編集委員のひらたです。春麗らかな季節がやってきましたが、みなさん、いかがおすごしでしょうか。いよいよお花見のシーズン到来です。今年は開花が例年より早かったので、もうあちこちで桜を楽しむことができます。花を見ると、つい、写真を撮りたくなってしまいます。ということで、今回は写真の話です。
みなさん、デジカメの写真の現像ってどうしていますか?
いわゆる RAW 現像ってやつですね。デジタルに現像というと、初めての方にはちょっと不思議な感じがするかもしれません。どういうことかといいますと、デジタルカメラで撮影するときには、フィルムの代わりに CCD や CMOS といった撮像素子で光を受けまして、その光をデジタル信号に変換、カメラ内でデジタル画像処理をして JPEG といった、いわゆる普通のイメージデータにさらに変換するわけです。この変換作業のことを「現像」といいます。
普通はこの作業、デジカメのなかに入っているコンピュータが自動的にやっているのですが、デジタル一眼などのカメラでは、撮像素子からでてくるデジタル信号を直接出力できます。それが RAW データで、その RAW データからイメージを作成するのが、現像ソフトです。わたしは Apple の Aperture; を使っているのですが、他にも、市川ソフトラボラトリーの SILKYPIX、Adobe の Photoshop Lightroom が デジタルカメラメーカーが提供するものなどなどいくつかあります。
自動的にできる機能をわざわざ自分でやるって面倒ではないか、とおもわれるかもしれませんが、ところがどっこい。面倒は面倒なんですが、これが意外と面白いんです。例えばこんな感じです。

(master)

(ホワイトバランスを修正)

(明るさ、コントラストを修正)
もちろん、JPEG データからいじることもできなくはないんですが、撮像素子からでてくるデータは加工前。加工することによる情報がどんどん失われていくので、明暗やコントラストなどを調整するにしても自由度が高いのがポイントなのです。
また、たいてい有料だったりしますが、プラグインを使うと HDR (ハイダイナミックレンジ) 合成やノイズ除去など高度な機能も利用できます。まるで自分で撮ったとは思えない写真になることもありますので止められませんね。
ところで、RAW 現像に対応しているソフトは、現像や写真の加工以外にもいろんな機能を持っていることがあります。レタッチなどの写真を加工する機能以外だと、わたしの使っている Apertrue 3 では、Face や Place といった機能があります。Face はその名のとおり顔認識をして写真を自動的に人で分類してくれる機能です。誤認識もたまにありますが、写真の分類って楽しいけど、結構、骨の折れる作業でもあるので自動的に分類してくれるのはとても便利です。ほとんど旅にでていないので、東京の写真ばっかりなのですが...。

(Aperture の地図)
普通のデジカメやデジタル一眼だとGPSは非常にお値段高かったり、接続が面倒だったりするんですが、そういうときには Eye-Fi の出番です。SD カードに無線LANが組み込まれている EyeFi を使うと無線LANのアクセスポイント情報から位置を検出してくれるので、いろんなデジカメで位置情報を利用できるようになります。デジタル一眼で SD は使えない Compact Flash のときはアダプタを使えば大丈夫。多分、GPSユニットを買うよりもコンパクトで安価に位置情報を手にいれられます。さらにWi-Fi対応のモバイルルーターを使えば、出先でリアルタイムに Flickr にアップロードなんて技も。
PHS300は故障しちゃったんで、NTT-BP さんからお借りしている Personal Wireless Router で記者会見のレポートに使ってみましたが、とても簡単に Flickr にアップロードできて、しかも位置情報付きです。あ、撮影場所は有楽町だったんですが、写真を見たらオフィスのある麹町付近...なぜ?!

(EyeFi + PWR)

(レポートした写真)
顔認識や位置情報での管理は、Google の Picasa や Flickr でもサポートしていたりします。おもしろいですよ。
ということで、これからの季節、通勤のときなど、ちょっと遠回りして桜を楽しみながら撮影する余裕をもちたいところです。早起き早起き。
(ライフハッカー[日本版]編集委員・平田大治)