ニューノーマルの、その先へ。社会全体が再起動に向かっている今、個人もこれまでの歩みを振り返り、未来に向けて自らの仕事や人生を改めて設計するタイミングではないでしょうか。

自分だけのニュースタンダードをつくろう」特集では、新しいステージへの挑戦を始めた人の物語や、自分らしいワークプレイスのつくり方、必ず達成できる目標設定術まで、キーパーソンに徹底取材して、自分だけのライフハックを見つけるヒントをお届けします。

第1回は、「学ぶに勝る投資なし」特集で独自の学び方を紹介してくれた本山勝寛さんが登場。極貧家庭から東京大学現役合格、ハーバード大学院留学といった目標を次々と実現してきた本山さんですが、2021年末に次なる目標達成に向けて大きな一歩を踏み出しました。

会社を退職してまで実現させたかった夢とは? 本山さん流の目標の立て方と達成するためのポイントについて聞きました。今回は前編です。

叶えたい夢は“公言”しよう。「SMARTの法則」で戦略的に具体化する | ライフハッカー[日本版]

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本山勝寛(もとやま・かつひろ)

本山勝寛(もとやま・かつひろ)

1981年、大分県生まれ。12歳のときに母親を亡くし、中学3年より新聞配達のアルバイトを始める。高校時代、父親は慈善事業で海外へ赴き不在に。アルバイトで自活する“極貧”生活を送りながら、高校3年に上がる直前に東京大学受験を決意。独学で東京大学工学部に現役合格。さらにハーバード大学教育大学院への留学を果たし、修士課程を修了。独自の勉強法を記した『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイアモンド社)や『最強の暗記術』(大和書房)など、多くの著書を持つ。2021年11月、14年勤めた日本財団を退職し、株式会社4kizを創業、代表取締役CEOに就任。子ども向けSNSプラットフォームの開発とローンチを目指す。

極貧生活からハーバード大留学、そして起業

小学生のときに母親が他界し、父親は慈善事業で海外へ。妹と2人暮らしで参考書を買うお金にも苦労するアルバイト三昧の極貧生活を送りながらも、東大受験を決意。

独自の勉強術を確立して “E判定”を覆し、見事現役合格を果たした本山さん。東大を目指す受験生でなくとも、「やればできるんだ」と励まされるようなエピソードです。

その後、ハーバード大学教育大学院を修了し、日本財団へ。そして2021年11月に退職し、12月1日付で「株式会社4kiz」(以下、4kiz)を立ち上げました。まさに新しいステージへの挑戦をスタートさせたのです。

4kizがミッションとして掲げるのは「子どもたちの可能性を無限に引き出す世界中のつながりをつくる。」こと。12歳以下の子ども向けSNSの開発と運営を目指しています。本山さんはその狙いをこう話します。

日本財団の退職前は子どもの「居場所づくり」に関わる事業の責任者をしていたので、コロナ禍となり、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わるのを目の当たりにしてきました。

人が集うイベントが中止となるなどして、交流の場を失った子どもたちに、新しい居場所を提供してくれたのが“オンライン”でした。

子どもたちは、旅行でもしない限り、他の地域で暮らす子どもと触れ合う機会はありません。しかしオンラインなら、たとえば雪を見たことがない沖縄の子どもと、雪は降るけれど海のない長野で育った子どもが交流する場を容易に提供することができます。

日本財団でオンラインのトライアルプログラムを実施したところ、「子どもたちが自分の知らない地域やそこで暮らす人に関心を持ち、世界をどんどん広げていく様子を肌で感じることができた」と本山さん。

その中で必要性を感じたのが、子ども向けのSNSでした。子どもたちは人とのつながりを求めているのに、子ども向けプラットフォームはほぼ存在しません。

しかも、既存の大手SNSは規約で小学生以下の子どもの利用を認めていないので、仕方なく年齢を偽ったり規約違反をしたりして利用されるケースも少なくないのです。

そこで「人生をかけてでも挑んでみたい」と本山さんが決心したのが、安全に使えて、子どもたちが自分で発信して共有でき、好奇心を伸ばすことのできるSNSの開発でした。

対象は12歳以下ですが、4〜5歳でもタブレットを使って親御さんと一緒に楽しめて、親子の関係性を深められる、そんなサービスだそうです。

私は、FacebookやInstagramを世界中の人が使っているように、世界中の子どもが当たり前に使うようになるプラットフォームを開発したいと本気で考えています。

