さて、年末に考えてみたいマネーハックの2つ目として「寄付」を提案してみたいと思います。
皆さんは寄付をしたことがありますか? 「ああ、駅前で赤い羽根募金に100円入れたことあるよ」という人は多いと思います。今回は、もっとまとまった金額(といっても1000円単位でもいいのです)の寄付を考えてみます。
寄付をすると、大きく3つの効能があります。
- すごく気持ちいい気分になれる
(金額は少しでも、とても誇らしい気分になれます)- 1年間、どんな募金活動も堂々と通り過ぎることができる
(あの、なんともいえない後ろめたさがなくなります)- 国に払う税金が減り、あなたが応援したい事業にお金を回せる (例えば宇宙開発に近いところにあなたのお金を送れます)
事業仕分けに怒ったあなたも、自分のお金を国にそのまま納めないで寄付してみませんか? 手続きはとても簡単です。詳しくは以下で紹介します。
寄付をすると、あなたが支援したいと考える特定の用途に限定して、あなたのお金を渡すことができます。国に税金を納めてそこからいろんな団体にお金を配分すれば、あなたの希望は通りません。先日「事業仕分け」が大きなニュースになりました。お役所の建物の中で、勝手に配分が決められていた仕組みにくらべてオープン化されることは良いことですが、「宇宙開発にお金は出すべきだろう」とか個人的にお金の使い道について疑問を思ったことはあったのではないでしょうか。寄付なら、「宇宙開発にだけ使ってもらえるお金を出す」というようなことができるわけです。
また、寄付をすると、少しだけ節税にもなります。寄付については、国内において寄付金控除の対象となるところへ納めることが必要ですが、寄付をした額の一部が非課税になります(原則として寄付額-5000円が対象)。仮に10万円寄付をすると寄付金控除が9.5万円で、10%の節税効果があったとすれば、9500円還付される、という具合です。
寄付、というと大金持ちのやること、というイメージがあるかもしれませんが、無理をしてお金を出す必要はありません。会社員の方には、「年末調整で戻ってきたお金を寄付してみる」ことをオススメします。
年末調整が12月に行われて、還付金が戻ってくると思います。「おお、こんなに戻ってきた!」と喜ぶこともあるでしょう。これは多く取りすぎた税金について12月に精算をしているものですが、感覚的にはちょっとした臨時収入だと思います。これを寄付に充ててみてはどうでしょうか?
寄付金控除の対象となるところは、学校等の研究機関、NPO、国際的に活動をしている団体など様々です。ウィキペディアなどは国内の寄付金控除の対象になっていないようですし、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は今のところ寄付を受け付けていないようですが、多くの団体がこうした寄付をする方法をホームページで公開しています。
「寄付 (応援したい事業)」で検索すると、いろいろな候補がみつかるはずです。たとえば、以下のようなところが寄付を受け付けています。
- 国境なき医師団(紛争地等の医療・人道援助)
- WFP(国連世界食糧計画)
- 独立行政法人 国立文化財機構(国立博物館等)
- 独立行政法人 理化学研究所(科学技術研究)
- 天文学振興募金(国立天文台)
たくさんある中から、自分の好みの寄付先を探すのも楽しみのひとつです。手続きは、各HPの指示に従ってください。金融機関で振込を行う場合が多いですが、オンラインでクレジット決済できることもあります。
年内に寄付をすれば、来年2月の確定申告で還付が受けられます。後日領収証等を送ってもらい、確定申告でそれを添付し提出すればいいのです。寄付の申告だけなら確定申告書類は国税庁のHPだけで作成できますので、それほど面倒はありません。ちなみに私は、教育が社会的問題を解決する重要な鍵であると考えており、上記のWFPの学校給食プログラムに寄付をしています。これは給食を用意することで、発展途上国の子どもを学校に通わせ、教育を受けさせるものです。恵まれない人へのクリスマスプレゼントのつもりで、年末にわずかな金額ですが寄付をしています。
あなたも、もし興味があれば、無理のない範囲で少し寄付をしてみませんか?
(山崎俊輔)