一人暮らしに欠かせない電子レンジ。外出・外食を減らしたり、時短調理のために冷凍食品をストックし、解凍して食べる機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。
電子レンジは、加熱方式により「単機能電子レンジ」「オーブンレンジ」「スチームオーブンレンジ」に分類することができますので、自分の使い方と組み合わせて、機能を選ぶことが大切になります。とはいえ、どのようなポイントに着目して比較していけば良いのか分からないという方も多いでしょう。
そこで今回は、家電ライターとしてご活躍中の秋葉けんたさんにご協力いただき、一人暮らし向けの電子レンジの種類やメーカーごとの違い、リーズナブルで使い勝手の良いおすすめ電子レンジについてご紹介します。
後半部分では、種類別、ニーズ別におすすめの電子レンジもご紹介していますので、ぜひ購入の参考にしてみてください。
なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。
■監修者

秋葉けんたさん:編集プロダクションマイカに所属。雑誌や専門誌のライターとして活躍。 家電やIT全般の執筆を得意とし、書籍、新聞、業界誌やWebコンテンツ、オウンドメディアなど多方面にコンテンツを提供。
■目次
電子レンジの種類|オーブンレンジやスチームレンジとの違いとは
・単機能電子レンジ
・オーブンレンジ
・スチームオーブンレンジ
・スペースに合ったものを選ぶ
・必要な機能で選ぶ
・メーカーで選ぶ
・電子レンジ
・オーブンレンジ
・スチームレンジ
電子レンジの種類|オーブンレンジやスチームレンジとの違いとは
電子レンジは、加熱方式によって「単機能電子レンジ」「オーブンレンジ」「スチームオーブンレンジ」の3つに分類することができます。まずは、特徴、メリット・デメリット、ニーズについて、種類別に解説します。
単機能電子レンジ

マイクロ波が搭載されている、一般的な電子レンジです。多くの機能が搭載されているわけではないため、リーズナブルな価格帯で購入できます。主に温めのみを使用する方であれば、機能面に物足りなさを感じることも少ないでしょう。
メリット
・シンプルで使いやすい
・無駄な機能がない
・リーズナブル
デメリット
・微調整や細かな調節ができないことがある
・機種自体が減少傾向
・東日本地域(50Hzモデル)と西日本地域(60Hzモデル)に分かれているケースもある
オーブンレンジ

オーブンレンジは、温め機能だけでなく、オーブン・グリル機能も備わっているのが特徴です。マイクロ波とヒーターが搭載されています。トーストやグラタン、ピザを焼きたい方、肉の解凍をしっかりしたい方などに向いているタイプと言えるでしょう。
メリット
・トースト、グラタン、冷凍ピザなど調理の幅が広がる
デメリット
・オーブン機能を使った直後は、中の温度が下がるまで他の機能が使えない
スチームオーブンレンジ

