冬の定番インナーといえばやっぱりニット。アウターに比べてシンプルなアイテムゆえ、素材そのものが着心地や雰囲気を大きく左右します。
今回は、昨今話題のサスティナブル素材のニットを厳選。環境にも配慮したニットで身も心も暖かさをゲットしましょう。
身近でエコを体現できる、サスティナブルファッション
今、最先端のハイファッションブランドからスポーツアパレルまで、多くのファッション企業が実践しつつあるのが、「持続可能性」を意味する「サスティナブル」な取り組みです。
その背景にあるのは、環境問題。限りある資源を有効活用することはもちろん、大量に廃棄される海洋プラスティックごみ、増え続ける二酸化炭素排出量など、地球全体に人間が地球に及ぼす悪影響は深刻なものになってきているからです。
国連気候行動サミット2019における、16歳の環境活動家 グレタ・トゥーンベリさんの涙ながらの痛烈なスピーチが大きな反響を呼んだこともあり、もはや誰もが避けることのできない問題であることは明白。それでは、どうしたらいいのでしょう?
いきなり生活すべてをエコフレンドリーにするというのは無理な話。気負うことなく、少しずつ、簡単に始められるのがサスティナブルなファッションなのです。
今季はサスティナブル素材に取り組むブランドが多く、特にニットは豊作。
限りある資源を有効活用したリサイクルウールをはじめ、それぞれのブランドがそれぞれのアプローチで取り組んでいます。
もちろん、素材だけでなく、着てかっこいいことも重要な要素。トレンドに流されず、ずっと愛用できる汎用性の高いクルーネックを中心に、選んでみました。
ブランド全体でサスティナブルに取り組む「プラナ」に注目!

1992年にカリフォルニアで生まれた「プラナ」は、ヨガとクライミングウェアで有名なブランドです。リブランディング以降、ほとんどの製品にサスティナブルな素材を採用しているのが特徴。
こちらの切り替えを多用した、胸ポケットと肩当て付きのミリタリー風のデザインのニット「ローナン ロング スリーブ」も同様。工場で廃棄されるウール糸を再利用した素材でできています。
価格1万7000円/コロンビアスポーツウェアジャパン
「無印良品」の再生ウールニットはゆったりフィットが絶妙

こちらは、回収したウール製品や生地を粉砕し、もう一度紡績からやり直した再生ウールを採用した、「無印良品」の「再生ウール混セーター」。ポリエステルを混紡したメランジ調の素朴で風合いのあるニットです。
袖と裾のリブを長めに取って、少しゆったりとしたシルエットが特徴。裾はスリット入りでネックも広めなので、動きのある着こなしにぴったりです。
価格5446円/無印良品 ※限定店舗にて販売
廃棄ペットボトルを再利用した「オブレクト」の白ニット

北欧にインスパイアされたデザインと日本の匠を取り入れたブランドが、「オブレクト」。
「アモッサ ワッフル ニット プルオーバー」は、弾力あるローゲージのワッフル編みの素材を使用しています。不要になったペットボトルからリサイクルされたポリエステルで、クリスピーな質感に仕上げています。スウェット感覚でカジュアルに楽しみたいという人におすすめ。
価格1万4000円/オブレクト カスタマーサポート
万能型ならリサイクルウールの「バナナ・リパブリック」

モダンなフィットと上質な素材使いでおなじみの「バナナ・リパブリック」。同ブランドからは、工場から排出される羊毛の未使用部分を再利用し、リサイクルウールを混紡した「リブクルーネックセーター」を推奨します。
シンプルなミドルゲージのリブニットは、着こなしを選ばず、ツイードジャケットやメルトンコートと合わせたトラッドな着こなしにも最適。
価格9455円/バナナ・リパブリック
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今回選んだのは、買い求めやすいベーシックなニットですが、さまざまなブランドが実に多様なアプローチで「サスティナブル」に取り組んでいます。
本当に地球環境に配慮するなら、新しい服なんか買わなければいいというのは極論だと思うのです。ダイエットと同じように、自分でできる範囲で、無理なく続けていくことが大事。
ニット選びの目線を変えて見るだけで、ほんの少しではあるものの、持続可能な地球環境に貢献してみては?
Image: 多田悟
Source: コロンビアスポーツウェアジャパン, 無印良品 , オブレクト カスタマーサポート , バナナ・リパブリック