私は秘書として4年間働いていましたが、職務の1つに、上司のカレンダーが100%正確であることを確かめるというものがありました。
会議や期限、タスクなどが予定どおりにカレンダーに記載されているかをチェックする仕事です。
また、予定どおりに開かれなかった会議や、実行されなかったアクションをカレンダーに反映する作業も含まれていました。
カレンダーに未来の予定を追加するだけでなく、予定を編集したり、削除したりすることで(つまり、実際に起きたことだけを記録する)、将来必要な時に参照可能な、信頼できるドキュメントを手にすることができたのです。
仕事用のカレンダーには「事実だけ」を書き込む
膨大な数の会議やタスクを追加したあと、そのまま放置していませんか?
あなたのカレンダーは、参加しなかったイベントや、実行しなかったタスクで溢れているということです。
また、実際に参加した会議やイベント、実行されたタスクでも、カレンダーに追加されなかったものもあるはずです。
たとえば、友人から一週間先のランチに誘われた場合はカレンダーに追加するでしょうが、10分前に誘われたのなら、わざわざ追加しないでしょう。
つまり、将来、「誰それと最後にランチをしたのはいつだったか」「レポートを提出したのはいつだったか」を知りたくなった時に、正確な情報がわからなくなっているということです。
もっとも、普段使っているさまざまなアプリやツールを駆使すれば、過去にいつ何が起きたのかを調べることはできます。
たとえば、テキストメッセージをチェックして「友人と最後に会ったのはいつか」を調べたり、「メールを検索して報告書をいつ送ったか」などを確認できたりするのです。
しかし、信頼できる情報が記載されたカレンダーを開いて、先月、昨年、または5年前に何が起きたかを確認するほうがはるかに簡単です。
スケジュールを元に効率的なワークフローを考え出せる
私は秘書の仕事をはじめるとすぐに、自分でも同じことをやってみるようになり、とても有用であることを実感しました。
「クライアントに最後にピッチをしたのはいつか」から、「最近髪を染めたのたのはいつか」に至るまで、いつ何があったのかを正確に把握することで、より良い決断が可能となり、より効果的なワークフローをプランできるようになったのです。
たとえば、過去にライティングの仕事にどれだけ時間がかかったかを調べることで、自分がこなせる仕事量、締め切りを守れる仕事量を把握できるようになりました。
もちろん、予定が変わった時は(よく変わるものです)カレンダーに反映させておきます。
こうすれば、これから何が起きるか、これまでに何が起きたかを、常に把握している状態を保てるのです。
──2019年7月12日の記事を編集のうえ、再掲しています。
訳:伊藤貴之