SNSの良い点、悪い点と聞いたとき、どんなことが思い浮かぶでしょうか? これは、いまこそ語るべき価値があるトピックと言えるでしょう。

SNSのアプリを利用している人がかつてないほど多くなっている一方で、SNSが人を不幸にしているとの指摘もあるからです。確かに良いところも悪いところもあります。

この記事ではその両方を取り上げ、プラス面とマイナス面をリストアップしていきます。

今回の内容を読めば、SNSの光と影を理解するのに役立つでしょう。

SNSのメリット

では早速、SNSがもたらしたメリットを挙げていきましょう。

知人との交流

FacebookやMyspaceといったSNSアプリは当初、気になる人たちの近況を常に把握できる手段として、自らのサービスをアピールしていました。

これはいまでも、SNSのメリットとして真っ先に挙げられるポイントでしょう。

SNSがあれば、疎遠になりがちな友人や親戚とも、気軽に連絡を取り合うことができます。

これは、あなたがほかの街へ(あるいは全く別の国に)引っ越した場合に、特にありがたいメリットです。

ニュースに触れる機会の提供

ニュースに容易に触れられる点は、SNSのプラス面であり、同時にマイナス面でもあります。ここでは、良いところに目を向けてみましょう。

住んでいる国で、自由な報道に触れる手立てがない人は、世界中でかなりの数に上ります。

それでもいまは、すべての大手報道機関がSNSのアカウントを持っているので、こうした人たちもFacebookやTwitterなどのアプリを通じて、多くの信頼が寄せられる世界の報道機関のニュースを追うことができます。

職探し

OYO Content Maneger

いまも昔も、職探しに苦労する人は多いようです。

けれども、LinkedInやXingといったプロフェッショナル向けのSNSを使っていれば、あなたがプロフィールに載せている技能にぴったりマッチする会社の募集情報を、自動的に表示させることも可能です。

これは見過ごされがちですが、SNSのメリットのひとつと言えるでしょう。

イベントの企画

パーティーや結婚式、カンファレンスなど、大勢の人が集まるイベントの企画に役立つサービスと言えば、これはもうFacebookの独壇場です。

いまでは、ほぼすべての人がFacebookアカウントを持っているので、「招待状を作る」「イベントの詳細を拡散する」「イベント関連のさまざまな資料をシェアする」といった作業も簡単です。

顧客開拓

事業やお店を始めたばかりの人にとって、SNSは、手っ取り早く知ってもらう手段として大いに役立ちます。

こうして得たオーディエンスを足がかりに、顧客基盤を作り上げることも可能です。

口コミが急速な勢いで広まるのはSNSの特徴ですが、事業を行う側から、ターゲットを絞った広告を出すという手もあります。

SNSなら、テレビやラジオ、印刷メディアと比べて、かなり安い値段で広告を出すことができます。

警察への情報提供や治安の維持

確かに、自分の私的なメッセージを政府によって密かに調べられるのは、誰だってごめんです。

その気持ちはわかります。けれども、犯罪ネットワークやテロリストのグループ、さらには銃乱射テロを企てる人たちも、攻撃の計画を立てたり、仲間を集めたりするのにSNSを活用しているのです。

警察がこうした攻撃計画の実行を未然に防ぐ手段として、SNSは非常に有効です。

SNSは楽しい

SNSの良い面と悪い面を検証していると、「SNSは楽しい」という、根本にある気持ちを忘れてしまいそうになります。そもそも楽しくなかったら、Facebookが30億人近いユーザーを獲得することもなかったでしょう。

