アメリカ合衆国建国の父と称されるベンジャミン・フランクリンが「元気と根気があれば何でも克服できる」と書いた建国以来、成功、お金、権力は努力と強固な意志があれば手に入るという考えが、アメリカ文化のDNAにしっかり組み込まれています。
しかし、建国の父でも、たまには間違っていることがあります。フランクリンのこの言葉は、「運」を勘定に入れていません。
好むと好まざるとにかかわらず、人生の立ち位置は運に大きく左右されます。
生まれた場所や人種、名前の発音のしやすさ、ミドルネームのイニシャルの有無などは、本人にはどうすることもできないことが、成功の可能性を大いに左右します。しかし、努力はこうした要素とは無関係です。
天に向かって拳を振り上げ、運命のいたずらを呪うような人生を送ってはいけないと言うつもりはありませんが(誰にでも趣味は必要です)、希望はあります。「運」を強化する方法があるからです。
運は出自にかなり左右される
どこでどのような環境下で生まれるかは、究極の宝くじです。
家族の社会的・経済的地位、性別、志向、人種、容姿、健康状態、出生国など、すべてが成功の可能性に結びついていることは議論の余地がありません。
それで結果が決まるわけではありませんが、ポジティブな結果を得ることの難易度は決まります。
アメリカでは、裕福な家庭に生まれたストレートの白人男性は強運です。おめでとうございます。それ以外の皆さんはお気の毒様。
救いは、それでもこの記事の読者はかなり幸運かもしれないということです。
最も恵まれた環境に生まれた人たちと比較すると、状況は暗いかもしれません。
しかし、この記事を読めるだけの識字能力があり、この記事を読むための電子機器を持てるだけの安定した経済力があるということは、これまでこの世に誕生したほとんどの人たちよりも恵まれているということになります。
ですから、読者の皆さんに対しても「おめでとう」と言わせてください。
運が影響を受けることは、厳密な意味では、ありません(何しろ、運ですから)。そして、誰でも他人と等しく幸運である可能性があります。
しかし、「運」を「より大きな成功につながる予定外の出来事」と定義すれば、「もっと運が良くなる」可能はあります。正確に言うと、手に入れた運を生かすことができます。
注意点:社会的なヒエラルキーの中で自分より上位の人が持っている「思いがけない幸運」の質と量は、決して得られません。
あなたにできることは、あなたが得た幸運を最大限に活用することです(社会のシステム全体をバラバラにしてみたい人は別ですが、私はどちらでも構いません)。
強運になる4つの方法
私には、運気を上げるコツがいくつかあります。以下にそれをご紹介します。
1.「自分は運が良い」と信じる
いくら魔術や迷信を信じても、実際に運が良くなるわけではありませんが(ウィッカ信者やクリスチャンの皆さん、ごめんなさい)、「自分は運が良い」と思っている人は、訪れたチャンスを活かしやすいという研究結果があります。
実は、チャンスを生かすことこそ、「運」なのです。
2. リスクを計算して行動する
自分が幸運だと思うことが強運への一歩ですが、行き過ぎは禁物です。
自分は運がいいから宝くじに当たると思い込んでも、宝くじに当たる可能性は高くならず、逆に他人から利用されやすくなってしまいます。ラスベガスはこの原則の上に成り立っています。
あてずっぽうな賭けに出るのはなくて、リスクを計算して行動しましょう。
そして、大成功のチャンスをつかもうとするときは、それがうまくいかなかったときのプランを用意しておくことです。たとえば、プロのプレースキッカーになれないときは、営業マンになることにするといった具合です。
3. 人脈こそ最高の財産
道端で大金が入った袋を拾うといったことを除けば、「思いがけない幸運」は、実際には他人から授かるものなので、成功を目指すビジネスマンは人脈作りを推奨しています。
昔は「人脈作り」のことを「友人を持つこと」と言っていましたが、いずれにしても、多くの人とつながりを持つほど、成功の機会を紹介してもらえる可能性が高くなります。
何という幸運!そうなるためには、人に好かれ、社交的で、一緒にいていつも楽しい人になる必要があります。
4. 適切なタイミングで適切な場所にいることを心がける
ウッディ・アレンの言葉に人生のすべてを託してはいけませんが、「成功の90%は、その場に顔を出すことだ」という彼の言葉は、やはり役立ちます。
言い換えれば、「適切なタイミングで適切な場所にいる」ということです。私の愛犬はこれを実践しています。
私はめったに食べ物を床に落としませんが、落としたときは必ずそこに私の犬がいるんです。
どこかに顔を出している間に、幸運が訪れたときに準備ができているように、自分に恵まれた才能やスキルに磨きをかけておきましょう。
努力で運は良くなる(はず)
運も含めて、すべては巡り巡ってつながっています。結局のところ、運を活かすために必要なのは努力です。
ということで、おさらいすると、強運な人は、適切なときに適切な場所に顔を出し、チャンスを逃さず、いつも感じよくしています。
こうした資質は、生まれつき(あるいは親の努力で)持っているものかもしれませんが、本人の努力で得られる資質でもあります。
自己啓発は大変な努力を要しますが、幸いなことに、自己啓発できたこと自体が報酬になります。
なぜなら、うまくいく保証は無いからです。確率を上げるだけであって、確実なものを作るわけではありません。幸運にも宝くじに当たったりすれば話は別ですが。