息子が学校に入る前、まだひどいかんしゃくを起こす年ごろのとき、私たちはもっぱら、昔ながらのしつけ法「タイムアウト」を行なっていました。
子どものしつけ法「タイムアウト」とは?
タイムアウトとは、子どもが問題を起こした時に、別の場所に隔離するしつけ方です。たとえば、リビングルームで問題を起こしたら、ベッドルームで一人にするといった方法で行なわれます。
ですが、我が家ではどちらかというと、このしつけ法は最終手段でしたし、正直なところ、さほど効果もありませんでした。かといって、息子をしつける良い方法もほかに思いつかず、気がつくとタイムアウトを何度も繰り返していました。
息子が少し大きくなったころ、私と夫は里親になりました。最初の里子(男の子)が3歳で私たちのもとにやってくるころには、私たちはあるしつけ法について知識を得ていました。試してみると、そのしつけ法は効果的なだけでなく、本質的にポジティブなやり方であることもわかりました。それが「タイムイン」です。
「タイムアウト」と「タイムイン」の違い
タイムインがタイムアウトと大きく異なるのは、子どもを家族から引き離して、1人きりで別室や部屋の隅、階段に座らせるのではなく、親が子どもといっしょに座って、その子の感情や行為について穏やかな口調で話しながら、その子の気持ちを落ち着かせていくという点です。
しつけコーチでセラピストのBonnie Comptonさんは、この方法なら、タイムアウトにつきものの孤立感や捨てられた感を子どもに与えずに済むと米紙「ワシントン・ポスト」で語っています。
「(タイムアウトには)接触が欠けています。子どもが幼ければ、それを親の愛の喪失と誤解するおそれもあります。自分の部屋に隔離されると、子どもは多くの場合、自分は悪い子で、パパもママも自分といっしょにいたくないからこうなったんだと思い込んでしまいます」
こうした行為は、不安を感じやすいタイプの子どもに対して、とくに大きなリスクをはらんでいるとCompton氏は付け加えています。隔離されることで、子どもの不安はいっそう大きくなるおそれがあるのです。心細くなればなるほど、子どもがタイムアウト中に玩具や部屋の破壊といった爆発的行動に出る確率は高くなります。
またタイムアウトでは、親が伝えようとしているメッセージはどのみち、子どもに届かないかもしれません。小児科医のNadia Sabriさんは同紙の中でこんな風に言っています。
「感情の調整や制御は、脳の一部である前頭前皮質の発達とともに起こります。前頭前皮質が完全に発達するのは、青年期を迎えてからです」
つまり、タイムアウトを用いて子どもを独りぼっちにし、自分がしたことをよく考えるように言ったところで、たいていは時間の無駄なのです。「どうしてこんな目にあっていると思うか尋ねても、ほとんどの場合、子どもは『わからない』と答えます」
子どもに寄り添う「タイムイン」のやり方
ポジティブ・ペアレンティングについての記事を書いている、小学校教師で子を持つ親でもあるSue Livelyさんが、タイムインのやり方を順序立ててくわしく説明しています。
まず、1~2回深呼吸をします(おそらくは大きな苛立ちを感じながら、プラス思考で穏やかに語りかける努力をすることになりますからね)。
次に、子どもといっしょに「中立的な」場所に移動します。たとえば、ソファーやダイニングルームのテーブルなどです。そして、子どもの問題行動の根底にある必要性を探り、その必要性や子どもの気持ちを認めてあげるようにしましょう。
Sueさんの家では、こんな風にしているそうです。
なるべくシンプルな言葉を使うといいかもしれません。たとえば「すごく怒ってるみたいね」とか「イライラしてるようだけど」とか。
私の場合、そこに「一番の問題は何なの?」などと付け加えることもあります。息子に話させるためです。
ポイントは、子どもの気持ちを否定したり、抑え込もうとしたりせず、言葉に耳を傾けてあげることです。
子どもが語る胸の内をうまく聞いてあげることができれば、気分は少しずつ晴れていきます。
涙は感情が解放されつつあることを示すいいサインです。子どもの心の準備が整ったら、ハグしてあげることも効果的ですよ。
最後に、必要に応じて、どうしてさっきのおこないがいけないことなのか、どうすれば埋め合わせできるのかについて言って聞かせます。
私からもアドバイスをひとつ。私の里子の息子は以前、かんしゃくを起こし始めると、気分が落ち着くまで私にそばにいてほしがりました。
けれども、いくらか落ち着いてくるまでは、私の言葉に耳を貸そうとしません。
そこで思いついたのが、息子にキッチンタイマーを持たせるという作戦でした。
タイマーを手に持っていると、深呼吸しながらカチカチという音に意識を集中させることができます。数分後にセットしておくと、タイマーが鳴るころには、息子の機嫌はたいてい直っていて、何があったのかを話してくれるようになりました。
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Image:Ba Phi/Pexels
Source: The Washington Post, One Time Through
Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文]