ゲームやチャット、興味深い記事、ミーム、動画――あなたの興味の対象が何であれ、何時間でも楽しめるだけのコンテンツが、SNSには山ほどあります。

SNSのデメリット

残念ながら、SNSのすべてがバラ色とは言えません。頭に置いておくべきマイナス面も数多くあります。

ここからは、SNSの主な問題点を挙げていきましょう。

オンライン上のいじめや嫌がらせ

SNS最大の問題点のひとつが、オンライン上のいじめや嫌がらせの横行です。

ジェンダーや見た目、性的指向、宗教、障害、政治的信条など、人のさまざまな特質を理由に、いじめのターゲットにされるケースは数多く、憂慮すべき問題となっています。

中でも、子どもは特に弱い立場に置かれています。

「SNS依存」の深刻化

地元のレストランに足を運んでみてください。

どんな店でも、スマートフォンに目が釘付けになっているお客さんの姿を、数多く目にするはずです。そうした人の多くが、SNSを見ていることでしょう。

残念ながら、現実で直面している問題よりもInstagramのフォロワー数のほうが気になる、という人も多くなっているようです。

こんな状態は、心身両面で健康的とは言えません。実際、SNSが社会に与える悪影響の中でも顕著なもののひとつと言えるのが、依存という問題です。

プライバシーはないも同然

もうひとつ、SNSの大きな問題点としては、プライバシーの欠如が挙げられます。

相手がSNSのヘビーユーザーなら、ほんの数分にわたってざっと検索するだけで、愛読書や勤務先、さらには生まれたばかりの子どもの顔まで、あらゆることが特定可能です。

個人の生活まで入り込む広告

広告は、現代生活の一部として広く受け入れられています。

とはいえ、SNS上の広告は、道路沿いに掲げられた看板や、スポーツの試合中に放映されるテレビコマーシャルとは全く異なるものです。

FacebookをはじめとするSNS上に広告が表示されるにあたっては、私たちの目に見えないところでさまざまなプロセスがうごめいています。

それは、大量の個人データの販売から、ネット上でのユーザー行動の詳細な分析に至るまで、まさにジョージ・オーウェルの小説『1984年』で描かれた管理社会そのものです。

このように自分のデータが広告に使われていることを、私たちはみな憂慮すべきでしょう。

データの完全消去が不可能

delete-facebook

SNSの善し悪しを語るなら、サービスを利用することで残るオンライン・フットプリントの問題は避けて通れません。

確かに、SNSのアカウントを削除することは可能です。

でも、サービス利用中に生じたデータはどうなるのでしょう?

アカウントを削除すれば、あなたのデータは、表向きは見えなくなります。

けれどもTwitterは本当に、あなたが投稿したすべてのツイートをサーバーから削除しているのでしょうか?

Instagramは、あなたがシェアした写真を1枚残らず、サービスの記録から完全に消去しているのでしょうか?

この2つの疑問への答えは「ノー」です。

ですから、こうしたデータが今後いつか浮上して、あなたに不利な形で使われる可能性は(どれだけ小さくても)ゼロとは言えません。

社交性がかえって失われる

SNSのせいで、私たちはかえって社交性を失いつつあるのではないでしょうか?

実は、こうした懸念を裏付ける多くの研究結果があります。

これにはいくつかの理由があります。その一部には、SNS依存のように、この記事で既に触れたものもあります。では、以下のようなケースはどうでしょう? ちょっと考えてみてください。

あなたの友人がバカンスに出かけたとしましょう。友人は旅行が近づくと、この旅の予定を何から何まで投稿します。

旅行中は、写真や近況のアップデートが、次から次へと舞い込んできます。

さらに友人が家に帰ると、今度は「この旅がどれだけ楽しかったか」という話を、大っぴらに何日も続けるのです。

このような状況で、わざわざこの友人に連絡を取って、楽しかったバカンスについて直接話を聞こうという気持ちになるでしょうか? まずならないでしょう。

あなたが考える、SNSのメリットとデメリットは?

というわけで、この記事では、SNSのプラス面とマイナス面のうち、頻繁に取り上げられるものの一部をまとめてみました。

でもきっと、読者のみなさんは、ほかにもいろいろなメリット、デメリットを思いついているはずです。

SNSの光と影についてさらに知りたい方は、米MakeUseOfの記事を読んでみましょう。SNSの良い影響(英語)悪影響(英語)について、それぞれ記事がありますので、興味がある方は参照してください。

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Image: 13_Phunkod/Shutterstock.com

Original Article: The Pros and Cons of Social Mediaby MakeUseOf