健康的な身体をつくるだけでなく、近年は仕事のパフォーマンスにも深く関わっているとされる「運動」。有名経営者の多くがジム通いや筋トレを習慣にしていることは、ライフハッカー読者はご存じだと思います。

しかし、自分も習慣化したいと思いながらも、忙しくて運動にかける時間やエネルギーがない…とあきらめかけている人は少なくないのではないでしょうか。

激しい運動ではなくても、立つ、歩くといった日常の動作からも運動効果は得られます。また、ちょっとした工夫でさらに効率を上げ、最大の運動効果を得られるのだとか。

そんな忙しいビジネスパーソンにぴったりの運動習慣について、パーソナルトレーナーの横手貞一朗さんにお話を聞きました。

横手貞一朗(よこて・ていいちろう)

横手貞一朗(よこて・ていいちろう)

1974年、神奈川県横浜市生まれ。日本体育大学専科修了。1993年よりトレーナーとして活動し、最新の運動生理学や脳科学を融合させ、メンタルとフィジカルの両方にアプローチする独自のトレーニング方法と理論を展開している。書籍・雑誌などへの出演・監修、エクササイズプロダクツの開発、企業でのトレーニング指導及び健康管理などと幅広く活躍するほか、自身のスタジオで行なうパーソナルトレーニングの顧客には、日本を代表する女優やモデル、トップアスリートなども名を連ねる。

ビジネスパーソンにありがちな「勘違い」

有名女優やモデルからトップアスリートまで、幅広い顧客を持つ横手さん。オンラインレッスンを始めてからは、遠方や忙しいという理由でスタジオを訪れることができなかったビジネスパーソンの生徒さんも増えているそうです。

横手さんがビジネスパーソンを指導するなかで感じるのが、「不要な我慢をしながら運動をしている人が多い」ということ。

食べなければ痩せられる、負荷をかけて追い込めば筋肉がつくといった誤った思い込みは、理想の身体づくりを遠ざけてしまいます。運動は、食事と休息との3つのバランスをしっかり意識してください。

運動のための食事というと「プロテインや鶏むね肉などのタンパク質を摂らなければいけない」といったイメージがありますが、「難しく考えず、いわゆる身体にいいもの、自分が食べて心地いいものを選ぶこと。そのための情報を身につけてほしい」と横手さん。

自身は、化学調味料や添加物はできるだけ避け、食べることに違和感や後ろめたさを感じるものは摂らないようにしているそうです。

また、横手さんの言う「休息」とは、大きくは入浴と睡眠のこと。入浴は血液循環を促し、筋肉疲労の緩和を助けます。また上質な睡眠は、心身の疲れやストレスを軽減する成長ホルモンの分泌を促します。

励みになるのが、「どちらも完璧にやろうと考えず、自分のできることから工夫すればいい」という横手さんの言葉。

入浴の効果を高める入浴剤を使ったり、天然温泉の銭湯を探して行ってみたり。睡眠なら寝る前にスマホを見ない、テレビをつけたまま寝落ちする習慣をやめて、ちゃんと電気を消して寝る。このぐらいなら、ちょっとがんばればできますよね!

頭の冴えにも大きく関わる「呼吸と姿勢」

そして肝心の「運動法」についても、横手さんは持論を展開します。こういった機会に語られがちなのは、運動の回数や負荷であることが多いですが、横手さんが説くのは「呼吸と姿勢」の大切さ

私たちは1日に約2万回の呼吸をしているといわれています。呼吸をして取り込んだ酸素は全身をめぐるので、浅い口呼吸をするのか、深い鼻呼吸ができるかによって、身体のコンディションはもちろん、頭の冴え方も違ってきます

しかし、長いPC作業などで首が前傾し、背中が丸くなると、呼吸は浅くなって酸素がうまく取り込めません。また、姿勢が悪いままだとせっかくストレッチや運動をしても、その効果が得られにくくなってしまうのだとか。

そこでちょっと試してほしいのが、横手さんがレッスンでも教えている「正しい姿勢」のつくり方。

床にまっすぐ立ったら、ゆっくりとかかとに重心をかけていきます。そのまま「おっと危ない」と片足を出した姿勢が、重力に対してまっすぐで、最も力みのない自然な姿勢なのだそうです。

適度な圧が運動をサポートし、筋肉疲労を軽減

とはいえ、初心者ではこの「力みのない自然な姿勢」を保ったり、身体に意識を向け続けることは容易ではありません。そこで横手さんがすすめるのは「コンプレッションウェア」です。

コンプレッション(compression)とは「圧縮、圧搾」という意味。部分的に適度な圧力をかけることで、筋肉がサポートされ、ムダな動きを軽減し、運動時のパフォーマンス向上効果とケガの防止が図れるというものです。

日ごろからコンプレッションウェアを愛用しているという横手さんに、今回試していただいたのは「SKINS(スキンズ)」というブランドのアイテム。数多くのパーツにカッティングされた生地が、皮膚や筋肉とより密着することから、この名前がつけられたそうです。

