キャンプの夜に欠かせないランタン。近年では、災害や停電などの非常時のアイテムとしても、求める方が増えています。
ランタンは、燃料により「LEDランタン」「ガスランタン」「灯油ランタン」「ガソリンランタン」の4つに分類することができます。種類によって扱いやすさやメンテナンスの手間が異なるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
まずはランタンの種類(燃料)を決めてから、用途や使用する場所、メーカーなどをイメージしていけば選びやすいでしょう。たとえば、キャンプ初心者の方には事前準備やメンテナンスが不要で扱いやすいLEDタイプがおすすめです。その他にもランタンを選ぶときには次のようなポイントが挙げられます。
・キャンプの光源として使用する場合は「明るさ(ルーメン)」を重視
・雰囲気やおしゃれさを重視したい場合は「キャンドル風」などを検討
・非常時に備える場合は複数の給電方法に対応したLEDタイプを検討
今回は家電ライターの秋葉けんたさんが、初心者の方向けに、ランタンの種類や上手な選び方、使用シーン別のおすすめランタンについてご紹介します。ぜひ購入の参考にしてみてください。
なお、以下の表示価格は変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。

秋葉けんたさん:編集プロダクションマイカに所属。雑誌や専門誌のライターとして活躍。 家電やIT全般の執筆を得意とし、書籍、新聞、業界誌やWebコンテンツ、オウンドメディアなど多方面にコンテンツを提供。
ランタンの種類ごとの特徴とメリット・デメリット
ランタンは、燃料によって「LEDランタン」「ガスランタン」「灯油ランタン」「ガソリンランタン」の4つに分類することができます。まずは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
LEDランタン

電池や充電を電源とする、どこでも手軽に使えるランタンです。ガス、灯油、ガソリンのランタンとは違い、火気を使わないため、誤って倒してしまっても火事の心配はありません。また、ほとんどの製品は発光部が熱くならないため、火傷の心配も最小限です。
このような安全性の高さから、初めてランタンを購入する場合でも安心して使うことができますし、デザイン性の高い製品も多いことからインテリアとして使用するのもおすすめです。
なお、LEDランタンの主な給電方法には、「乾電池」「USB充電」「ソーラー充電」「手回し充電」があり、複数の給電方法に対応している製品もあります。
たとえば、災害時の非常灯としても使うことも想定する場合は、停電に備えてハンドルを手で回す手動の操作のみで充電ができる「手回し充電」に対応した製品を選ぶことをおすすめします。その他、LEDランタンには以下のメリット・デメリットが考えられます。
<メリット>
・他のランタンと比較して点灯時間が長い
・特別なメンテナンスは不要
・気温の影響を受けにくいため寒冷地の室外でも安定して使える
<デメリット>
・他のランタンより明るさが弱い
・火気を使うランタンと比較して暖色が暗い(暖かみに欠ける)
ガスランタン

アウトドア専用のガス缶を接続し、ガスを燃料としてマントルと呼ばれる布を燃やして、灯すランタンです。以下の火気を使うランタンと同じく光量が大きいため、キャンプの夜に室外で食事するときなどもメインの照明として活躍します。
※使用中は本体が熱くなるため、カバーのガラス部分に触れないよう、注意が必要です。
このガスランタンに加えて手元はLEDランタンなどといった組み合わせで使うのも良いでしょう。その他のメリット・デメリットは、以下の通りです。
<メリット>
・使い方が簡単
・他のガスを使うアイテム(ストーブ、バーナーなど)と燃料が同じため併用できる
<デメリット>
・燃焼器具のため、テント内では使用できない
・燃料も含めてコストがかかる
・寒冷地の室外など気温にとっては光量が不安定になる
灯油ランタン

燃料に灯油を使うランタンで、ケロシンランタンとも呼ばれます。このランタンには、加圧式と非加圧式(ハリケーンランタン)の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
・加圧式
使用する際には、ポンピングと呼ばれる作業が必要となります。この作業は、プランジャーの穴を親指などで塞ぎ、ポンププランジャーを十分に引き上げ、押し込むという操作となるため、慣れるまでに少し怖い印象があるかもしれません。ポンピングによって、加圧した空気で燃料を送り出して点灯する仕組みですが、光量がとても大きいのが加圧式の特徴となり、小型でも100ワット電球以上の明るさになる製品もあります。
・非加圧式(ハリケーンランタン)

