パソコンの掃除と言うと、ディレクトリやファイルがきちんと整理されているかどうか、など中身の方を気にかけてしまうかも知れませんが、今回は物体としてのパソコンの掃除のお話です。

無敵のスペックに大きな容量を備えていても、忘れてはならないのが「パソコンが精密機械である」ということ。どんなにあがいてもホコリが溜まるとパフォーマンスも下がってしまいます。春もやってきたことだし、パソコンの掃除Tipsを今日はいくつかご紹介してみたいと思います!

パソコンや周辺機器はホコリやごみ、すすや細菌を集めるのが大好きです。パソコンは乾燥していて温度が高く、その中には一日中ファンの風が通っています。手が届かない隅や割れ目に、ホコリや髪の毛、その他の小さなあらゆるモノが引っかかりは溜まり、引っかかりは溜まり、というのを繰り返しています。

周辺機器は、パソコンのようにホコリを吸引するトンネルのような形状ではないので、まだましですが、それでもホコリは溜まり、手あかは付き、という清潔とは言えない状態を作り出す条件は一通り揃っています。マウスなど毎日手に取って使うものはホコリを被っていることなどは少ないにしても、決してキレイとは言えない状態かも知れないですよ。

それぞれの機器にあった掃除方法をまとめてみたので、新生活が始まった人も、春だからと言って特に環境に変化がない人も、春は新しいスタートの時期ですので、この機会にザザーンとパソコンとその周辺機器のお掃除をやってみてはいかがでしょうか?

 

プリンタ、USBハブ、スキャナー、その他の周辺機器

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パソコン周辺機器の外面の掃除は、はっきり言って簡単です。Swifferのような静電気でホコリを集めてくれる商品は、台所のテーブルなどをキレイにする場合には不要ですが、周辺機器の掃除の際にはその威力をいかんなく発揮してくれます。

乾いたホコリ取りでホコリを取ってから、湿らせた布などで拭くのが一番です。いきなり湿らせた布で拭くとこすれたあとが残ったり、シミになって残ったりしてしまい、粘土のようにはり付いて逆に取れにくくなってしまいます。この粘土状のダマがプリンタなどの内部に入ってしまうとさらにひどいことになってしまうので注意して下さい。

静電気の力でホコリを取ってくれるダストクロスで一通り拭く、という作業が周辺機器の掃除の約95%の部分と言っても良いかと思います。コーヒーのシミやインクの付いた手で触ってしまった部分等は、少し湿らせた布で拭いてやると大抵、落とすことが出来ます。

それでも落ちない頑固なシミや黄ばみ、傷などにはMagic Eraserや「激落ちくん」など、水だけで使えるクリーナーが最強です。

クローゼットに長期間放置していたレーザープリンタの黄ばみも、Magic Eraserで新品同様にすることが出来ましたよ! 激落ちくんやMagic Eraserというのはメラミンスポンジの商品名なので、これらの商品だけでなく他のメラミンスポンジでも代用出来るはずです。

確実によく落ちるのですが、このメラミンスポンジというやつは研削材なので、使いたい表面の目立たないところでテストして傷が付かないことを確認してから使用して下さい。

モニター、ウェブカメラ、スキャナーなどを傷付けない掃除方法

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プリンタに多少傷が付いていたとしても、恐らくそれに気が付くのは使う本人だけだと思いますが、モニターに多くの傷を付けてしまった場合、そのモニターを毎日眺めなくてはならないだけでなく、モニターがいかにしてそのような負傷に至ったかの経緯に付いて物語らなくてはならない機会が大幅に増えてしまいます。

まず、周辺機器と同様に乾いたクロスでホコリを取ります。画面についつい触ってしまう人や、鼻を押し付けたがる猫を飼っている人など、やたらと画面が汚れていない限りはこれでかなりキレイになります。

指紋やその他の汚れは、ほんの少しだけ湿らせた布で拭き取ります。ペーパーナプキンやタオルはLCDコーティングを傷つける可能性があるので使用しないで下さい。コットン100%のもの、またはマイクロファイバーダストクロスなどを使いましょう

液体洗剤などを直接モニターにかけることは避けて下さい。モニターではなく布の方を軽く湿らせます。LCD業者はアンモニアベースのウィンドウクリーナー、アルコールクリーニングスプレーなどのクリーニング製品を使わないことを強く奨励しています。水で落とせない汚れがある場合で、ダストクロスで拭いても画面上で広がるだけの場合、もう少し洗浄力が必要なので水と1:1、またはそれよりも弱く薄めたホワイトビネガーを使用して油分を分解させます。こすり続けて余計な力を画面に与えるよりも少量の酢を使った方が安全です。

キーボード、マウス、その他の周辺機器はトイレの便座並みに汚い?

