かつては、筋肉増量のイメージが強かったプロテインですが、最近では女性や子ども、年配の方などの間でプロテインを日常的に取り入れる人が増えています。
今回は「ダイエット」の観点からプロテインの効果を調査するため、サプリ歴20年以上のフィットネストレーナー川口虹太さんを取材。ダイエット中にプロテインを摂取するメリットや、選び方・注意点を聞いてみました。
川口さんアドバイスのもと、「かいサポ」チーム※が厳選したおすすめプロテイン13選も紹介します。
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目次
ダイエット中にプロテインを飲む5つのメリット

ダイエット中にプロテインを飲むと効果は期待できますか?という問いに、川口さんはズバリ「できます」と回答。それも、5つの具体的なメリットがあるといいます。早速、詳しく解説していただきました。
1. 筋肉の元となるタンパク質を補える
―― ダイエットと言えば「食べない」やり方が主流でしたが、今は体脂肪を落とし、筋肉量を増やす方法が当たり前になっています。筋肉量を増やす目的は基礎代謝を上げるため。基礎代謝が上がれば、太りにくい体質に変化していきます。
ダイエット中にプロテインを摂取する最大の目的は、筋肉量を維持したり増やしたりする点にあります。
2. 不足しがちなビタミンやミネラルを補える
―― 過度な食事制限はしないまでも、多かれ少なかれ、ダイエット中は食事制限をする人がほとんどでしょう。そうすると、どうしてもタンパク質は不足しがちになります。
そもそも、日本人の多くは適正なタンパク質量を摂取できていないとも言われているので、同じタンパク質源の髪の毛や皮膚、爪などにもダメージを受ける可能性があります。
タンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルも不足しがちに。多くのプロテインには各種ビタミンやミネラルも含まれているので、ダイエット中に飲めばそうした、タンパク質以外の栄養素も一緒に補うことができます。
3. 必要なタンパク質量を簡単に摂取できる

―― 厚生労働省が定めているタンパク質の摂取推奨量は、成人男性で65g、成人女性は50gです。しかし、ダイエット中は筋肉量を落とさないため、より多くを必要とします。
厳密には運動量に左右されますが、あくまでも目安としてこの計算方法を参考にしてみるといいでしょう。
ダイエット時に必要なタンパク質量
・男性:体重×2g(80kg男性の場合|160g/日)
・女性:体重1.5~2g(50kg女性の場合|75~100g/日)
これだけのタンパク質を肉や魚、卵などで摂取しようとすると大変です。肉のタンパク質は質量の約20%なので、160gを摂取するには2kg近い肉を食べる必要があります。
それは大変ということで、プロテインの出番です。商品にもよりますが、プロテイン1杯分のタンパク質量は約20g。いかに手軽にタンパク質を摂取できるかが分かると思います。
4. カロリーや脂質を抑えられる
―― 「プロテインを飲むと太る」という認識を持つ人がいますが、誤解です。プロテインには基本的にタンパク質しか含まれておらず、一杯分のカロリーも200kcal前後。
肉からタンパク質を摂取するよりもカロリーや脂質も抑えることができます。ただ、食事をすべてプロテインに置き換えるのはNG。「肉や魚の量を減らした分を補う」「高カロリーの白米やパンなどの炭水化物と置き換える」といった、部分的な代用をおすすめします。
5. ダイエットの習慣化を助けてくれる
―― 筋トレもそうですが、ダイエットは行動のルーティン化が不可欠です。プロテインを飲むことが当たり前になると、セルフマネジメントにつながります。 プロテインを毎日、決まった時間に飲むようにすると、ダラダラと食事をすることが少なくなります。お腹が空いても「後2時間でプロテインを飲む」と考えることができれば、間食を我慢することにもつながりますよね。 プロテインは、今まで無意識だった食生活を見直す手助けもしてくれるんです。
▼「ダイエット」や「ボディメイク」に必要な栄養素とは? おすすめの筋トレサプリを詳しく紹介。
ダイエットにおすすめ! プロテインの種類と選び方

