BNETというテクノロジーサイトから抜粋から成るこの本で、アレンさんはセルフマネージメントにおける「コントロール」と「ものの見方、考え方」という2つの軸を紹介し、読者に自分の今の立場をマトリックスの中に置くように、と提案します(もちろん、能率アップに関するこの手の本でマトリックスがない本はありませんが...)。

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あなたは、アイデアがたくさん浮かぶのに、それを実行すべくたくさん約束するけれどまとめきれず、まわりの人を混乱させてしまうトラブルメーカー? まわりからの頼まれごとを断りきれなかったり、外部の影響を多大に受ける犠牲者タイプ? すごく細かいことまでコントロールする(しすぎる)小うるさい上司タイプ? 全体を上手に指揮するキャプテン/コマンダータイプ? 「コントロールする技術」と「考え方」を上手に組みあわせられるとキャプテン/コマンダータイプになれるそうです。アレンさん曰く:

「コントロール」と「考え方」は非常に近いものですが、どちらも身につけるには違うアプローチから取り組む必要があります。例えば台所が散らかっている時に、掃除をして、そこに散らかっている台所用具や食器をもとの場所に戻すことは、メニューを決めて料理することと全く違います。でも2つの関係は深いものです。

というのは、台所が片付いていないと、夕食のメニューを作ることに集中して料理することができないからです。同じように、レシピに気をとられすぎると、夕食全体の他の大事な部分がおろそかになります。その時に大事なのは、全てをもう一度整理して進めること。こうすればまたしっかり状況をコントロールできるようになります。

今までの著作と同様、アレンさんのアプローチは「ビジネス術」と「禅の考え方」に基づいています。確かにセルフマネージメントの考え方自体は、働く時のやり方として有効です。でも、このマトリックスの次に紹介されるのは「いかにして水のような心を持つか」というアイデアで、潜在意識に目を向けて、より大きな目標や将来の姿を描こうというもの(ちょっとスピリチュアルですよね。)

ううむ、この本のエグゼクティブや組織で上の立場の人むけのアプローチはクリエイティブに仕事をしているタイプの読者を遠ざけそうだし、スピリチュアルな内容はビジネス思考タイプの読者を遠ざけそう。前回のGTDのように実際の社会で起きていることに当てはめて、考え方を紹介したらならもうちょっと実用的になった気がするのですが...。でもそうすると「(前著の)『GTD』を少し変えて書いただけじゃないか」と批判されるかもしれないし、「それなら『GTD』を買えば済むことだ」という話もあります。

何はともあれ、以下に全ての抜粋内容のリンクをおいておきますので、買う前の立ち読み代わりにご覧あれ(米ライフハッカー編集長のジーナ・トラパーニさんは「最後のリンク内容がオススメ」だそうです)。

 

GTDは2004年の流行りで終わったものなのでしょうか。それとも『Making It All Work』は新たなビジネス書として流行るのでしょうか? 抜粋内容を読んだ感想など、ぜひお寄せください。

David Allen: What Kind of Self-Manager Are You? [BNET]

Gina Trapani(原文/訳:阿久津美穂)

Making It All Work (ハードカバー)
Making It All Work

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Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity (ペーパーバック)
Getting Things Done
: The Art of Stress-Free Productivity

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