米共和党全国委員会が、アラスカ州知事で副大統領候補のサラ・ペイリンとその家族の衣装代に15万ドルもかけたのを知っていますか? 選挙のためとはいえ、庶民とはかかけ離れた金銭感覚ですよね。

米lifehacker編集部のジャクソン・ウエスト記者が考えるところの、上手な買い物の仕方とは、絶対に小売価格では買わない、ということだそうです。NYに住んでいようが、アラスカに住んでいようが、限られた予算の中で、パワフルでプロフェッショナルな着こなしをすることは可能とのこと。

そんなジャクソン記者は、「StyleDiary」の設立者のパトリシア・ハンシゲルさんにお話を伺ってみました。パトリシアさんは毎週金曜日には、「Wardrobe for Opportunity」というところでボランティアをしている方。この活動は、就職活動中の低所得者が、面接のためのスーツを探すののお手伝いをする、というものです。

パトリシアさんは、サラ・ペイリンの衣装代に関するニュースを知って、ショックを受けたとのこと。「15万ドルもかけなくても、2万5000ドルだってステキな衣装は買えたのに。ペイリンは、オーダーメイドではなくて、デザイナー価格の洋服を着たって、プロフェッショナルに見せることはできたはず...」と。

あなたには今、大事な面接を控えていますか? 週末は、初デートですか? 大枚をはたく前に、以下を読んでくださいね。ライフハッカーが、あなたの洋服選びのお手伝いをいたしますよ。

 ■価値=((素材+仕立て)*普遍的なスタイル)/価格

バーゲンは必ずしも安いわけではありません。バーゲンとは、あなたのお金に対しての商品の価値を指しています。つまり、1200ドルのデザイナー靴が、流行から1年遅れたからと200ドルに値下げされているのは、造りがよくないコピー品の50ドルの靴よりも大きなバーゲンだということです。サラ・ペイリンが履いていた、3インチヒールのまっ赤なパンプスは流行には左右されない、普遍的なスタイルです。パトリシアによると「靴とバッグだけは、安物だとすぐわかる」のだそうです。

ディスプレイしてあったために色があせたイタリア製の革靴は、靴磨きできれいにしたら、数年は履けるようになります。「Manolo Blahnik」などの高級靴と似たスタイルを安く提供する「Nine West」の革靴は、嵐が来たら再生不能になるかもしれません。パトリシアは「超高級品のバーゲンか、超安価品を選んだ方がいい。なぜなら、中級品を買うのはお金のむだになるから」と、警告しています。まずは、靴にお金をかけすぎるのをやめ、しょっちゅう着ているそこそこの価格の上着にもサヨナラしましょう。

「American Apparel」には、アメリカ産で質の良いベーシックなラインがあります。大統領候補のバラク・オバマ夫人のミシェル・オバマは、日本に最近上陸した「H&M」で洋服を買うそうですよ。パトリシアは「Old Navy」の10ドルのドレスを着ていても、周囲から「その服どこで買ったの? ステキね」とよくいわれるそうです。

 

■いいものが値下げされているのを掘り出す

ボランティア活動「Wardrobe for Opportunity」で、パトリシアはスポンサーの「TJ Maxx」から300ドルの予算をもらうのですが、これはジャケット2着、靴2足、シャツとアクセサリを買うのに十分な額で、クライアントはこれでちゃんと面接などに臨める装いになるそうですよ。パトリシアによると、小売価格は200%の価格なので、その値段を払うのはバカバカしいのだそうです。アメリカでは「TJ Maxx」の他にも「Loehmann's」、「Ross」、「Century 21」といった、過剰在庫の品物をバーゲンしたり、アウトレット商品を売ったりしているお店があります。

そういうお店で掘り出し物を見つけるには、タイミングが大事。お店の人に、新しいものが入荷するのがいつか聞いておくといいでしょう。いい時期は、クリスマスショッピングの後や、お店が時期外れのものを一掃する頃です。例えば、水着は9月、スウェットは5月、というように。時期外れの商品は、何度も試着されたり、リターンされたりで、状態が余りよくないかもしれませんが、中にはいいものもあるし、自分でちょっと手を加えれば新品として身につけられるものもあります。地元のお店で、デザイナージーンズがひっそりと半額になっていたとしたら、儲けものですよね。

 

■サンプルセールと物々交換でダイエット?

