英メディアBBCでは、米科学専門誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」にも掲載されている米スタンフォード大学Cliff Nass教授の研究結果について紹介しています。

 この研究では、「マルチタスクに自信あり」というグループと「シングルタスク派を自認」するグループの2つに分け、文字・数字・色を使った記憶力と集中力に関する実験を行ったそう。たとえば、記憶力に関する実験では、PCスクリーン上で一度に3つの文字を表示した後、被験者に「スクリーンで見たと思う文字」を選ばせたとのこと。すると、シングルタスク派は正しく文字を選んだ一方、マルチタスク派は誤った文字を選ぶことが多かったそうで、これらの実験の限りでは、マルチタスク派は記憶力・集中力がシングルタスク派より劣っているとみられるようです。

とはいえ、マルチタスクと記憶力・集中力の因果関係は依然として明らかにはなっておらず、マルチタスクだからこれらの能力が悪いのか、はたまたこの逆なのかについては、今後のさらなる研究が待たれるところ。マルチタスクを行う際の脳の動きについて研究を進めていくそうです。

あくまでもマルチタスクは目的ではなく手段のひとつ。真の生産性向上につなげるためには、マルチタスク自体に固執しすぎないのも一法かもしれませんね。

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Kevin Purdy(原文/松岡由希子)