特に人気の高いプロテインは、商品の種類も豊富です。何を選んだらいいのか迷う人も少なくないのではないでしょうか。川口さんに、ダイエットにいいプロテインの選び方を伺いました。
プロテインの主原料3種とは?
―― まず、プロテインは主に「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」の3種に分けられます。ただ、この3つ以外にも「ヘンプ」「エンドウ豆」「玄米」など植物性由来のものも最近注目されているので、選択肢は今後増えるかもしれませんね。
今回はメインとなる3種について、それぞれの特徴を説明します。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインとカゼインプロテインは同じ牛乳を原料にしています。「ホエイ」とはヨーグルトの上澄みにできるあの透明の液体のことで、母乳の成分に近いと言われています。カロリーが低く、ミネラルやビタミンも含まれていて栄養価が高いのが特徴。
吸収が早いので、タンパク質が失われやすいトレーニング直後に摂取するのがおすすめです。ホエイは胃もたれしにくいという声もありますね。
カゼインプロテイン
原料は同じ牛乳ですが、カゼインプロテインとは牛乳からホエイと脂肪を取り除いた残り。チーズやヨーグルトを固めるのに必要な「凝固するタンパク質」です。体に吸収されるスピードがホエイと比べると3〜4倍も遅く、満腹感を得やすく腹持ちもいいので、食事量を減らしたい人にもいいかもしれません。
ソイプロテイン
同じく吸収速度の遅い「ソイプロテイン」も同じく腹持ちが◎。大豆由来なので乳製品が苦手な人におすすめです。大豆にはイソフラボンやサポニン、レシチン、オリゴ糖といった成分が含まれているので、ダイエット中でも美肌や抗酸化作用というメリットが多いですね。 肉のタンパク質に比べてカロリーが低く、脂質を抑えられるのもポイントです。
ダイエットにいいプロテインの選び方、6つのポイント

ダイエットは継続が力なり! プロテイン選びの6つのポイント
主原料
飲みやすさ
アレンジのしやすさ
タンパク質含有量
タンパク質以外の栄養素
コスパ
ダイエットを前提にプロテインを選ぶ場合、どんなポイントに注意して選ぶべきなのでしょうか。川口さんは、主原料や飲みやすさ、タンパク質含有量など6つのポイントに集約されるといいます。
主原料
――「主原料」は先程お話した「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」の3種になります。トレーニング後に飲むならホエイを、満腹感や腹持ちの良さで選ぶならカゼインやソイを選ぶといいでしょう。
飲みやすさ/アレンジのしやすさ
――「飲みやすさ」とは簡単に言うと味のことで、「アレンジのしやすさ」というのは牛乳やヨーグルト、スポーツドリンクなどで割りやすいものかどうかです。ダイエットは継続することが大切なので、自分の好みによって長続きするものを選ぶのがおすすめです。
タンパク質含有量
――「タンパク質含有量」も商品によって大きく異なります。一杯分に5~6gのタンパク質量しかないものもあれば、15g以上含まれるものも。ダイエット時は通常より多くのタンパク質が必要になるので、含有量が多い方が好ましいと言えます。
ただ、多く摂取すればするほどいいというわけではないので注意が必要です。摂取しすぎると内臓や腸内環境に悪影響もあるので、食事から摂取するタンパク質量をベースに、各メーカーが推奨している1食分の目安を参考にしてください。
タンパク質以外の栄養素
――プロテインには「タンパク質以外の栄養素」が含まれている商品も多く、例えばダイエット中に失われやすいアミノ酸や、基礎代謝をアップしたり、筋肉を生成したりするのを助けるEAAやBCAA、炭水化物や脂質の燃焼を促進するビタミン各種が含まれているプロテインがあります。
一緒に摂取できれば一石二鳥。商品を選ぶ際に、配合されている栄養成分も確認するといいでしょう。
コスパ
――基本、ダイエット中は毎日飲むものなので、あまりにも高価だと継続は難しいですよね。自分の目標に見合った、コストとパフォーマンスにかなうものを選び、継続できるようにしましょう。
ダイエットにおすすめのプロテイン13選! シェイカーも
VALX ホエイプロテイン カフェオレ風味

味・飲みやすさ・タンパク質含有量、どれをとっても◎という三拍子揃った一品。筋肉博士こと山本義徳さんが監修したとあって人気は絶大です。
「カフェオレ味のため、寒い時期にはホットで飲んでも美味しいですよ」と川口さんも高評価。パピコに似た味という声もあり、ダマにならず溶けやすいのも飲みやすいポイントです。
オプティマムニュートリション ゴールドスタンダード 100% ホエイ プロテイン ダブルリッチチョコレート味

チョコレート味のほか、ストロベリー、バナナクリーム、バニラアイスクリーム、クッキー&クリームなどフレーバーの種類が豊富で、質・コスパもともに良し。
アスリートに人気の米国スポーツサプリメントブランドによるもので、WPI(ホエイプロテインアイソレート)を高いレベルで配合したプロテイン。『サプリメント・オブ・ザ・イヤー』にも輝いたことがある傑作で、「タンパク質精製度も高く、吸収が非常に早いのが特徴です」と川口さん。
Muscletech(マッスルテック)ニトロテック 100% WHEY GOLD

