毎日お世話になっているハードウェアの数々。
それらを実際にテストする人たちには敬意を表します。
著者もWirecutterでは、ルーターのファイル転送テストに莫大な時間を費やした経験があります。
だから、米Lifehacker編集部の仲間であるEric Ravenscraftさんの最新分析には脱帽しました。
スマホのワイヤレス充電についての問題を明らかにしたんです。
これは誰でも一度は頭によぎったことがあると思うのですが、実際にわざわざ確認した人はいないでしょう。
その結果はあまりにシンプルなので、今までそれを見たことがなかったことに驚いたほどです。
Ericさんは、修理する権利を支持するiFixitの鬼才たちと組んで、充電にかなり長い時間がかかる“典型的なワイヤレス充電器”がどのぐらい電力を必要とするのかを調べたんです。
そして、標準的なケーブルとパワーアダプターを使った同様のテストも行ないました。
ワイヤレス充電は47%も多く電力を使う
テストの結果について、Ericさんは次のように語っています。
ケーブルを使って充電ゼロから100%まで充電した時、平均で14.26Whかかりました。ワイヤレス充電器は平均で21.01Whでした。
ケーブルにつなぐ手間が省けるというワイヤレスの便利さが47%以上の電力を必要とするんです。
同じサイズのバッテリーを充電する時、ワイヤレス充電にすると、スマホに負担がかかり、熱が発生し、電力ももっと消費するということなんです。
また、Ericさんは、ワイヤレス充電器の上にスマホをどう置くかで、完全に充電するための消費電力量が変わることも発見しました。
これはそれほど驚くことではないと思いますが。デバイスを充電器のコイルの位置とずれて置くと、充電にはもっと電力が必要になります。
ワイヤレス充電器のコイル位置がわかりやすいデザインなら、おそらく充電はもっと効率的でしょう。
ただ、Ericさんが言うように、ほとんどの場合ワイヤレス充電は効率が良いとはいえません。そして、スマホが置かれていなくても、充電器そのものも約0.25Whの電気を消費します。
ワイヤレス充電器は捨てなくてよし(今のところは)
では、ワイヤレス充電をやめたほうがいいのでしょうか。
もしワイヤレスが最速で充電できるなら、それでもかまわないと思います。
昨年、WirecutterにNick Guyさんがこう書いていました。
Qiワイヤレス充電器は、ケーブル充電器より遅い。以上。
我々のテストで最速だった充電器では、iPhoneXRが1時間でゼロから50%まで充電できました。
これはケーブル付き充電器の速度の約半分です。
でも、どんなワイヤレス充電器でも一晩あればどんなスマホだってフル充電できます。
ですから、著者はベッド脇のテーブルにワイヤレス充電器を1つ置いています。
夜中に目が覚めてスマホをチェックしたい時(悪い習慣だとは自覚してますが)、スマホをケーブル付き充電器にもたもたと差し込み直したりして、パートナーを起こすかもしれないと心配しなくていいからです。
合計してもLED電球1個分ぐらいではありますが、もし電力を節約したいなら、ケーブル付き充電にすべきだと、Android CentralのJerry Hildenbrandさんは述べています。
要するに、スマホ充電でもっとも効率が良い方法はもっとも遅い方法なんです。
短くて丈夫なケーブルのあるUSBーA、5ボルト、1アンペアの充電器を直接スマホに差し込む。
この方法は超遅いし、速度と便利さを重視する多くの人たちは使わなくなっている方法ですけど。
個人的にはそれがベストだと思っています。なぜなら、特に状況を俯瞰した場合には消費電力を考慮するのは大事だと思うからです。
ワイヤレス充電の使い方
ただ、ワイヤレス充電の効率の悪さは覚えておくべきです。
新しくてより良いワイヤレス充電器がどんどん出てきますが、特に困らないなら、就寝時やデスクで仕事をしている時にはケーブル充電器にすることを考えてみてはどうでしょう。
特に利便性が必要な時とか、ワイヤレスしか使えない車の中だとか、そういう時にはワイヤレスにするという使い分けを提案します。
話は少々それますが、皆さん、四六時中スマホを充電する必要はあるのでしょうか。
80%から100%に頻繁に充電するより、1日の終わり(または外出で必要な時)に充電するのはどうですか。チリも積もれば山になりますから。
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Image: Wisanu Boonrawd (Shutterstock)
Source: OneZero, Wirecutter, Android Central, Energy Use Calculator, Oasis Energy
David Murphy – Lifehacker US[原文]