ハリケーンランタンは、アルコールランプのような構造を持ち、灯油が芯を上がって炎口の上の部分で燃焼します。風の影響を受けやすい屋外でも安定して明るさを保つのが特徴です。また、加圧式とは違いポンピングの作業も不要なため、初心者や女性にもおすすめです。
これらの加圧式と非加圧式(ハリケーンランタン)の2種類がある灯油ランタンですが、どちらにも共有するメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
・燃料の灯油は安価なためコストを抑えられる
・燃料の灯油はガソリンスタンドで手軽に購入できる
<デメリット>
・燃焼器具のため、テント内では使用できない
・使用時に煤(すす)が出るため、定期的にジェネレーターの交換
・掃除が必要(但し、燃料にパラフィンオイルを使用する場合は、燃焼前後の匂いが少なく煤も出にくいが、灯油に比べて費用がかかる)
ガソリンランタン

昔からの愛好家が多く、キャンプの定番アイテムとされている、ホワイトガソリンを燃料とするランタンです。加圧式の灯油ランタンと同じく、使用前にはポンピング作業が必要となることや、メンテナンスが手間になることなどから初心者向けとは言えません。その他のメリット・デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
<メリット>
・ガスランタンや灯油ランタンよりも光量が大きく、燃焼時間が長い
・光量が安定している
・外気温、気圧の影響を受けにくい
<デメリット>
・ほとんどの製品が高価格
ランタンの上手な選び方
用途や使用する場所で選ぶ
あらかじめ用途や利用シーンをイメージしておくと、適切な製品を選べるでしょう。メインのランタンとして使用する予定なのか、テント内・外のどちらで使用する予定なのか、などの情報を整理してから探すことをおすすめします。以下がランタンの種類別に相応しい利用場所の目安となりますので、参考にしてみてください。
屋外で使うメインのランタンを選ぶには
ガスランタン、ガソリンランタンなど、光量が大きい製品を規準に選びましょう。最近では、LEDランタンでも光量が大きい製品は増えてきていますが、キャンプサイトなどの屋外を照らすメインのランタンにおける光量は、150W(ワット)以上が目安となります。また、多くの製品はワットによって明るさを表していますが、他にも以下の「lm」「CP」という単位もありますので、全3種類を押さえておくと良いでしょう。
・LEDランランのワットについて
なお、LEDランタンの場合、「100W相当」「60W相当」と表記している製品が多いでしょう。一見すると、白熱電球のWと同じように見えますが、少し意味が異なります。たとえば、LEDランタンに「60W相当」と表記されていた場合、その意味は、「60Wの電力を使わずに60Wと同程度の明るさを実現する」となります。そのため、「60W相当=白熱電球の60W」と同じと考えると、少し暗く感じる可能性もあります。
・W相当とルーメンの比較表
比較がしやすいW(ワット)相当とルーメンの比較表が以下となりますので、LEDランタンを選ぶ場合は、ぜひ参考にしてみてください。
(参照:一般社団法人 日本照明工業会「電球形LEDランプ性能表示等のガイドライン」)
屋内で使うランタン(テント内ランタンなど)を選ぶには
火事や一酸化炭素中毒を回避するため、LEDランタンを選ぶようにしましょう。2人用のテント内で必要な明るさの目安は、30W相当です。テントの大きさに合わせて、大型ランタンを選ぶか、複数用意すると明るさを確保できます。
卓上で使用するランタン(テーブルランタン)を選ぶには
LEDランタンや、屋外ですとガスランタンなど、明るすぎないタイプがおすすめです。屋外でメインのランタンよりも明るい場合、虫が寄ってくるためです。明るさは80W、100CP、1,000lmを目安にすれば、屋外の卓上でも十分な明るさを確保できる製品が選べるでしょう。また、卓上ですと頻繁に移動させる可能性も高いので、コンパクトで手軽に持ち運びができる製品を選ぶことをおすすめします。
メーカーごとの特徴
メーカーも視野に入れて選ぶ場合は、以下のメーカーごとの特徴を参考にしてみてください。
おすすめのランタン25選
メインのランタンとして使える大光量のランタン
●コールマン 2500ノーススターLPガスランタン
定番のガスランタンです。ガス缶を装着して点火するだけで使えます。大光量でとても明るく、メインランタンに最適。広範囲を照らすことができます。
●ペトロマックス HK500
圧力式灯油ランタン。高さ40cm、200以上もの細かなパーツから構成される本格派ランタンです。その美しく完成された姿は、世界中のランタン愛好家たちから長い間支持され続けています。明るさは約400W。発売当初からほぼモデルチェンジしていないロングセラーです。
●コールマン ワンマントルランタン
ガソリンならではの暖かい光が特徴の、定番のワンマントル中型ランタン。ロングセラーの人気モデルです。冬場の寒い時期にも明るさが安定する優れものです。オールシーズンキャンプを楽しむキャンパーの必須アイテムといえるでしょう。
●コールマン ノーザンノバ

