音楽ストリーミングサービスには、たいてい1カ月の無料お試しサービスがあります。
お金がかからないので、気軽に登録したり、別のサービスを試したりできますが、たくさんあるサービスの中から最終的にどれに登録するかは、難しい選択です。
大手のプランや料金、サービス内容を比較してみました。
Spotifyはいくらかかるか
プランと料金:Spotifyの無料サービスは、広告が多いという点が気にならなければ、そしてデスクトップパソコンで音楽を聴くならば、それほど悪くはありません。
- Spotify Free:広告収入で運営される無料版。プレイリストにアクセスできますが、スキップ機能、再生機能に制限があります。
- Spotify Premium 「Standard」:好きな楽曲、アルバム、アーティスト、プレイリストを、好きな順番で聞くことができます。料金は月額980円、スキップ制限なし、オフライン再生可能。Spotify独占のPodcast番組もありますよ。
- Spotify Premium「ファミリー」:「Standard」と同じサービスが使えますが、月額1,580円で、最大6つのアカウントが利用できます。
メリット:
7000万の楽曲を優れた音質で楽しめます。プレイリストはセンス良くキュレートされており、Podcastの番組も充実しています。
友だちと音楽を共有するのにも使えるツールです。ユーザーの好みを分析して、新しい曲をレコメンドしてくれる機能も優れています。
デメリット:
無料モバイル版は、オンデマンド再生に制限がある、広告が多すぎるなど、デスクトップ版よりさらに使い勝手が悪くなります。
自分のライブラリに保存した大量の楽曲を整理する方法は、かなり限られています。
無料トライアル:
Spotifyでは、3カ月の無料お試しキャンペーンを行っています(2021年6月22日まで)。
「学割」プランの料金は、「Standard」の半分の月額480円で、最長4年間利用できます。一緒に暮らすカップル向けの「Duo」は、月額1280円の割引プランです。
Amazon Musicは、Amazon Primeに含まれているか
プランと料金:Amazon Musicにはたくさんのプランがあり、少し複雑です。
- Amazon Music 「Free」:広告収入で運営される無料版。再生はトップ・プレイリストに限られます。また、無料版にはオフライン再生がありません。
- Amazon Music 「Prime」:Prime会員限定の無料サービス。200万曲が視聴可能で、ユーザーの好みに合わせたプレイリストも提供してくれます。
- Amazon Music 「Unlimited」:もっとも安いプラン。7500万曲を視聴でき、ユーザーの好みに合わせたプレイリストも提供してくれます。Prime会員は、月額780円または年額7800円で利用できます。
- プライム会員でない場合は、月額980円です。スマートスピーカーAmazon Echoを使っている人は、1台のデバイスにつき月額380円で利用できます。
- Amazon Music 「HD」:ユーザーの好みに合わせたプレイリストを提供してくれます。7500万の楽曲を、高い音質の「High Definition(HD)」で視聴可能。700万曲は、より高音質の「Ultra HD」で提供されています。
- Amazon Music 「Unlimited」に追加料金なしで使えるようになりました。
メリット:
Amazon Music 「Unlimited」では、7500万曲をロスレス(高音質で記録される方式)で視聴できます。
また、キュレートされたプレイリストやPodcast、ユーザーの好みに合わせた曲を流してくれる「ステーション」などもあります。
Amazon Music 「HD」は、価格を抑えた高音質サービス。700万曲が、24-bitの「Ultra HD」で視聴可能です。
デメリット:
Prime会員の無料プランで視聴できるのは200万曲だけです。
ほかのストリーミングサービスと比べると使い勝手が悪く、レコメンドもいまひとつと感じる人が多いようです。
Spotifyの「Wrapped」(その年に自分が聞いた楽曲を振り返ることができるサービス)のように、ユーザーが楽しめる機能もありません。
無料トライアル/ディスカウント:
