アメリカ各地の学校は休校中。
子どもの自宅学習や活動に困っている親御さんたちのために、いろいろなサイトが動画を提供しています。
絵本作家のお絵かき教室開講

舞台芸術を後援するジョン・F・ケネディ・センターに、楽しい動画シリーズがお目見えしました。
絵本作家のモー・ウィレムズさんの「LUNCH DOODLES with Mo Willems!(モー・ウィレムズと一緒にお昼のらくがきをしよう!)」動画が3月16日から毎日発信されています(土日を除く)。
これがアメリカでは大好評なんです。
モーさんは日本でも『ハトにうんてんさせないで』や『くしゃみがとまらないのですよ』『そとであそびますよ』などのぞうさん・ぶたさんシリーズ絵本が刊行されています。
わたしも子どもが小さい時には一緒に読んだものです。
アメリカの子どもと一緒にお絵かき
3月16日から始まった動画は、4月3日現在で14本が公開されています。
こちらは第1回目の動画です。
毎回モーさんは、自分のキャラクターの描き方やテーマに沿ったらくがきを提案しています。
このエピソード1では、『ハトにうんてんさせないで』のハトの書き方が取り上げられます。また、子どもたちからの質問にも答えるQ&Aコーナーもあります。
わたしが特に面白いと思ったのは、本の制作過程が見られるところ。絵本の原画や校正原稿などが、カスタムメイドと思われるカラフルな引き出しにたくさん入っています。アーティスト宅のインテリアにも注目してしまいました。
モーさんは、自分の作品を作ったら署名と日付も忘れずに入れましょうとアドバイス。
子どもの作品に日付が入っていると、いつどんな作品が作られたのかが後日わかって、本人も何年も後になって見てはおもしろがります(経験者は語る)。
モーさんも引き出しから原画を出しては懐かしがっています。
エピソード2から8までの概要
毎日の動画は20〜30分。エピソード2から9までの概要をまとめました。
エピソード2:
ぞうさん・ぶたさんシリーズが生まれた経緯について。キャラクターお絵かきはぞうさん、らくがきはアルファベットの「F」から何かを書いてみようというテーマです。
エピソード3:
まず、ぶたさんの書き方から始まって、モーさんが『セサミ・ストリート』でアニメ制作をしていた時の話やセル画を公開。そして2枚だけのパラパラマンガの作り方を教えてくれます。
それこそがアニメ。また、抽象画の手ほどきもあります。
エピソード4:
トイレットペーパーやペーパータオルの芯で作るクラフト、そして彼がペーパークラフトで背景などを作って生まれた本『Nanette’s Baguette』の裏話が披露されます。
Q&Aでは、子ども時代に好きだった本やどうやって絵を描いていたかが語られます。
らくがきテーマは「ありえない建物」。
エピソード5:
モーさんが考えた「Super Bounce(スーパーバウンス)」というゲームが紹介されます。
Q&Aでは「らくがきと絵の違い」や彼の通常の仕事スケジュールについて答えてくれます。
エピソード6:
Cat the Catというネコのキャラクターを練習。また作家・イラストレーターになりたいという子どもへのアドバイスもあります。らくがきテーマは「ペット」。
エピソード7:
モーさんの憧れていたチャールズ・シュルツ(スヌーピーの生みの親ですね)の未亡人に会った時のエピソードが語られます。
キャラクターは『Naked Mole Rat Gets Dressed』の主人公、ウィルバーくんの書き方、そしてらくがきコーナーは洋服や模様の練習です。
エピソード8:
さすがに疲れが見えたか(?)、今回はゲスト出演を依頼。助っ人はダン・サンタットさんです。彼もアメリカでは人気の作家・イラストレーターで、モーさんともコラボ絵本があります。
やはり、子こども時代は好きなアーティストの絵を真似しまくって練習に練習を重ねたというダンさんは、絵の練習は自転車の練習と似ていると言います。丸、三角、四角の3つの形から絵を描いて見せてくれます。
エピソード9以降の続きが観たい方は、こちらからどうぞ。
英語の勉強にも使えそう
さて、動画はすべて英語ですが、子ども向けなのでモーさんはとてもわかりやすく話してくれています。
お絵かきでは、小さな子どもにもわかるようにアルファベットや数字を用いて、「つぶれたOみたいな形」とか「M」「U」「ここに11を描くよ」と説明しています。
日本の親御さんは子どもと一緒に描きながらアルファベットを教えたり、英語で数の数え方を教えたりもできるでしょう。
また、動画を見てからモーさんの本を読めば、子どもにとっては親しみが感じられる特別な絵本になるかもしれません。これを機会に、英語の絵本を導入してもいいでしょう。
世界中のコロナ禍の中、バーチャル美術館が開館したり、特別に作られたこのような動画が観られる機会が増えています。
モーさんの「みんな離れているけど、一緒にアートを作りましょう」というメッセージが心にしみました。
皆さん、同時に離れ離れでいて、でも一緒にいられる方法を探しましょう。
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Image: Africa Studio/Shutterstock.com
Screenshot: The Kennedy Center