18歳で立てた「起業」の目標を40歳で実現

コロナ禍でオンラインの可能性を見出し、4kizの立ち上げを決意した本山さんですが、この起業は18歳のときに立てた「目標」の達成だったというから驚きます。どのようにモチベーションを維持し、コツコツと努力を積み重ねてきたのでしょうか。

7年ごとに、人生の大きな目標を立てる

Image: GettyImages

本山さんが大学に入学した18歳のときに立てたのは「人生50年計画」。ソフトバンクの孫正義会長兼社長が「50年計画」を立てていることを知り、それに倣ったそうです。

本山さんの「人生50年計画」

18〜24歳:個の確立

25〜31歳:家庭の確立

32〜39歳:職業人としての確立

40〜46歳:経営者としての確立

18歳からの7年間は、学びに専念して「」を確立するとき。

次の7年間は、自分のライフプランのなかでも優先順位の高いテーマ「家庭」を大切にする期間としました。本山さんは5人のパパで、これまでに育休を計4回取得しています。

そして、32歳からは「職業人としての確立」をテーマにした期間。

社会人として管理職にも就き、責任ある立場で事業の発展に注力してきました。そういった経験を積んだ上で、40歳を迎えた今、次なるスタートを切ったということになります。

1年ごとのスローガンを掲げる

7年ごとに掲げたテーマを実現するために、本山さんが行なうのは1年ごとの“振り返り”。年末には自分自身の「10大ニュース」を洗い出し、どんなことがあったか、何ができたかを見直すそうです。

自分が進んでいる方向は人生の50年計画の達成に向かっているか、その年にあったトピックや達成できたこと、学んだことは何か、振り返ってチェックするのだとか。7年スパンのテーマのなかで、自分が今どこに位置していて、これからどうあるべきかを見極め、年始に1年の目標を立てるのです。

そして、これからの1年で指針とするスローガンを決め、書き初めして壁に貼り出します。

昨年は『立旗導千』と書き初めしました。“りっきどうせん”、つまり旗を立てて千を導くという、私の造語です。

起業することはまだ具体化していませんでしたが、40歳になる年は旗を立てて、多くの人を導くような挑戦をしようという言葉にしました。50年計画や年始に立てたこの指針が、起業を決断する後押しにもなりましたね。

1年のスローガンを定めたら、それに基づいて具体的な目標を設定していきます。

例えば、日本財団時代の事業目標であった「子どもの居場所を100拠点に拡大する」ということを年内必達の目標に設定。その達成のために、いつまでに何をどれくらいすればいいのか、月ごとに設定します。

大きな目標から細かく分解、切り刻んでいくイメージです。

このとき、もっとも大事なのが「自分が情熱を持てる目標かどうか」だと本山さん。

その目標が達成できた自分を思ったとき、ワクワクできるか、ハッピーな気持ちになれるかどうか。その目標を心から達成したいと思うかということです。

この情熱が持てないと、どうしても続かなかったり、うまくいかなかったときなどにリカバリーすることができなくなります。逆にいうと、苦しくなったときに立ち戻る原点にもなると思っています。


18歳からの人生を7年ごとに区切って、テーマを設け、着実に達成してきた本山さん。それに比べて自分は「もう30を過ぎてしまった…」「今からじゃ遅いかも…」などと、つい悲観的になってしまう人もいるかもしれません。

しかし、「目標はいつからでも立てられるので大丈夫」と本山さんは背中を押してくれます。

18歳で立てる計画よりも、30代で立てる人生計画のほうが確度は高いですよね。私と同じ40歳の人が新たに目標を立てるとしても、人生100年時代とすれば、あと60年もあるということ。

立てた目標は何度でも見直せますから、ぜひ一度人生のテーマについて考えてみてください。

ちなみに、本山さんが影響を受けた孫正義氏の50年計画は10年ごとの目標だとか。しかし東大入学時、ハーバード留学も視野に入れて24歳までは学びに専念したいと考えていたことから、本山さんは7年ごとの計画にしたそうです。

「3年ごとでも1年ごとでもいい」という本山さんの言葉を聞くと、ちょっとやってみようかという気持ちになりますね。

本山さんの目標の立て方を紹介した今回に続き、次回「後編」では立てた目標を達成させる「戦略」について紹介します。

叶えたい夢は“公言”しよう。「SMARTの法則」で戦略的に具体化する | ライフハッカー[日本版]

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