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キーボードやマウスを、意識的にアルコールで拭くなどして掃除していない限り、トイレの便座よりも汚い、という話をご存知でしょうか?

一日のうちに何度か手を洗うことがあるかと思いますが、パソコンに向かって一日仕事をしている場合、手についた汚れは全てキーボードやマウスに付着していくのです。オフィスのドアノブや握手を求めてくる同僚、自動販売機から出て来た10円玉、その全てについているバイ菌が最終的に累積されるのが、このキーボードやマウス。そう考えるとたまには意識的にこれらをきれいにしてやっても良いような気になりますよね。

マウスやキーボードを接続したままで掃除をしても、特に問題はないはずですが、注意深くやりたい方は掃除を始める前に外してしまうと良いかと思います。接続したままで入力をロックしてやる方が手間は省けて楽は楽ですが。キーボードをロックするには『BlockInput』(Windows)または『Keyboard Cleaner』(Mac)をダウンロードして下さい。

衛生ふきんなどがこの作業には最適です。取り外した、またはロックしたキーボードを、衛生ふきんできれいに拭いてあげると、実際どのくらいキーボードが汚れているのかが分かるのでかなり達成感のある作業です。

そんなに汚れていないようにみえるキーボードでも、指の脂やその他の汚れでみるみるうちに黒っぽくなってくるかと。マウスにも同じ作業を行います。トラックボールマウスのトラックボールは回しながらボール全体を掃除していきます。ボールが入っている古いタイプのマウスを使っている方はボールを取り外して接触の部分も掃除してあげて下さい(レーザーマウスの場合、この作業は不要です。)

かなり長い間キーボードを掃除したことがない場合や、明らかにかなり汚れている場合、マスカラブラシを使ってキーの間を掃除したり、キーボードを分解してキーの下の部分のゴミも取ってあげるとより効果的です。

パソコン内部のディープクリーニング

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さてさて、ここまでの作業で周辺機器はかなりキレイになったはずなので、次はいよいよパソコン本体の掃除に取りかかります。パソコンは精密機械なので熱などにも弱く、内部の掃除は細心の注意を払って行う必要があります。熱がHDDにどのくらいの影響を及ぼすのかの研究によると:

HDDの信頼性、耐久性は環境温度に依存します。HDDの温度が5度上がるとHDDのワークロードが10%〜100%増加した場合と同様の状態となり、HDD温度を摂氏1度下げるとHDDの寿命が1割程度長くなります。

ホコリが溜まると熱が逃げにくくなります。パソコンのケースを開けてみた時に、上の写真のような状態であればパソコンの寿命はかなり短くなってしまっています。写真ほどホコリが溜まっていないにしても、パソコンを掃除する手間と、新しいパソコンを買うために働く手間を考えると、掃除をしないというのは、言ってみれば自分で自分の首を閉めているようなものです。

パソコンの掃除の仕方はパソコンを開き、ホコリを取り、ファンを強力にする方法の記事にまとめてあるのでここでは細かい手順は省きますが、出来るだけ早いうちに一度掃除してみることをオススメします。

パソコン内部に侵入したホコリはゆっくりとグラフィックカードやプロセッサー、HDDなどの命を縮めていく吸血鬼のような存在です。大切なデータやパソコンがダメになる前に先手を打っておきたいところです。

上の手順に従ってやればプリンタは新品同様になり、スキャナーのカバーについていたコーヒーのシミもなくなり、モニターもなんだか明るさを増したように見え、キーボードから何かに感染する心配もなく、ハードドライブもヒートアップすることなくパソコンが使えるようになるはずです。

ささっと乾拭きをするくらいの掃除は週に一度、ディープクリーニングは年に数回やる習慣はパソコンを快適に日々使う為にも身に付けておきたいものです。

他にもパソコンの掃除方法などで良いアイデアがあればぜひコメントで教えて下さい!

Jason Fitzpatrick (原文/まいるす・ゑびす)