語や英文の読み方をゲーム感覚で学べる『Starfall Learn to Read』というアプリです。レッスンでこのアプリを出すと、小学生は夢中になって遊びます。このアプリを続けて使えば、単語がどんどん読めるようになるはず。

図1-7
Photo: 曽我美穂

1つ1つのアルファベットの音をゆっくり読み(catならク、ア、ト)、それをつなげると「キャット」と読める、ということを伝え、最後にその単語の絵が流れてきます。ロボットの話し方がおもしろいです。笑いながらいろんな単語を見ているうちに、気づくと単語が読めるようになっています。

小さいころから単語の読み方とその仕組みを覚えておくと、中学生以降に単語を覚える時に、楽に覚えられるようになりますよ。

3. 歌とワークシートが充実した「 Super Simple」

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Screenshot: Super Simple

最後におすすめしたいのは、Super Simpleです。

配信元は日本に拠点を置くこども英会話スクールです。ネイティブの先生がオリジナルの曲を作り、配信しています。覚えやすいメロディ、楽しい動画がネイティブの子どもにも非英語圏の子どもにも大人気です。

Video: Super Simple Songs/YouTube

この歌は人気の歌の1つ「Do You Like Broccoli Ice Cream?」。視聴回数は4.3億回を超えています。

もちろん、YouTubeで動画を見るのもおすすめなのですが、更に活用いただきたいのが、Teaching Resource Centerに載っている歌詞やプリントやカードなどのコンテンツ。無料でダウンロードできます。

歌を聞いた後に、出てきた単語のカードを使ってカルタ取りをしたり、ぬりえをしながら出てきた言葉を覚えたりすることで、習った歌、その歌の中で使われる表現を定着させることができます。このコンテンツを使えば、歌を楽しみながら英語を覚えられますよ。

今回ご紹介したウェブサイトやアプリを活用し、ぜひ、親子で楽しみながら英語を学んでみてください。


Photo: 曽我美穂

Image: Education.com, Starfall, Super Simple, Syda Productions/Shutterstock.com

Source: Education.com(1, 2), Starfall(1, 2, 3), Super Simple(1, 2, 3), YouTube