この1年半を振り返ってみると、コロナのせいでできなかったことばかりが浮かび、悔しかったり落ち込んだりしますね。
そんなときに違う視点を提供してくれる考え方が、ビジネス系Webメディア『Inc.』にありました。
それは、「ルール・オブ・リアプレイザル(Rule of Reappraisal)」というものです。アプレイザルというのは、価値などを評価・査定するという意味。つまり、再評価のルールです。
記事を書いたジャスティン・バリソさんは、タガログ語の学習が進まないことに悩んでいたとき、友人からこのルールを教えてもらったそうですよ。
これからのことに目を向けるのではなく、自分がすでに達成したことを振り返ってみましょう。
言語の学習のように終わりのないプロセスでは、特にこのアドバイスは刺さります。
他人を励ますときに使っている
このルール、よく考えてみると意識せずに使っている人が多いのではないでしょうか。
『Inc.』の記事を読んですぐに思い浮かんだことがありました。
私(アメリカ在住)は現地の子どもに日本語を教えているのですが、簡単な間違いで落ち込んでしまう子がいます。
そういうときには、その子が「以前できなかったこと」と「今できるようになっていること」を比較して、上達していることを強調して励まします。
これはまさしく、リアプレイザルのルールだと気づいたのです。
また、失業して落ち込んでいた友人に、その人のそれまでのスキルや経験、頑張ってきたことなどをリマインドして励ましたこともありました。
逆に、私もそのようにして励まされたことも。
このルールを自分にも適用しよう
このように他人に対しては知らず知らずに使っているルールですが、自分に対してはどうでしょうか。
特に現状では、「コロナのせいでXXができない」(私にとってその最たるものは「コロナのせいで日本に帰れない」)と失われた機会ばかりに目が向いています。
また、たとえば仕事でミスをしたときに自分だとマイナスの感情に支配されて、過去の達成事項を振り返るような心の余裕はどこへやら。
でも、まだコロナが終息しておらず不安が募る現状だからこそ、このルールを自分に適用して日々やり遂げていることを確認する作業には意義があると感じます。
「ハイブリッド業務でもプロジェクトを完了した」「健康で仕事が続けられている」「今日は予定通りワークアウトをした」など、いろいろあるはず。
振り返ることはささやかなことでもいいのです。
バリソさんは「何をやり遂げることができたか」と自問し、「プロジェクトがはかどった」「多くのメールに返事を出した」「帰宅して息子とバスケットボールができた」などの例を挙げています。
不安や懸念がなくなるわけではありませんが、やり遂げたことを評価して、気持ちのリセットをすることは重要です。
そのときに気をつけたいのは、他人と比較しないことです。あくまでも自分ができたこと、やり遂げたことにフォーカスします。
リアプレイザルする習慣を取り入れる
リアプレイザルの対象期間というのは決まっていません。振り返るのは、それまでの全人生でも、その週でも、1日でもいいのです。
ただ、1日の終わりにリアプレイザルをすると、日々をリセットして過ごすことができそう。
バリソさんも、記事で以下のように述べています。
(仕事などが残ってしまって)その日が良い1日ではなかったと感じたとしても、それを気にせずやり遂げたことにフォーカスする。
明日は、新しいチャンスが溢れる、新しい1日だから。
その日に達成したことを振り返れそうにない人は、入浴や歯磨きなど夜の習慣と結びつけてみると習慣化できそうです。
私の場合は、ほぼ毎晩『スター・トレック』TVシリーズを観ることがリアプレイザルの時間になっています。視聴は、コロナをきっかけに我が家で1年以上継続している習慣です。
TV番組や映画を観る行為そのものも楽しいのですが、これは「今日も1日がんばった」「記事が入稿できた」など自分のその日の作業を確認するひとときにもなっています。
また、定期的に行なう必要のある家事もリアプレイザルのチャンス。
「すぐ家事」は、仕事で疲れた脳のリフレッシュにもなり、完了したら「今日は家事をした」という達成事項ができ、さらに家族からも喜ばれるという、一石五鳥ぐらいのメリットがありそうです。
どんな状況でも、誰にでも、日々やり遂げていることはたくさんあります。
完了していないことやこれから起こるかもしれないことを憂うまえに、ルール・オブ・リアプレイザルで達成事項を確認していけば、前向きな気持ちで毎日を過ごせるでしょう。
Source: Inc.