敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ子育て術「HOW I PARENT」シリーズ。
今回は雑誌『The New Yorker』の連載漫画家、エミリー・フレイク(Emily Flake)さんの子育て術です。
エミリー・フレイクさんの経歴
エミリー・フレイクさんは受賞歴のある漫画家で、乳房の下の汗からマヨチャップまで、漫画にする話題には事欠きません。
全国誌に『Lulu Eightball』という漫画を連載し(「大人が読む出版物に載せるには下品過ぎるジョークだ」とフレイクさんは言いますが)、『The New Yorker』誌にも連載するなど、実に幅広く活躍しています。
また、自著『Mama Tried: Dispatches from the Seamy Underbelly of Modern Parenting』では、赤ちゃんとの悲喜こもごもの生活を描いています。そんなフレイクさんに子育てハックを聞いてみました。
氏名:エミリー・フレイク
居住地:ニューヨーク市ブルックリン
職業:漫画家、ライター、パフォーマー、イラストレーター
家族構成:夫のジョン(51歳)、娘のオーグスティン(6歳、ニックネームはタグ)、老猫のペニー(年齢不詳)
家族とキャリア事情
──最初に、ここまでの人生は概ね計画通り?それとも予想外のことが多かった?
夫とは2004年から一緒にいます。娘に関して驚いたことと言えば、予定日より3週間も早く生まれたことでしょうか。私は陣痛を便意と勘違いしました。娘はこの話が大好きで、「私のことをうんちだと思ったのね!!」と言います。
キャリアに関しては、最初から漫画を描いています。正確には9歳半の頃からですが。

──朝のルーティンは? スムーズに外出の準備をする裏ワザは?
アハハハ、一番のコツは、ジョンにさせることです。
彼は朝型で、午前5時か6時には自然に目を覚まして、その後、私と娘を起こします。私の方は朝は使いものにならず、せいぜい娘の髪を編んでやるぐらいです。
子育ては旦那と協力して
──パートナー以外に、誰からどの程度育児を手伝ってもらっている?
パートナー以外に育児を助けてもらうのはとても大事なことですが、感情的にも(託児所に娘を預けるなんて、私は悪い母親かしら?娘が私より保母さんを好きになったらどうしよう。)経済的にも(託児所に子供を預けるだけの経済力があるかしら?あってもなくても、恥ずかしくないかしら?)、波乱含みです。
娘が生後7カ月の頃から、託児所に預けました。生後2カ月にはウエイトリストに載せていたのですが、幸い、近所の託児所に娘を預けられるようになりました。最初は預ける時間を週15時間からはじめて、もっと長時間預けられるようになると徐々に時間を延長するという柔軟なやり方をしたことが功を奏しました。
1時間8ドルという一番安い託児所で、そこで娘の世話をしてくれた女性たちには、感謝しています(私に子育てのアドバイスもしてくれました)。
最近、娘は学校に行くようになったので、同学年に子どもがいる友人と交替で子どもを学校に迎えに行っています。娘のタグは、放課後美術のクラスにも出ているので、私は週に1度長時間仕事ができる日があります。夫が週2回娘を迎えに行ってくれるので、本当に助かっています。
子育てと仕事を両立するコツ

── 「これがないと生きられない」というガジェット・アプリ・チャート・ツールは?
娘が小さいことは、鼻吸い器を使っていました。お互いに嫌でしたが便利でもありました。ありがたいことに、今は娘も大きくなり、自分で鼻をかむことができます。
私はぱっとしない親なので、娘は私のスマホでたくさんのゲームをしています。お気に入りはRobloxとワードスクランブルみたいな感じのものです。
母親としては、この状態をもっと憂慮したほうがいいのかもしれませんが、一方で、昨今、社会と断絶する日が遅かれ早かれ来るでしょうから、気にしないことにしています。
──子育てをするようになってから仕事のやり方は変わった?
私は先延ばし癖があり、時間管理もとてもヘタです。でも、子供を持って、否応なく、多少は改善しました(多少はです!)。
また、うまくいかないと、困るのは自分だけではないという自覚から、責任感を持つようにもなりました。
娘にご飯を食べさせられなくなったら大変だと思うと、モチベーションがぐっとあがります。
──子育てのベストなコツは何?
残念ながら、私にはご紹介できるようなコツはありません。
Longest Shortest Timeというポッドキャストのヒラリー・フランクさんが出版した子育て術の本を読んで、他の親御さんたちの賢さに驚き、私も「娘の機嫌が悪いとき、変な声で話しかけて気を紛らわせる」よりもマシなことができたらいいのにと思いました。
これって、子育てハックというより、将来娘がセラピーを受けるとき、セラピストに話すネタを提供している感じですね。
親としてどうありたいか・子どもに何を参考にしてほしいか

──親として一番誇らしく思う瞬間はどんなとき?
娘のマナーや思慮深さを誰かに褒められたときです。
それから、娘が私に歩み寄り、「ママにプレゼントがあるの」と言って、全力で大きなおならをしたときです。いかにも私の娘らしいですね。
──一番情けないと思う瞬間はどんなとき?
忍耐を失うとき。良くないとわかっていても、ときどきやってしまいます。
──子どもにはあなたのどんなところを見習って欲しい?
冗談はさておき、娘には、何よりも好奇心旺盛で、有能で、他人を敬い、親切であって欲しいと思っています。私にそういう資質が備わっていると思われると困るのですが、娘のお手本になるような行動を心がけています。もしかしたら、娘は創造的な罵り方を見習っているかもしれませんが。
──お気に入りの変わった儀式はありますか?
毎朝娘は家を出るとき、「ママ、大好きよ。私が死んでも、ママのことは大好きよ」と言います。こうしてわたしの1日は、優しくて不気味な言葉で始まります。
子育てのベストなアドバイス・苦労していること

──今までもらった子育てに関するアドバイスで心に残っているものはありますか?
友人のミリセントのお父さんの言葉で、「たわごとは右手の指を折りながら、願い事は左手の指を折りながら数えたら、どちらの手の指が先に全部折れるか見てごらん」というアドバイスですね。
──子育てで一番難しいことは何?
「うわっ!」と驚く瞬間。
──1日のうちで一番好きな時間はいつ?
2杯目のコーヒーを飲んだ直後に、楽観的になって何でもできると感じるとき。ゆったりと横になっている時間。
──子育てとキャリアを両立させている親御さんたちに伝えたい一言
テレビ司会者のコナン・オブライエンさんは、「結局、どの墓もいつかは訪れる人のいない墓になる」と言っています。今はとても重要に見えることも、時が流れると、存在しないに等しくなります。
そう思うと、信じられないぐらい気持ちが楽になります。私は、明るく「それがどうした」と思う主義です。
Image: Lifehacker US
Source: Lulu Eightball, The New Yorker, The Cut, Amazon.com, Longest Shortest Time
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]