初めまして。ファイナンシャル・プランナーの山崎と申します。今月からライフハッカーに寄稿させていただくことになりました。ライフハックは大好きで、デジタルガジェットも大好きなFPとして、マネーハックな記事を書けることは大変光栄に思います。マネーに関してもちょっとした「ハック」があなたの財産作りに大きく影響してきます。そんなヒントを提供できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、第一回目は節税ハックです。自分の老後のために積立をすると、その分節税できるという話をしたいと思います。
個人事業主(自営業者)、中小企業の経営者の皆さん。今年の税金対策は万全ですか? 12月で締めて来年確定申告することになる税金について、今のうちにその概要を把握しておくといいでしょう。
このとき、課税所得が少なくなれば、税金も少なくなるわけですが、無駄遣いをするようにして無理して経費を増やしても意味がありません。
しかし、老後のためにお金をストックしておくと、その分が非課税扱いとなって課税所得を減らせるとしたらどうでしょうか? 通常であれば、お金を残して貯蓄をすれば課税対象となるわけですから、これはかなりお得な選択肢です。そのために使える制度が「小規模企業共済」です。
小規模企業共済は中小企業の経営者、個人事業主(自営業者)などが退職金準備をできるように用意されている制度です。個人としてそこに積立を行うと、その分が「小規模企業共済等掛金控除」として全額非課税になります。積立金は、廃業したときか退職したときに受け取れますので、必ず自分に返ってきます。受け取った金額には退職所得控除がつきますので、ほとんどの場合非課税で受け取れます。
小規模企業共済は月額7万円、年額で84万円まで積みたてることができます。基本は毎月の定期的な積立ですが、希望する場合は「年払い」で一括して年末に納めることもできます(厳密には翌年分を前納する形式)。つまり、「今年は比較的儲かっているからドンと積み立てよう」というような工夫ができるわけです。詳しくは共済のWebサイトのリンクをつけておきますので、確認をしてください(間に合うかもしれません。相談室ないし銀行等の加入取り扱い窓口で相談してください)。
厚生年金に加入していない個人事業主(自営業者)などは、公的年金の額が会社員と比べて少なくなりますので、自覚的に老後の準備をしておくことが重要です。金額ベースにして、2000~3000万円の年金差がつくことが考えられ、また退職金として1000~2000万円の差がつくことも意識しておくべきです。
個人として節税をした分が直接自分の退職金につながるとすれば、これほど有利な選択肢はありません。小規模企業共済、年末の今こそチェックしてみてはいかがでしょうか(ちなみに現在の利息は年1.0%です。加入シミュレーションはこちら)。
なお、個人型401k(確定拠出年金)も年81.6万円の非課税枠があります(自営業者の場合)。こちらは毎月定期的な引き落としをしなければなりませんが、個人型401kの場合は、自分の資産の運用先を自分で選べ(どの投資信託をどれくらい買うかなど)、自分の持ち分額がいつでも確認できるといった特徴があります。計画的な引き落としが可能であって、自分の財産は自分で運用指図をするほうがいい、という人は来年に向けて考えてみてください。
ちなみに私は、個人型401kを利用しています。
小規模企業共済[中小企業基盤整備機構]
(山崎俊輔)