こんにちは、クラウドリーディングの担当の聖幸です。

皆さん、『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』はもう読みましたか? 僕は海外での噂を聞いて非常に面白そうだなと思っていました。 内容が面白そうなのはもちろん、そのマーケティングの方法にも興味を引かれました。 全文が無料で読めるという事を聞いて「へぇー」と思いましたが、さらに興味を引かれたのは、オーディオブックの方で「完全版は無料、ポイントを絞った抄録版が有料」という点です。

通常であれば、「抄録版が無料で完全版が有料」となるはずですが、その逆転現象が面白いなあと思いました。

確かに、この『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』は日本語の書籍で350ページもありますから、全文読むのも大変ですし、オーディオブックで全文章を聞くのもかなりの時間がかかると思います。 忙しいビジネスマンであれば時間が短い抄録版でポイントだけを有料で購入して聞いても不思議ではないかもしれませんね。

日本でも、先着1万名に本文のPDFが無料で公開されましたが、その分量に圧倒された方も多いのでは。 PCのモニターで350ページもの文章を読むのは大変ですからね。 「これなら有料でも読みやすい書籍を買った方がいいや」となりそうです。

僕も書籍でじっくり読みましたが、色々参考になるところにポストイットをつけながら読みました。 その後、ポストイットをつけた書籍を伝道師のように持ち歩き「フリーいいよー。フリー面白いよー」と会う人ごとに吹聴していました。

そしたら何人かの方に「ポイントだけ読みたいから、その現物が欲しい」と言われました。 プレゼントしたいのはやまやまですが、残念ながらせっかくポイントに目印をつけた書籍はプレゼントするわけにはいきません。

でも、今回ライフハッカーで、ドドドーンとポストイットをつけた箇所を大公開です。

ポストイットをつけた箇所を引用しますが、前後の文脈がわからなければ意味不明なところや誤解を招きそうなところもありますが、そういうところは書籍を購入して確認いただければと思います。

 

【P11】
二十一世紀の無料(フリー)は二十世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。 「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることになったのだ。

【P14】
このテーマは本にするのに申し分ないと私は思った。「まちがっている」と「自明のことだ」という二つの意見の分かれる話題は、どんなものであれ、いいテーマに違いない。

【P21】
二十世紀にフリーは強力なマーケティング手法になったが、二十一世紀にはフリーが全く新しい経済モデルになるのだ。

【P31】
ブログは無料で通常は広告もないが、私たちがブログを訪問するたびに何かしらの価値が交換されている。コンテンツを無料とする代わりに、私たちがそのブログを訪問したり、そこにリンクを張れば、そのブロガーの評判が上がる。ブロガーはその評判を利用して良い仕事を得たり、ネットワークを広げたり、多くの顧客を見つけたりできる。ときとしてその評判はお金に代わることもあるが、色々な方法があるので、一概に言うことはできない。

【P47】
シヴァーズによれば、中国の一部の医師は、担当する人達が健康ならば報酬をもらえるという。彼らが病気になれば、それは医師の責任なので、医師は報酬をもらえない。担当する人を健康にし、それを保つことが医師の目標なので、それが報酬を決めるのだ。

【P62】
人気の劣る彼らは、金銭よりも自分の曲が放送されることを望んだので、ラジオ局がタダで自分たちの曲を流すことを認めた。

【P62】
結果は皮肉なものだった。フリーはASCAP(米国作曲家作詞家出版社協会)が恐れたように音楽ビジネスを崩壊させることなく、反対に音楽産業を巨大で儲かるビジネスに変えた。 低品質の無料バージョン(低音質でいつ曲がかかるのかわからないラジオ)は、音質のよい有料バージョンを買ってもらうためのすぐれたマーケティング手法となり、ミュージシャンの収入は演奏からレコードの著作権使用料に移った。

【P62】
現在のフリーは、形を変えて同じやり方をしている。 無料の音楽配信がコンサート・ビジネスを成長させるためのマーケティング手法となっているのだ。

【P69】
人間はものが贅沢なことよりも、希少なことを理解しやすいようにできている。 なぜなら私たちは生存のために、脅威や危険に過度に反応するように進化してきたからだ。 私たちの生存戦術のひとつに、ものがなくなりそうな危険に注意を向けることがある。 進化の観点から言えば、贅沢にあることはなんの問題にもならないが、希少な場合は奪いあいになる。

【P72】
贅沢にあるモノのコストが底値まで下がるとき、その商品に隣接した別のモノの価値を押し上げることがある。マネジメントの専門家であるクレイトン・クリステンセンはこれを「魅力的利益保存の法則」と呼んだ。

【P74】
今日、希少なのは、元米国労働長官のロバート・ライシュが、「シンボリック・アナリスト」と呼ぶ、知識と技能と抽象的思考をあわせ持つ有能な知識労働者だ。 むずかしいのは、人間とコンピュータの仕事の最適な配分を考えることで、その線引きは常に動いている。

【P77】
人はどうして、場合によって<無料>を質の低下だと考えるときと、考えないときがあるのだろうか。 それは無料に対する感情が絶対的なものでなく、相対的なものだからだ。 それまでお金を払っていたものが無料になると、私たちは質が落ちたと考えやすい。 でも、最初から無料だったものは、質が悪いとは思わないのだ。

【P82】
いくらであっても料金を請求することで、心理的障壁が生まれ、多くの人はわざわざその壁を乗り越えようとは思わない。それに対して、フリーは決断を早めて、試してみようかと思う人を増やす。 フリーは直接の収入を放棄する代わりに、広く潜在的顧客を探してくれるのだ。

中編後編に続きます!

(聖幸)