メモリアルな日というのは、大体クライマックスに撮りたいシーンがやってきたりするものですよね。万が一、そんな事態に陥った時のために、残り少ないバッテリーを何とか搾り取るようにして写真を撮る方法をお教えしましょう。

これから教えるバッテリーをほんの少しでも節約する方法は、どれも現実的でほとんどのカメラで使える方法です。どんな事でもそうですが、できることからコツコツと。バッテリーに余裕がある時でも常日頃からやっていると、後で助かるかもしれませんよ。

1. 最初に何を撮るか決める

2. オートフォーカスをOFFにする

3. レビュー機能をOFFにする

4. ファインダーを使う

5. 手ぶれ補正機能をOFFにする

6. 使わない時は電源をOFFにする

7. 写真をパソコンに取り込まない

8. ISOを上げてフラッシュを使わないようにする

9. 一番大切なこと

 

1. 最初に何を撮るか決める

最近は大容量のメモリカードも安くなり、カメラ内臓メモリの容量もかなり大きくなったので、枚数を気にして取ることも少なくなってきたと思います。どちらかと言うと「数打ちゃ当たる」的な感じでバシャバシャ撮る人も多いことでしょう。例えば、放牧されている馬を撮るというようなシチュエーションでは、何となく20枚くらい撮っておいて、後で家に帰ってパソコンで選んだ方が楽ですからね。

でも、そろそろ無駄打ちはやめて、シャッターを切る前にちょっと考えてみませんか?「この写真は、本当に後で見たくなるような、誰かに見せたくなるような写真なんだろうか?」「これは、旅先での感動や、自分が感じたものを写し取っている写真なのか?」「本当に一番良い構図をファインダーで切り取っているのだろうか?」

シャッターを押す前に、これから撮る写真についてちょっと考えるだけで、何気ないスナップ写真1枚のクオリティがグッと上がることに気付くはずです。

と、いきなり精神論から入りましたが、この心がけ一つでシャッターを押す回数が減ることになれば、自ずとバッテリーも節約できます。2つ目以降は、それでも写真を撮ると決めたら、どうやって現実的に節約するかという方法です。

2. オートフォーカスをOFFにする

これは一眼レフのデジカメにだけ使える方法です。一眼レフを使っている場合は、オートフォーカスをOFFにすると、相当バッテリーを節約することができます。オートフォーカスをONにしているほとんどのカメラは、シャッターを半押ししてから、実際にシャッターを切るまで、ずっとフォーカスし続けています。レンズの大きなカメラになればなるほど、よりバッテリーをセーブすることができます。いわゆるコンパクトカメラの場合は、残念ながら選択の余地無しです。

3. プレビュー機能をOFFにする

これは一眼レフでもコンパクトカメラでも、どちらでも使える方法です。写真を撮った後で液晶画面に出るプレビューをOFFにするのです。サイズの大型化など、液晶画面に関する技術は進んでいるので、バッテリーも消耗するのです。プレビュー機能を切ってしまうのが、一番簡単にバッテリーを節約できます。

4. ファインダーを使う

ほとんどのデジカメで、液晶画面にライブビュー(今見えている映像)を写すと思います。これもまたバッテリーを食う原因の一つです。レビュー機能をOFFにするのと同様に、ライブビューもOFFにして、ファインダーを使う事でバッテリーを節約しましょう。とは言っても、コンパクトカメラにはファインダーの無いものもあります。そういう場合は、撮影モードの時だけ液晶画面をOFFにするという方法でも、少しバッテリーが節約できます。個人的には、コンパクトカメラを買う時は、バッテリー節約のために必ずファインダー付きのものを買うようにしています。

5. 手ぶれ補正機能をOFFにする

カメラのレンズが大きくなればなるほど、手ぶれ補正機能は欠かせない機能です。300mmのレンズで1/20sのシャッタースピードで撮る時でも、この機能のお陰でちゃんと良い写真が撮れますから。でも、個人的にテストしてみた結果、手ぶれ補正機能をOFFにすると約20%バッテリーが長持ちします。オートフォーカスの時と同じく、動く被写体を撮ろうとしてカメラが動いている時は、手ぶれ補正機能はいつも動いていることになりますから、バッテリーを使う訳です。手ぶれ補正機能をOFFにしたら、躍動感のある写真が撮れるということで。

6. 使わない時は電源をOFFにする

当たり前と言えば、当たり前のことです。でも、一度電源を入れたら、どうせ自動で電源が切れるからと、そのままにしてたりしますよね。ファインダーの付いていないコンパクトカメラの場合は、ライブビューをOFFにできないので、電源をこまめに切る事は特に重要です。4のTipsからも分かるように、液晶画面の表示にエネルギーを使うより、写真を撮ることにエネルギーを使いたい訳です。それから、1のTipsを頭に入れておいて、カメラの電源を入れる前に、まずはこのシーンで写真を撮るのかどうかを考えて、それから電源を入れるようにすればなお良しです。もし、お持ちのカメラにクリーニングセンサー機能が付いていて、電源のON/OFFをする度に機能するなら、逆にバッテリーを多く使うことになりますが、大抵の場合はその機能はOFFになっているので大丈夫でしょう。

7. 写真をパソコンに取り込まない

デジカメで写真を撮ったらパソコンにすぐに取り込むという習慣がある人は、フラッシュメモリなどのカードリーダーを持ち歩くことをオススメします。USB接続していても、ほとんどのカメラはUSBケーブル経由では電源を取らないようになっているので、写真をパソコンに取り込む時はカメラのバッテリーを使っているのです。パソコンに写真を取り込んでいる最中にバッテリー切れになるという、最悪の事態を経験してからは、メモリのカードリーダーを必ず持ち歩くようにしています。

8. ISOを上げてフラッシュを使わないようにする

フラッシュを使うと一気にバッテリーは無くなります。手持ちのカメラの性能にも依りますが、ちょっと暗いかな程度の状況でフラッシュを使わないために、ISOの数値を上げてみるというのは、やってみる価値はあると思いますよ。普通だったらフラッシュを使うような、屋内の薄暗い照明の中でちょっとテストしてみましょう。個人的な好みとカメラの性能にもよりますが、ISO400くらいまで上げてみましょう。ISO200を超えると画質が悪いと感じることもあるかもしれません。あまりオススメする人はいないと思いますが、自分がこれでも良いなと思えばいいのです。フラッシュを使うよりもバッテリーが約40%長持ちしますよ。

9. 一番大切なこと

もし旅先でデジカメのバッテリーを忘れたことに気付いたとしても、取り乱してはいけません。ここに書いてきたようなTipsを使いながら、旅行の間だけ写真を撮る方法を工夫すればいいのです。そして、一番大切なことは、リラックスすること。たとえ、デジカメの電源を忘れたとしても、旅を楽しむことを忘れないで。リラックス&エンジョイ!

How To Conserve Battery Power When It's Almost Gone [Digital Photography School]

Jason Fitzpatrick(原文/訳:的野裕子)