コールマン史上最大の明るさをうたう、2021年新商品。30m先まで照らすパワーは、ファミリーキャンプにも強い味方に。折りたたみ可能な足つきで、サイトに直接置くことも可能です。
屋内(テント内)やテーブルで使うのに向いているLEDランタン
●コールマン2 マルチパネルランタン
明かりを自由にレイアウトできる、発光パネル2分割ランタン。パネル背面の可動式ハンドルはスタンドとしても活用可能です。キャンプ場のテーブルや洗い場など、自由な場所に置くことができます。分割したパネルは、移動時の懐中電灯としても活躍。さらに本体には携帯電話が充電できるUSBポートも付いています
●ベアボーンズ(Barebones)エジソンストリングライト LED
スタイリッシュなデザインが特徴的な3連ランタン。幕内やタープなどにつるしておくと、影ができにくく快適です。また、HIGHモードではパワフルな明さを確保できます。アンティークな雰囲気は、キャンプはもちろん部屋のインテリアとしてもおすすめです。
●スノーピーク(snow peak)ほおずき
まるでろうそくの炎のように風が吹くと光がゆらぐ「ゆらぎモード」や、静かに星空を眺めたいとき、周辺環境が静かになると、ゆっくりと光が小さくなる「おやすみモード」が搭載されたLEDランタン。光を絞りテント内の常夜灯として使ったり、コードを短くして卓上ランタンとして使ったりと、幅広いシチュエーションで活用できます。
●バルミューダ ザランタン LED BALMUDA The Lantern L02A
バルミューダブランドならではの、デザイン性の高いLEDランタンです。ろうそくのような、揺らぎのある光も再現します。バッテリー搭載で持ち運びも楽々です。雨や飲み物など、不意の水飛沫のある環境でも安心して使える防滴性能と、シェード内部などにホコリ、ゴミが入らない防塵性能を持ち合わせています。
●コールマン ミレニアLEDキャンプサイトランタン
最大1000ルーメン、3段階の明るさ調節が可能なLEDランタンです。テント内、野外共に活躍可能。反射板を使えば、一方向を照らすこともできます。ストッパー付きハンドルにより、ランタンハンガーやスタンドなどに吊るして使用する場合も、風による回転を制御してくれます。
●モンベル コンパクトランタン ブラック 1124596
軽量かつコンパクトながら、十分な明るさを確保できます。あたたかみのある「温白色LED」の光に、可動式シェードが組み合わされ、むらなく照らすことができます。底部には、吊り下げて使用できるフックも付いていますのでテント内でも天井照明として使うことができます。
●ベアボーンズ ビーコンライト
やさしい電球色LEDを採用したレトロなデザインで人気のランタンです。高さ15.2×横幅7.6cmのコンパクトタイプながら、220ルーメンの明るさを確保します。スムーズな調光機能により、明るさ、雰囲気どちらも重視することができます。吊るしても置いても映えるデザインが特徴的。アンティークブロンズ、レッド、カッパーの3色展開です。
●ジェントス EX-000R
USB機器に充電・給電可能なランタンのため、キャンプはもちろん、防災用目的としても最適です。安心の耐塵・2m防水仕様。ランダムに光量が変化し、ろうそくの炎のようなゆれを再現する機能や、ゆっくりと明るくなり点灯する機能、ゆっくりと暗くなり消灯する機能など多彩な機能を搭載しています。スイッチ長押しで、弱~強まで無段階に調光可能です。
●キャプテンスタッグ アンティーク暖色LEDランタン M-1328

アンティーク調で風格のあるランタンは、高さ約22cmとコンパクト仕様。テント内に吊るすのにもぴったりです。無段階調光が可能で、ダイヤルスイッチで簡単に調整できます。防水機能はありませんが、晴れた日のキャンプなら問題なし。外での食事とランタンを撮影すると、映える写真が完成します。
●ロゴス(LOGOS) Bamboo キャビンランタン

部分的に竹が使われているレトロ&ナチュラルテイストなランタン。吊り・置き・手持ち対応で使用シーンも多彩です。「ゆらめきモード」搭載のため、LEDランタンにもかかわらず炎のゆらめきを感じられます。USBでスマホやタブレットなどにも充電ができ、コスパも◎です。
●スノーピーク(snow peak)たねほおずき

手のひらにおさまるかわいいサイズのLEDランタン。つち・ゆき・もりとナチュラルな3色のカラーバリエーションあり。小型テント内に置いたりタープに吊るしたりと使い方は自由自在。ろうそくのようなゆらぎモードはリラックス効果も期待できます。シェード部分には、本体への衝撃も緩和するシリコンラバーを採用。キャンプはもちろん、車内や自宅でも使えるアイテムです。
●FIELDOORアンティーク調ランタン