Muscletechは、アメリカで人気のボディビルディング・サプリメント・ブランド。トリプルホエイ(WPH、WPC、WPI)を高いレベルで配合した、アスリートに支持されるプロテインです。
ダブルリッチチョコレート味のほか、ストロベリー、バニラクリーム、クッキー&クリームなどフレーバーの種類が豊富で、質・コスパもともに良し。
主原料 | ホエイ |
タンパク質含有量 | 24g/1食分 |
タンパク質以外の栄養素 | BCAA、グルタミン |
容量 | パウダー、1kg |
コスパ | ★★★ |
飲みやすさ | ★★☆ |
アレンジのしやすさ | ★★☆ |
ザバスアスリートウェイトダウンヨーグルト風味

大豆を原料としたソイプロテインに、10種のビタミンとカルシウム・鉄・マグネシウムの3種ミネラルを配合。“減量したいアスリートへ”という謳い文句の通り、減量中に不足しがちな栄養素がしっかり含まれています。
比較的安価で手に入れやすく、コスパは抜群。空腹感を抑え、体脂肪の減少が期待できるガルニシアも配合されていますが、明治の公式HPには「ガルシニア抽出物が含まれていますので、摂り過ぎに注意してください」の記載あり。
DNS ホエイプロテインストイック プレーン味

名前の通りストイックな人向けのプロテインで、WPI(ホエイプロテインアイソレート)を使用。タンパク質含有率は97.6%(無水物換算値)という最高レベルで、含まれている炭水化物や脂質はというとそれぞれ0.4%のみ。カロリーも控えめで、減量中の人にはうってつけ。
ただ、ほぼタンパク質だけなので「ビタミンやミネラルなどを摂りたい場合は、他のサプリとの併用がおすすめ」と川口さんのアドバイス。
オプティマムニュートリションプラチナハイドロホエイ ベロシティーバニラ

100%加水分解されたホエイプロテイン アイソレートのみを使用。1回で30gのタンパク質が摂取でき、9つの必須アミノ酸がすべて含まれた消化の速い「完全な」タンパク質源。最高レベルの純度と超即効作用が最大の魅力です。
群を抜いて高価ですが、それだけの価値ありです。
GoCLN (ゴークリーン) ホエイプロテイン グラスフェッド (オーガニック ダージリン)

ノルウェーの放牧牛の乳清を100%使用したグラスフェッド ホエイプロテイン。人工甘味料や香料などの添加物やGMO(遺伝子組み換え作物)を一切使用していません。
甘味料には独自に輸入した、レインフォレストアライアンス認証取得済みのステビアを使用。素材にこだわり抜いているので、金額はやや高価です。
味はプレーン(ほんのりミルク味)、有機抹茶、有機ココア、有機ダージリンの4タイプ。プロテイン独特の味や香りが苦手な方におすすめ。
Choice ゴールデンアイソレート ホエイプロテイン プレーン

日本初の、アイルランド産グラスフェッド・ホエイアイソレートプロテイン。広大な自然の中で放牧され、成長ホルモン剤を一切与えられずに育った牛の乳清を使用し、原材料も無添加。乳酸菌が入っていて腸にも◎。
1回分で約26gのプロテイン含有で申し分なしですが、無添加な分、そのままでは飲みにくいという声あり。フルーツなどと混ぜてスムージーにするのがおすすめです。
ニュートリ プロテイン(オールプラント)

素材にこだわり抜いた、唯一無二のプロテイン。素朴な味なので、果物と一緒にスムージーにして飲むのもおすすめ。ソイのほか、小麦やエンドウ豆由来のタンパク質からなる、100%植物性の“ヴィーガンプロテイン”。
優れた必須アミノ酸の消化吸収率を実現し、川口さんも「植物性プロテインの中でも吸収率は最高値ですよ」と高評価。
一杯10g中、タンパク質含有量は8gと優秀。一日に1〜3回、摂取することが推奨されています。価格もお手頃なので続けやすいのが嬉しいですね。
ザバス ミルクプロテイン パック

コンビニでも買える手軽さが嬉しい、ザバスのミルクプロテインシリーズ。一本あたり(200ml)102kcalと低カロリー。お買い得な48本の詰め合わせセットで、味はココア・バナナ・ミルク・バニラから選ぶことができます。
パック入りなので持ち運びにも便利。作る手間もいらないため、朝食時や運動後など、好きな時に好きな場所で手軽にプロテインを摂取できるのがメリット。脂肪ゼロは嬉しいものの、一本分のタンパク質含有量は15.0gとやや低め。
ハレオ ブルードラゴン