現在、Amazon Music 「Unlimited」では、4カ月間無料トライアルを行っています(2021年6月22日まで)。学生プランはディスカウントがあり、月額480円です。
Apple Musicに無料版はあるか
プランと料金:Apple Musicは月額980円、6人までの「ファミリー」プランなら月額1,480円です。無料サービスはありません。
メリット:
手持ちのすべてのデバイスから、7500万の楽曲に簡単にアクセスできます。多くのユーザーにとっては、以前使っていたiTunesのライブラリを、iCloud経由で引き続き視聴できるのも便利です。
ライブラリのアップロード状況がわかる機能や、歌詞で曲を検索できる機能など、なかなか使える機能もあります。
2021年6月からは、高音質の「ロスレス」オーディオが、追加料金なしで提供されています。
デメリット:
ユーザーインターフェース、特にモバイル版アプリが複雑すぎるという不満の声が聞こえます。
友だちと曲を共有することもできますが、使い勝手はよくありません。ロスレスオーディオもありますが、新しいヘッドフォンを買わないと意味がないでしょう。
無料トライアル/ディスカウント:Apple Musicでは、3カ月の無料トライアルを提供しています。大学生・専門学校生は、月額480円の「学生」プランがあります。
Pandoraはインターネットラジオと呼べるか
プランと料金:Pandoraの無料オプションは、ラジオを聞いていた懐かしい時代を思い出させてくれます(日本では未展開)。
- Free Pandora:ラジオを彷彿とさせる無料サービス。広告収入で運営されており、ユーザーの好みに合わせたステーションを提供してくれます。
- Pandora Plus:ユーザーの好みに合わせたステーションを、広告なしで提供してくれます。スキップ機能があるので多くの曲が再生でき、オフラインでの視聴も可能、高音質のサービスが月額4.99米ドル、または年額54.89米ドルです。
- Pandora Premium:少し料金は上がりますが、Pandora Plusのすべてのサービスに加えて、無制限のオフライン視聴と、曲を検索しオンデマンドで再生できる機能がついています。月額9.99米ドル、または年額109.89米ドルです。
- Pandora Premium Family:Premiumのすべてのサービスを、最大6個のアカウントで利用できます。月額14.99米ドル、または年額164.89米ドルです。
メリット:
このサービスは、ラジオの生放送のようなもので、新しい曲を探したい人におすすめです。また、450もの異なる基準をもとに曲を解析し、レコメンドもしてくれます。
デメリット:
ユーザーインターフェースの見栄えがよくありません。音質にばらつきがあり、一番良い音質に設定しても、ほかのストリーミングサービスに劣ります。自分のプレイリストを作成したい人は、「Premium」の登録が必要です。
無料トライアル:
90日の無料トライアルがあります。学生は半額、兵役についている人は20%オフです。
Tidalはなぜ高いか
プランと料金:Tidalは、ラッパーのJay-Z氏が経営に携わっていたストリーミングサービス。無料プランはありません(日本は未展開)。
- Premium:もっとも安いプランでは、7000万の楽曲を広告なしで楽しめます。キュレートされたプレイリストやライブ配信などがあり、月額9.99米ドルです。
- HiFi:Premiumと同じですが、音質が良くなります。月額19.99米ドル。
メリット:
最大の魅力は、ハイエンドのオーディオデバイスとつないで、ロスレス音質を堪能できること。また、ミュージックビデオやドキュメンタリー、ライブ公演などのビジュアルコンテンツも数多く提供されています。
デメリット:
料金は高いです。サービス内容も、音質を除けば特筆すべきものはありません。ユーザーインターフェースはそこそこですが、競合サービスと比較して突出しているわけでもありません。
無料トライアル:
ファミリー、学生、軍に所属している人向けに、割引プランを提供しています。1カ月の無料トライアルもあります。
Source: Spotify(1,2), Market Watch, Amazon, INSIDER, Pandora, Pitchfork,Tidal(1,2)