以前、「フリーランスにまつわる12の幻想」で、フリーランスとして働くことの厳しさを紹介しましたが、会社員と比較した場合に、より現実的、具体的に待遇面で大きく差が開く部分があります。それが「福利厚生」です。

2011年に社団法人日本経済団体連合会(経団連)が発表した「第54回福利厚生費調査結果報告 2009年度(2009年4月~2010年3月)」によると、企業が社員一人あたりに支払っている福利厚生費の平均額は、法定福利費(健康保険、厚生年金、労災などの社会保険料)で月額7万1,480円、法定外福利費(住宅補助や社食、慶弔給付、健康診断などの費用)で月額2万5,960円だそうです。

フリーランスの場合、これと同等のサービスを受けようと思うと、当然全て自腹を切らなければならないわけですから、そりゃあ姉さん大変です。元フリーライターだった先輩曰く、「フリーランサーは、会社員の1.5倍~2倍稼いでやっと同等」というのも頷けます。

でもでも、フリーランサーだって健康診断は必要だし、たまには温泉で骨休めしたいじゃないですか! ということで、フリーランサーでも低価格で加入できる福利厚生サービスを以下にまとめてみましたので、よければ参考にしてみてください。

 

クラブオフ

株式会社リラックス・コミュニケーションズが運営しているサービス。企業や法人を相手とする法人会員制クラブだが、個人でも提携先企業の会員であれば、無料でさまざまな福利厚生サービスが受けられる。たとえば、

TSUTAYA

(TSUTAYA WカードもしくはTカードプラスの会員が対象)

ジャパンネット銀行

(口座を持っていればOK ※諸条件あり)

弥生株式会社

(製品ユーザー登録&「あんしん保守サポート契約(有料)」で対象に)

「クラブオフ」でググると「他のキーワード」や検索結果に提携先が見つかるので、自分が利用できるところを探すといいだろう。

特典として会員は、国内1,500か所以上の宿泊施設が、最大90%OFFで利用できるほか、アミューズメントパークやスパなどのレジャー施設、生涯学習や育児、介護などのライフサポートメニューを割安価格で利用できる。会員には、無料の「スタンダード会員」と月額525円の「VIP会員」があり、後者では利用できるサービスが増えたり、スタンダード会員よりもお得な金額で提供される。

また提携先によっては、クラブオフ独自のポイントプログラムを提供しているところも。一例として「弥生の福利厚生サービスクラブオフ」では、利用毎にポイントを獲得でき、10,000ポイント貯まると10,000円をキャッシュバックできる。


中小企業勤労者福祉サービスセンター

中小企業勤労者福祉サービスセンターとは、地域の中小企業事業者と労働者が共同することで、単独では実施が困難な福利厚生サービスの運営を目的とした公益法人のこと。全国にあり、各サービスセンターのある区、および市内の「従業員300人以下の中小企業の事業主および従業員」であれば加入できる(※ 各サービスセンターによって入会資格は若干異なる)。

入会金は、200~500円、月会費は500円前後。慶弔給付金の支給や人間ドック等の助成、宿泊施設やレジャー施設の割引、交通機関の利用料の割引といったサービスが受けられる。こちらのページから最寄りのサービスセンターを検索可能。


■各種保険・クレジットカードに付帯の契約者向けサービス

生命保険や自動車保険といった各種保険サービスやクレジットカードなども、会員特典としてさまざまな福利厚生サービスを設けている。例としては、

ソニー損保

(自動車保険およびガン重点医療保険の契約者が対象)

損保ジャパン

(個人用自動車総合保険「ONE-Step」の契約者が対象)

三井住友VISAカード

個人事業主用法人カード契約者を対象にさまざまな特典あり)

サービス内容は、各施設の利用料の割引のほか、住宅ローン金利の引き下げから航空券の割引と、多種多様にわたる。


JSC福利厚生制度

日本SOHOセンターが運営しているサービス。全労済や三井住友海上などの提携先企業のメニューから、SOHOやフリーランスにとって必要性の高いものだけを組み合わせた独自の保障プランを提供している。月額2,800円~の会費(※ 1年更新・掛け捨て)を支払うことで、入院見舞金や育児休業補償金、介護費用助成金などがセットになった「SOHO総合保障」が受けられるほか、株式会社ティグレが提供する確定申告や資金調達、労務管理、生活相談などのサービスを割引価格で受けられる。


あんしん財団

財団法人中小企業災害補償共済福祉財団が運営しているサービス。中小企業や個人事業主を対象として、災害補償共済事業や災害防止事業、福利厚生事業を展開している。月2,000円の会費を支払うことで、健康診断や人間ドック、宿泊施設等の補助金が支給される。また、法律、税務、登記、労務管理など、事業経営に関する相談から、健康、メンタルヘルスなどの各種相談サービスも、無料で受けられる。


フリーランスは、どこにも身を預けていないからこそ、自分の身は自分で守るしかありません。各種サービスを賢く組み合わせることで、頑丈な転ばぬ先の杖をつくっておきたいものです。

(沢田キャベツ)