スーパーの試食ではちょっとした腹ごしらえができますが、デザイナーのサンプルセールや物々交換では逆にカロリーを燃焼させることができるかもしれません。というのは、やわらかいツイードのジャケットやおしゃれな帽子のために殴り合い、なんてことになりかねないからです。もしかしたら、その場ですぐ試着したくなるような、一点ものや、デザイナー自身の手作りのものを見つけられるかもしれません。お店のメイリングリストなどに登録して、セールのお知らせを受け取るようにしましょう。

 

■オンラインショッピングでいいものを安く手に入れる

米共和党全国委員会は、サラ・ペイリンが党大会で着たヴァレンチノのジャケットの2500ドルを負担していますが、「The Budget Fashionista」は、その2500ドルで、演説をするのにも、赤ちゃんの世話をするのにも適している(サラ・ペイリンには6カ月の赤ちゃんがいます)6通りものスタイルを作ってしまいました。オンラインでのデザーナーバーゲンは、アメリカの場合「Dillards」、「Overstock」、「BlueFly」、「ShopBop」、「Zappos」が、よく知られたところで、その他にもちろんオークションサイトもありますが、意外なところでは安売りスーパーの「Wal-Mart 」のオンラインでも、デザイナーブランドではありませんが、いいものを見つけることができます。サラ・ペイリンの選挙本部長のひとりは、元Wal-Martのシニアアドバイザーのテリー・ネルソンなのに、Wal-Martの安い下着や靴下は選んでなかったようですね。

オンラインショップはクーポンコードを扱っているところも多いんです。パトリシアは、400ドルのブティックセーターを買うのに、クーポンコードを探して入力したら200ドルの半額で買うことができ、おまけに他州から商品が送られてくるので消費税も払わなくてよかったそうです。クーポンコードはGoogleなどで検索するとすぐ探せます。米lifehackerのクーポンコードに関する記事はこちらです。

 

■リサイクルショップを上手に使う

アラスカ州知事のサラ・ペイリンは、エネルギーを自給したかったら早めに掘れ、どんどん掘れと言っていますが、普通の人ができることのひとつとして、資源の再利用のために古着を買う、というのがあります。ヴィンテージはかっこいいけど、流行が過ぎたものはかっこ悪いと思ってしまいますよね。でも、誰がが流行遅れだと捨ててしまうものでも、あなたはまだまだイケる、と思うかもしれません。たとえば、高級デパートの「Barney's」のウールのタキシードだって、サンフランシスコのリサイクルショップだったら40ドルで買うことができて、あと30ドル出したら近所の仕立て屋さんで自分に合うようにしてもらえるんですよ。その格好でホワイトハウスのディナーに招待されても、胸を張って出席できるようなスタイルになります。

リサイクルショップはお下がりの宝庫ですが、いいものを掘り出すのには少し時間がかかります。好き嫌いが別れるようなユニークな服ではなく、普遍的なスタイルで、造りのいいスーツ、ジャケット、バッグ、アクセサリーを選びましょう。ヴィンテージブティックには、リサイクルショップからたくさんいいものが集められています。オンラインの「Adrevintage」のようなヴィンテージショップもあります。委託販売業者も、常に流行の最先端の服を着たい人から、少しだけ流行遅れのものを買い取っているので、普通の人には十分にファッショナブルな服を扱っていることになります。多少あなたのサイズからずれていても、近所のいい仕立て屋さんを把握しておけば、少しのお直しでいい服を着ることができますよね。

とはいえ、自分に手の届かないものほど欲しくなるということもあります。でも、家のローンの支払いを滞納するほどお金をかけないと、ファッショナブルに見えないというわけではないんですよ。今回紹介した、バーゲンショッピングはひとつの方法に過ぎません。みなさんは、少しの予算でもかっこよく見せる着こなし術をもっていますか? コメント欄で教えてくださいね。

 

Jackson West (原文/訳:山内純子)

 

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