嫌な気分でどうしようもない時は、ほんの少しの時間で構わないので、屋外に出てみましょう。実はこんなささいなことで、気分が良くなる可能性があるのです。
「たった5分間、外に出て自然に触れるだけで人の気分が改善することがわかった」とカナダにあるレジャイナ大学の研究チームが発表しました。この研究結果は、2018年12月に『Journal of Positive Psychology』に掲載されたものです。
屋外で自然に触れると、ポジティブな感情が芽生える

この研究では、持ち場を離れて数分休憩を取ることで、ネガティブな心理状況に対処しやすくなることが明らかになりました。しかも、気分を改善する効果が一番大きかったのが、屋外で数分を過ごした場合だったのです。
研究では、参加者を2組に分け、1組は部屋の中でじっとして過ごし、もう1組は屋外の公園で過ごしてもらう実験を行いました。どちらの組も、注意力をそぐ電子機器は手元に置かないようにしました。実験は、休憩する時間の長さを変えて2回行なわれました。
その結果、数分間の休憩でネガティブな感情が収まることが、部屋の中で過ごした組と屋外に出かけた組の両方で確認されました。そればかりか、屋外で自然に触れると、ポジティブな感情が芽生える傾向があることもわかったのです。
疲れたら緑がある場所へ

この研究論文の著者の1人、Katherine D. Arbuthnott氏はPsyPostの取材に答えて、以下のように語っています。
この研究から、2つのことが明らかになりました。1つ目は、気分を良くしたいと感じた時、一番簡単で手っ取り早いのは、自然の中で数分過ごすことだ、という点です。最近では私も、学生のみなさんにこの点を力説しています。
Arbuthnott氏はもう1点として、心の健康、さらにはもっと広く、市民が健やかな生活を送れるようにするためには、屋外の緑のあるスペースを維持していくことが大事であると述べています。
5分の休憩を見くびるなかれ

とはいえ、この研究結果は、あっと驚くようなものとは言えないでしょう。人が休憩を必要とすることは誰でも知っています。さらに、せっかく休憩を取るのなら、オフィスの自席にそのまま留まっているより、外に出かけて心和む(であろう)緑を眺め、新鮮な空気を吸うほうが良いというのは、当然の話です。
とはいえ、気分が良くない時に、実際に屋外に出て行く人がいったいどのくらいいるでしょう? あまりいないはずです。
一般的に言って、何か問題を抱えている時に、休憩をとるのは非常に良いことです。たった5分ほどでも、一息つくことで、戻ってきた時には新たな視点から問題を眺めることができます。何とかしようという気力も再び湧いてくることでしょう。
次に休憩を取る時は、Facebookをチェックするのをやめ、数分間で良いので外に出てみるという選択肢も考えてみてください。戻って来た時には、ずっと気分が良くなっているかもしれませんよ。
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Source: Journal of Positive Psychology, PsyPost
Emily Price - Lifehacker US[原文]