1996年にオーストラリアで設立されたコンプレッションウェアの草分け的存在で、身体の仕組みの専門家である生理学者によって開発されたということにも説得力があります。

上半身の可動域を上げ、姿勢も正す

SKINS SERIES-3メンズトップスロングスリーブ 13,200円
SKINS SERIES-3メンズトップスロングスリーブ 13,200円

まず着用感を聞いたのは「SKINS SERIES-3メンズトップスロングスリーブ」。

レッスンは長時間にわたるので、トップスはあまり着ないのですが、これを着てみて感じたのは、まず肩甲骨の可動域が広がったということ。自分の筋肉がどう動いているかが意識できますね。

先ほどご紹介した“力みのない自然な姿勢”は、「まさにこのトップスを着たときと同じ感覚」と横手さん。姿勢を正し、腕の筋肉の負担を軽減するため、運動中はもちろん、PC作業中にもおすすめとのこと。

また、歩くときにはしっかりと腕を振らせてくれるので、朝晩のウォーキングやジョギングにも着用すると全身の運動効果アップにつながるそうです。

座りっぱなし、立ちっぱなしの仕事にも

SKINS SERIES-3メンズロングタイツ 17,600円(税込)、SKINS ハーフパンツ(参考商品)
SKINS SERIES-3メンズロングタイツ 17,600円(税込)、SKINS ハーフパンツ(参考商品)

SKINS SERIES-3メンズロングタイツ」は、SKINSを象徴する「動的段階着圧」の技術により、ふくらはぎ、臀部(おしり)、太もも、ハムストリングスをしっかりとサポート。パフォーマンスの最大化と迅速な疲労回復を図ります。

ふくらはぎや内転筋(脚の付け根から太ももの内側)は、血液やリンパを上半身に戻す役割を担っていますが、このボトムスはそれをすごく意識して縫製されているのがわかります。老廃物も流れやすくなるので、疲労回復にもつながるでしょうね。

また、腰の筋肉をサポートしているため、骨盤が立ちやすくなるので「運動中はもちろん、座りっぱなし、立ちっぱなしの仕事をする人にもいい」と横手さん。

骨盤が立つことで、24個ある背骨の動きがスムーズになり、呼吸や内臓の働きにも好影響があると思います。僕もボトムスはけっこう履いてきましたが、これは裏面の圧にもこだわりを感じます。

「SKINS」がすごいのは、止まっている状態ではなく、筋肉の動きに合わせて適切な着圧がかかること。身体の末端から心臓に向かって着圧が弱くなる段階着圧も、「SKINS」ならではの機能です。

意外と酷使している「腕」をサポート

SKINS SERIES-3ユニセックスアームスリーブ2.0 6,600円(税込)
SKINS SERIES-3ユニセックスアームスリーブ2.0 6,600円(税込)

SKINS SERIES-3ユニセックスアームスリーブ2.0」は、前腕を安定させ、競技パフォーマンスの向上を目的に開発されたアームスリーブ。腕の付け根までコンプレッションがかけられているので、上腕二頭筋を鍛えるにも最適です。

PC作業でも、前腕の筋肉はけっこう酷使しているんです。肘関節は、上腕骨・橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃこつ)の3つで構成されていますが、このアームスリーブはこの3つの部分がラインになり、最後は親指までつながるように縫製されているのが効果的。手首をよく動かし、回転しやすくしてくれます。

運動をしたり、重いカバンを持ったりと、何かと負担をかけることの多い腕。しっかりコンプレッションをかけ、サポートするアイテムがあるなら、ぜひ活用したいものです。

日常の動作を「運動」に昇華させる

どのアイテムも、身につけるだけで「運動するぞ」というスイッチを入れてくれるアイテム。

カッティングや縫製に、開発者の「ここに効かせたいんだな」という狙いが読み取れます。すごくよく考えられてつくられていますね。開発者の方と語り合いたいと思うぐらい(笑)。

今回、横手さんが試着したトップスとボトムスは、SKINSでは着圧が中強度の「SERIES-3」というシリーズで、ウォーキングやジョギング、ジムでのトレーニングをする人や、立ちっぱなし・座りっぱなしといった同じ姿勢を続ける人におすすめのタイプ。

その他、運動初心者や長時間の着用をしたい人向けの「SERIES-1」、本格的な競技をするアスリート向けの「SERIES-5」もラインナップ。運動強度や目的に応じて選ぶことが可能です。またウィメンズ向けのアイテムもあります。

もちろん、朝晩にジョギングやウォーキングの習慣ができればそれに越したことはありません。しかし、忙しいからといって運動を後回しにしてしまうのではなく、食事と休息を工夫し、日常の動作を“運動”に換えて、仕事へのパフォーマンスにつなげたいですね。

駅やオフィスまでの道のり、電車で立つ、吊り革を持つといった動作でさえ、立派な「運動」に昇華させてくれるのが「SKINS」のコンプレッションウェア。運動習慣のスタートに、ぜひ取り入れてみませんか?

Photo:YUKO CHIBA/Sourse:SKINS(1, 2, 3, 4, 5, 6