健康増進とストレス解消に、ジョギングやウォーキング、ジム通いなど、定期的に運動されている方は多いですね。ライフハッカー記事「米国人に聞く、ストレス解消法トップ10」でもエクセサイズは堂々2位にランクインしていました。長年、運動はストレス解消に効果的といわれていますが、実はその科学的根拠やメカニズムは謎のままだったそうです。しかし、最近の研究結果で、ようやくこの謎が明かされましたよ。

米紙「ニューヨークタイムズ」では、運動とストレスとの関係を脳の働きから解き明かした研究内容を紹介しています。

 米プリンストン大学の研究チームでは、じっと座っているネズミと、活動的に走り回るネズミにおいて、脳の動きを比較。それぞれのネズミを冷たい水に突っ込んでみたところ、いずれのネズミの脳でも、水につけられたことによるストレス反応が見られたそうですが、活動的なネズミのほうが生化学的にも、分子的にも概して穏やかな反応だったとか。走ることで生まれる細胞がストレスからの影響を受けづらくする緩衝材になっているからだそうです。

また別の実験によると、ストレス負荷をかけて無力感や不安を与えたネズミは、脳でのセロトニンの活動が活発であった一方、ストレスをかける前に数週間運動させたネズミはセレトニンの活動が少なく、不安感や無力感につながりづらかったとのことです。

これらの実験結果と考察から、運動がストレス耐性に効果的であることが脳の動きからもわかったわけですが、短期間で成果が出るものではないよう。米コロラド大学の研究によると、3週間運動したネズミには、ストレスに対する脳の働きに特段の変化は見られなかった一方、6週間運動したネズミには変化が認められたそうです。

脳の働きに変化を起こすために必要な運動の期間については、まだ厳密には明らかになっていませんが、グリーンウッド博士曰く「運動はまず、続けること」がポイントだそうですよ。日々、さらされるストレスから自分をうまく守るための一法として、ちょっとしたエクセサイズから続けてみてはいかがでしょう?

Why Exercise Makes You Less Anxious [NYT]

Lisa Hoover(原文/松岡由希子)