皆さんは、スイスの高級腕時計ブランド『ブライトリング』をご存じですか?
1884年創業のブライトリングは、世界に先駆けて独立式プッシュボタンを備えたクロノグラフ(ストップウォッチ機能)を搭載した腕時計を発表し、その発展に貢献したウォッチブランド。
しかし、「語り継がれる未来へ羽ばたくブライトリング」をテーマに、2018 年1月29日に上海で開催された、新作『ナビタイマー 8 シリーズ』の発表イベントでは、伝統を継承しつつ、新たなステージへ挑戦しようとする、老舗時計ブランドの姿がありました。
ブライトリングは、100年以上の時を経て、どこへ向かおうとしているのか。今回、その発表イベントにお招きいただいたので、語り継がれる未来の一端を現地取材してみました。
100年を超える、ブライトリングの哲学

日本、中華圏、韓国、東南アジアから300人を超える時計ファンやメディアを迎えたブライトリングのイベント。会場には、伝統と歴史を受け継いだ貴重なヴィンテージ時計と新作『ナビタイマー 8 シリーズ』が展示されていました。
まず、目を引いたのは、世界的な時計コレクターであるフレッド・マンデルバウム氏の協力により実現した、1930年代~1980年代に製造された、歴史に名を刻むブライトリングの名品たち。
単に正確な時を刻むだけではなく、精密に時を記録するブライトリングのクロノグラフ製造は、1903年にライト兄弟が世界初の動力飛行に成功する前からはじめられ、その後の航空業界の発展とともに成長。その進化の過程を見ることができました。
なかでも、ブライトリングを象徴する時計が、1952年に発表された『ナビタイマー』。文字盤のまわりの目盛りと、回転するベゼルの目盛りを利用して、速度や燃費、上昇・下降距離などが計算できるフライトコンピューター(航空用計算盤)を搭載したデザインと機能は、今日に至るまでパイロットの必携アイテムとして、航空ファンや時計ファンを魅了しています。

では、ブライトリングにとってターニングポイントとも言える、今回のイベントのメインアイテム、新作『ナビタイマー 8 シリーズ』とは、どのようなメッセージを放つ時計なのでしょうか。
過去と未来をつなく、ナビタイマー 8

今回発表された『ナビタイマー 8 シリーズ』は、1930年から1940年代の航空機に供給された計器からインスピレーションを得ています。
しかし、定番となっている文字盤や回転ベゼルに描かれたいくつもの計算尺のスケールが控え目で、視認性と機能美を重視したデザインとなっています。また、新たな歴史の扉を開くように、「Breitling」のロゴがシンプルでよりエレガントな「B」を際立たせたものになったことも大きな特長と言えます。

これまでは、航空関係者御用達の時計といった、タフなイメージがありましたが、従来のブライトリングらしさに加えて、エレガントさやスポーティーさがさらに表現されたデザインにより、オン&オフの幅広いシーンで楽しめる時計となった印象を強く持ちました。伝統的なデザインに新しい息吹を込める。それが、「語り継がれる未来」を指し示すものなのかもしれません。

足下を見られると言われるように、靴は装いの重要なパートですが、それは時計も同じ。ジャケットやシャツの袖から覗く手首まわりは、腕や手の動きに合わせて目に付きやすく、ビジネスパーソンにとってはスマートに自分を見せる部分。セルフブランディングで個性を発揮する時計の1つとして、ファッショナブルに生かしてみたいですね。

また、発表されたケースの大きさは41〜43mm。価格も今までのモデルと大きな変化はなく、エントリーモデルの自動巻き3針タイプが40万円台からと、高精度の高級時計の中では比較的手に入れやすいものです。
今後は女性も楽しめる38mmタイプ発表されるというので楽しみですね。
新CEOが目指す、新たな戦略とは?

ブライトリングは、昨年7月にジョージ・カーン氏を新CEOに迎えました。カーン氏は、2002年に若干36歳でスイスの時計メーカー「IWC」のCEOに就任。2016年まで務め、ブランド価値をグローバルに高めた実績を持つ立役者。
「これまで培った、ラグジュアリーウオッチ業界の経験・知識や独創性を生かし、世界が注目するアジアマーケットでのブライトリングの成長を自身のミッションにしている」と話してくれました。
今後、ブライトリングは、空・陸、そして海をテーマに、スポーティーでエレガントな時計をたくさん発表していくそうです。常にイノベーションを起こしてきたブライトリングに、これからも注目していきたいと思います。
丸山 尚弓(まるやま なおみ)|Facebook

美人すぎるメンズファッションライターとして活動中。メンズファッションを題材とした自身のFacebookは、コメントが女性目線で分かりやすいと好評で、紹介した商品には問い合わせが殺到する。ファッション初心者を「素敵な男性」へと優しく導くことが信条。またファッションだけでなく「人生を豊かにするライフスタイル」をテーマに、男性としてトータルの魅力アップが目指せる記事を発信している。ライター以外の活動として、メンズブランドの企画やブランディングも行う。特技はコミュニケーション力を活かして外国人ともすぐに友人になること。趣味はタウンウォッチと英語での映画。
Source: ブライトリング