こちらも同じく手軽に飲めるプロテインドリンク。パックタイプではNo.1のタンパク質含有量です。味はストロベリーの他、バニラと抹茶の全3種。冷やして飲むと、より美味しいとのコメントあり。
カゼインプロテインの中でも、ゆっくり吸収されることで知られる「カゼインミセル」を特別な製法で90%含有することに成功。特にダイエット時の栄養サポートにぴったりです。
ミセル自体にカルシウムやリンが含まれているため、食事制限中に不足しがちな栄養素が補えるのも◎。ザバスのパックタイプより値段は高め。
川口さん曰く、「食事が長時間できない時などの置き換えにも適していますが、トレーニング後は吸収スピードの速いプロテインの方がおすすめです」とのこと。
ボディメイクプロテイン カフェラテ味

女性に人気のソイプロテインのカフェラテ味。アイスでもホットでも◎。コラーゲン・食物繊維・各種ビタミン・ミネラルを配合し、コラーゲンや乳酸菌も配合されているので、便秘の方にも最適です。 ただしタンパク質含有量が低めなので、一日に2回程度、摂取するのがおすすめです。
ボタニカルライフプロテイン

主原料は大豆ですが、玄米やヘンプ由来のタンパク質も配合。全て植物性のため、“ヴィーガンプロテイン”と言えるでしょう。一杯で98kcalというローカロリーなのも嬉しい点。
チョコや抹茶味がありますが、イチ押しはきなこ味。そのまま飲んでも美味しいですが、牛乳で割るとさらに飲みやすくておすすめです。
牛乳由来のプロテインに比べ、脂質や糖質が低く、大豆に含まれるイソフラボンや、ヘンプ、スピルリナ、クコ、カムカムなど20種のスーパーフードも配合されています。香料や増粘剤、酸化防止剤などが不使用なので、「ケミカルな味がしない」との評判も。
タンパク質含有量は少なめなので、一日数回に分けて摂取したい。
ビーレジェンド ソイプロテイン ウエイトダウン バナナラテ風味

「価格と味で選ぶならこのメーカー」と川口さんもおすすめする、ソイプロテインの中でも特に買い求めやすい商品。ソイプロテイン嫌いのスタッフが美味しいソイプロテインにこだわった開発された自信作で、おやつの置き換えにもなるフレーバーです。
バナナパウダーが配合されているため、便秘にも効果が期待できるかも。「やや粉っぽさが残るため、しっかりシェイクしてください」と川口さん。
川口さんイチ押し! おすすめプロテインシェイカー2選
HALEO ハレオ サイクロンシェイカー (プロテインシェイカー)

使いやすいと評判の高いHALEOサイクロンシェイカー。シェイカーの上下に付いているフィンが、プロテインパウダーを簡単に、しっかりと撹拌してくれます。耐久性が高いプラスチックを使用。容量は750mlで、50〜250mlまで、50mlずつの計量が可能です。 「液漏れもしにくく、洗うのも楽ですよ」と川口さん。
スマートシェイクO2GOオリジナルシェイカー

多機能が魅力のシェイカーは、ダマになったプロテインが飲み口に流れないよう、2層のコンテナがしっかりキャッチする構造に。サプリメントケースも一緒になっているため、錠剤のサプリやプロテインパウダーはもちろん、ナッツやフルーツなども一緒に持ち運べるので、トレーニングの相棒として抜群。
トレーニング以外にも、パンケーキやサラダなど、キッチンでも活躍できるアイテムです。容量は600ml。
腸内環境に注意。プロテインは補助食品

ダイエット中にプロテインを摂取するメリットや選び方をうかがいましたが、注意点はあるのでしょうか。川口さんに聞いてみました。
「内臓への負担は考慮する必要があります。タンパク質の摂取をプロテインのみに頼ると、肝臓や腎臓に負担が生じます。 また、依存しすぎると腸内環境の乱れにつながり、便秘や下痢になる人も。野菜や海藻類などもちゃんと食べて、バランスの良い食生活を心がけましょう。
総じて、プロテインはあくまで”補助食品”であるということですね。栄養の基本は食事から、ということを忘れないでください。
因みに、プロテインを摂りすぎても太ることはありません。消化できない分は排出されるので心配いりませんよ」
原料や味、飲みやすさやコスパなど、ダイエット中に摂取したいプロテイン選びには、6つのポイントがあることが分かりました。
摂取し過ぎには注意点も。川口さんのアドバイスを参考に、自分に適した方法でプロテインと付き合い、健康的なダイエットやボディメイクを心がけてくださいね。
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