まるでオイルランタンのような雰囲気を醸し出しているLEDランタン。ダイヤル式のため、明るさの無段階調整が可能かつ、シルバー・レッド・マットブラックの3色のカラーバリエーションもあります。持ち手付きのため、吊り下げや手持ちにも便利です。キャンプ時はもちろん、日常のインテリアアイテムとしても活躍します。
キャンプの屋外用のテーブルランタン
●コールマン(Coleman) ランタン ルミエールランタン
カンタン操作で着火可能。やさしく揺れるガスの炎が特徴的なキャンドル風ガスランタンです。炎の大きさは自由に調節できるため、シチュエーションに合わせた選択を。LPガスは別売りです。
●FEUERHAND(フュアーハンド)ランタン 276 ジンク
1893年、ドイツで誕生した灯油ランタンのオリジナルブランド「FEUERHAND」の良さを濃縮したランタン。雨や夜露にも強いハイテク鋼板が採用されています。シンプルな構造と実用性の高さから世界各国に多くのファンが存在しています。タンク容量は340mlです。
●デイツ社(R.E.DIETZ)ハリケーンランタン大型デイツ90
存在感のある大きさはと明るい炎、約25時間の長時間燃焼が特徴の灯油ランタン。タンク容量はたっぷり930ml。クラシックなアメリカンカントリー風の塗装がキャンプやグランピングはもちろん、ガーデンバーベキューの雰囲気を盛り上げてくれます。贅沢な時間を過ごしたい方におすすめです。
●スノーピーク リトルランプノクターン
卓上で手元を照らし、炎のゆらめきと雰囲気を楽しむことができるランタンです。残量の少ないガス缶でも、長時間使用できます。煙突効果でスムーズに着火が可能。光量調整レバーが付属しているので、ガス量を調整しながら明かりの大きさを変えることができます。よりスタイリッシュな雰囲気を楽しみたい方は、ガスカートリッジカバーの装着がおすすめです。
●PRIMUS(プリムス) P-541

本体約124gの軽量ランタンは、持ち運びも楽々。ホヤはメタルメッシュ採用のため、頑丈さにも自信あり。垂直型点火装置搭載モデルのため、レバーを軽く押し下げるだけで点灯できます。キャンプ初心者や女性にもおすすめです。
災害対策用におすすめのランタン
●コールマン クアッドマルチパネルランタン
災害、停電時にも最大約800ルーメンの明るさで周囲を照らし、安全を確保。発光パネルは4分割し、持ち運びが可能です。携帯電話を充電できるUSBポート付きのため、家族や友人との連絡手段を確保できます。防水性能IPX4によって全方向からの水しぶきに10分間耐えることができます。
●FIELDOOR LEDキャンピングランタン
ランタンと2つの着脱式の懐中電灯が1つになっているため、防災用に最適です。取り外した懐中電灯は、より広いライトを照らせるエリアライトに切り替え可能。停電に遭ってしまったときに家族が別々に動かないといけない場合などにも活用できます。また、暗闇の中でもスイッチボタンが点滅してくれるため、すぐに見つけることができます。
●パナソニックLEDランタン
ランタンまたは懐中電灯として使える便利な2Wayタイプ。普段は枕元やリビングのインテリアとして、万が一の災害時には懐中電灯として役立ちます。弱モードの場合、最大1,100時間点灯。本体を押すだけでON/OFFが切り替わるため、操作も簡単です。また、乾電池3本で使えるため、屋内外や車中など場所を問わず使用可能です。
●山善 LEDランタン YTM-R300
単4・単3電池のどちらにも対応し、もしもの時の手回し充電やソーラーパネルによる太陽光充電も可能なLEDランタンです。防水・防塵に優れ、屋外で風雨に見舞われたときも安定して使用することができます。さらにAM・FMラジオも搭載していますので、災害時の情報収集にも役立ちます。
まとめ
キャンプ初心者の方がランタンを選ぶ際は、燃料の種類、用途、使用する場所、メーカーなどを基準に選ぶと良いでしょう。
扱いやすさを重視したい場合、最初のおすすめはLEDタイプです。事前準備やメンテナンスも不要で、ボタンひとつで明るくなるため、キャンプそのものを楽しむ余裕が生まれます。また、電池式が多く、防災アイテムとしても重宝する点もポイントです。
ぜひこの機会に、ご自身にぴったりのランタンを見つけてみてはいかがでしょうか。
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