タンクや角皿に水をセットし、水蒸気を発生させるタイプのオーブンレンジです。ごはんや饅頭などの蒸し物を美味しく温めたい方向きと言えます。庫内にスチームを噴射するタイプのほか、200℃以上の高温蒸気を発生させて素材を焼き上げる過熱水蒸気タイプも人気です。
スチームの方式は、一般的に「角皿式」と「水タンク式」の3つに分けることができます。角皿式は、オーブン調理で使用するタイプの角皿に水を入れることでスチームを発生させる仕組みのレンジです。
一方の水タンク式は、専用のタンクに水を入れてセットする方式です。角皿式に比べ、より高音のスチームを発生させることができます。そして、減塩・脱油をうたうタイプは、全て水タンク式です。
メリット
・スチームで食材の乾燥を防ぎながら調理が可能
・肉や魚の解凍時、表面の乾燥を防ぎながら加熱ムラを防ぐ
・過熱水蒸気を使用する場合は、脂や塩分を減少させたヘルシーな調理が可能
デメリット
・他の電子レンジに比べると、高価格
電子レンジの選び方
スペースに合ったものを選ぶ
一人暮らしの住まいのキッチンスペースは狭いことが多いので、まずは置き場所を考えましょう。
とくに、調理中に高熱や水蒸気を発するオーブンレンジの場合、壁との距離が決められています。壁との距離をとることが難しい場合は、背面・左右を開ける必要がないタイプの電子レンジを選ぶのがおすすめです。冷蔵庫の上への設置やたこ足配線は、安全の面からおすすめできません。
一人暮らしの場合、容量は20L前後で十分です。もし、温めるだけで良いのであれば17L程度でも問題ありません。同時に、普段よく使っている皿が使えるかも確認しましょう。また、同じ容量の場合、フラット庫内(ターンテーブルがないタイプ)を選ぶと、庫内の広さを活かすことができます。
設置場所のすぐ左側に壁や柱があると、ヨコ開きの場合、フルオープンすることができません。扉を開けるときのことも考え、ヨコ開き・タテ開きは必ずチェックしておくことをおすすめします。
必要な機能で選ぶ
解凍
肉や魚を冷凍する頻度が高い方は、解凍機能を事前にチェックしておきましょう。スチーム解凍機能があれば、食品全体をスチームで包んでくれるため、適度な解凍が可能です。
冷凍食品調理
冷凍食品を食べる機会が多い方は、冷凍食品調理機能をチェックしておきましょう。たとえば、日立のヘルシーシェフシリーズには、冷凍食品4品(鶏のから揚げ・チャーハン・たこ焼き・今川焼き)をオートで調理できる機能があります。シャープのヘルシオにも、市販の冷凍パスタや冷凍お弁当を自動調理できる機能があり、大変便利です。
自炊をサポート
「一人暮らしを始めたばかりで、料理が苦手」「自炊のバリエーションを増やしたい」という方は、オートメニュー搭載機能の電子レンジが強い味方になります。複数のオートメニューが搭載されているタイプのほか、AI搭載でメニューの相談に乗ってくれるタイプもありますので、判断材料のひとつに加えてみるとよいでしょう。
メーカーで選ぶ
電子レンジは、メーカーごとに得意分野が異なるため、それぞれに個性があります。代表的なモデルと共に、各メーカーの特徴を見ていきましょう。
電子レンジのタイプ別・おすすめ8選
電子レンジのおすすめ3選
●東芝 ER-SS17A
左右から出し入れしやすい、たて開きタイプの電子レンジです。そのため、一人暮らしの狭いキッチンでも場所をとりません。ターンテーブルのないフラット庫内は、大きなお弁当を温めるときにも便利です。機能がシンプルな分、価格も大変リーズナブルなので、電子レンジを使うのは「温めと冷凍ごはんの解凍のみ」という方におすすめの製品です。
●パナソニック NE-FL221
一人暮らしのキッチンにも馴染む、シンプルな外観デザインが特徴の電子レンジです。スクリューアンテナ搭載で、解凍ムラを抑えてくれます。お茶碗1杯のごはんなら、約1分で温め完了するため、忙しい朝の強い味方になってくれるでしょう。
●ハイアール JM-17H
200W・500W・700の3段階出力切換つまみとタイマーつまみのみのシンプルな電子レンジです。幅44cmのコンパクトサイズながら庫内は広々していて、庫内の高さも19cmと背の高いものも温めが可能です。特筆すべきは高コスパな価格。「一人暮らしだから、温め機能があれば充分!」という方にぴったりです。
オーブンレンジ2選
●パナソニック NE-FS300
オーブン料理もできる、パナソニックの電子レンジです。カップボードなどへの設置を想定したコンパクト設計になっていて、「温め」「飲み物」「レンジ」「解凍」「オーブン」「グリル」のシングルピクトは、直感的な操作を可能にします。短時間の温めができるので、忙しい朝にも大活躍ですね。
●バルミューダ BALMUDA The Range
高いデザインセンスが世界中に定評のあるバルミューダ。シンプルかつ高級感のある雰囲気を漂わせている電子レンジです。操作音が楽器の音といった遊びゴコロも、日々の家事を楽しくしてくれそうですね。
スチームレンジ3選
●シャープ AX-CA600
ヘルシオの調理熱量は、一般のオーブンの約8倍。パワフルさとは裏腹に、レンジの外観はとてもコンパクト。さらに野菜と肉・魚など、本来は個別に火加減や加熱時間を設定しなければいけない食材も、一度に「蒸し」「焼き」が可能に。 またカレーをはじめとしたレトルト食品も、封をあけず、冷凍ごはんや市販のパックごはんと一緒に加熱できるため、わざわざ別に温める必要がありません。 冷凍・冷蔵・常温すべてのお惣菜も、過熱水蒸気を入れながら加熱することで、できたての味が復元できます。デパ地下やスーパーのお惣菜をよく買う方にもおすすめです。
●東芝 ER-VD80
東芝オリジナルの「石窯ドーム構造」が採用されたスチームオーブンレンジです。業界最高水準350℃の贅沢火力は、料理好きな方も大満足の機能と言えます。ノンフライ調理もカンタンにでき、さらに料理集には137レシピが掲載されているのも魅力のひとつです。
朝食のパンもスチームトースト機能を使えば、おまかせでこんがり焼き上がります。もちろん冷凍食パンもO K。スチームで汚れを浮かしてくれる「手間なしお手入れコース」を活用すれば、掃除の手間も省けます。
●日立 MRO-S7Y
2020年発売の過熱水蒸気オーブンレンジです。重量センサーが重さをはかり、加熱量を自動算出します。調理中は、蒸気の発生と温度を検知する蒸気・温度センサーが美味しさをキープ。また、一人暮らしの味方とも言える冷凍食品も、レンジとオーブンを使った加熱方法で、パリッと調理することができます。市販の冷凍食品だけでなく、自宅で冷凍した商品にも対応しているので、料理のバリエーションも増えそうですね。
最新アイテムながら、他社の過熱水蒸気オーブンレンジと比べると比較的リーズナブルなところも、魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。
まとめ
一人暮らし用の電子レンジを選ぶ際には、設置場所の確認(サイズ、扉をあけるスペース)、主な目的(温めだけで良いのか、解凍頻度が高いのか、冷凍食品をよく使うのか、など)、メーカーなどを基準に決めると良いでしょう。
最新機能や過熱水蒸気オーブンレンジを求める場合は、最低でも4~5万円レベルですが、温め+簡単な解凍のみの機能を求める場合は、1万円以下でも十分です。電子レンジに求める内容をよく考えた上で、理想の製品を見つけましょう。
また、おしゃれな電子レンジをお探しの方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
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