敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。
今回はアメリカの天気予報や気象情報を放送する、The Weather Channelで名物お天気キャスターを務める気象予報士のジム・カントア(Jim Cantore)さんの仕事術です。
カントアさんの行き先は常にニュースになります。
ハリケーン・ドリアンのような大変な気象現象が発生している最中、報道機関は彼の次の行き先を推測しています。
カントアさんは、AMHQや『Storm Stories:The Next Chapter』に出演しているだけでなく、The Weather Channelのロケに出て悪天候を報道する責任者でもあるからです。
いたるところに彼の熱狂的なファンがいて、彼が天気のことで何か発信するとあっという間に拡散されます。
そんなカントアさんに、気象予報士としての長いキャリアのことや、通常では考えられないような起床時間、これまでに犯した最大の過ちについて話を聞きました。
居住地:ジョージア州アトランタ
現在の職業:The Weather Channelでテレビに出演する気象予報士
現在のPC:本部のデスクにはDellのノートPCとモニター、ドッキングステーションがあります。よほど立派なマシンを使っているのだろうと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。お気に入りのWebサイトがいろいろあって常に開いたままにしてあるので、それに安定してアクセスできれば十分です。
現在の携帯端末:Apple iPhone 8です。今すぐ新しいiPhoneに変えようとは思っていません。機能がずいぶん違うでしょうし、私は壊れるまで使うタイプです。Twitterにアクセスできて、嵐を見つけて教えてくれる人たちとコミュニケーションが取れるスマホなら、それで満足です。
仕事の仕方を一言で言うと:勤勉
キャリアと現在の仕事について
── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?
私は子どもの頃からずっと天気に興味があったので、大学に行く年齢になると、父のすすめで気象学の勉強をしました。
リンドン州立大学に行き、学校のテレビ局で仕事をしました。卒業する頃、The Weather Channelから声がかかり、天にも昇る気持ちでした。
リタイヤするまでこのネットワークで勤続したいと思っています。だから、The Weather Channelで一生のキャリアを全うしたと言えます。
── 仕事の内容を教えてください
気象予報士として気象データを調査し、そのデータと情報をお天気キャスターとして一般の人たちにわかりやすく提供することです。
現場でレポートするときは、大嵐や気象現象が発生している最中に世の中に情報を提供し続け、状況が変化するたびにシェアしています。野球の試合中にスポーツキャスターが実況放送するのと同じような感じですね。

──最近の1日の流れを教えてください
毎日午前3時15分に起床します。いわゆる「丑三つ時」です。私の仕事で、これが一番大変な点です。こんなに早起きすると体力を消耗しますよ。
朝起きて最初にすることは、PCでその日の天気データを全部読むことです。それから支度をして本部に向かい、出演する番組が始まる約1時間前に到着します。本部に着く前に自分が話すべきことは常に全部把握しています。
オフィスに着いたら、メイクをしてマイクを調整し、AMHQ (America's Morning Headquarters)という番組のホストをします。番組終了後は、局の朝の編集会議に参加し、日によっては『Storm Stories: The Next Chapter』という新番組の音声録音をしに行くこともあります。
本社で1日過ごした後は、帰宅して仮眠を取り、ワークアウトをしに出かけます。その後早目の夕食。夜はたいてい午後8時頃にリラックスタイムに入り、午後9時までには眠りにつきます。翌日も起床したらまた同じことの繰り返しです。
仕事で使うツールやオフィスについて
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
RadarScopeとWeatherBugがないと生きていけません。
この2つのお天気アプリは私生活でも仕事にも役立つ情報を提供してくれています。天気は刻一刻と変わりますからね。
── 仕事場はどんな感じですか?
The Weather Channelの本部では、オープンスペースにあるニュースルームとスタジオの近くに座っています。
デスク、ラップトップ、ドッキングステーション、2つのモニター、デスクラインがあります。2つのモニターのうちの1つには現在の天気を表示し、もう1つには常時使うサイトを全部開いているんですよ。
人間工学に基づいた、エルゴノミックチェアとスタンディングデスクを好んで使っています。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?
Twitterを使うこと。天気に関するニュースを素早く収集しています。あと、移動中にも使っています。
──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください
仕事でこだわりがあるプロセスと言えば、私は、マイクとIFBをうまくつけられないので、いつもフロアディレクターが直してくれています(笑)。
── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?
ウェザープロデューサーの皆さんです。
彼らがいないと私は仕事ができません。画像をロードしてくれたり、必要に応じてリアルタイムの情報をくれたり、他にもいろいろお世話になっています。
リアルタイムでコミュニケーションできるユニークなスタジオテクノロジーを介して私たちはつながっています。
── 今までに犯した最大の過ちは何ですか?どのように解決しましたか?
何年も前のことですが、あるとき私のところに入ってきた情報をツイートしたら、その情報が間違っていたので、まるで私がフォロワーをミスリードしたかのようになってしまいました。
もちろんそんなつもりはありませんでした。それで、すぐにフォロワーに謝罪文を出しました。今は、情報をシェアする前に必ず3回チェックして、2度と同じ過ちを繰り返さないようにしています。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?
エグゼクティブ・アシスタントが私のスケジュールを管理してくれていて、私がやるべきことをアップデートしてくれています。彼女は素晴らしい同僚で、私はいつも感謝しています。
オフタイムの過ごし方について
──どのように充電したり休憩していますか?
ジョージア州北部の湖のほとりに別荘を持っていて、そこで水と太陽を満喫して過ごします。
子どもたちと過ごすのが大好きですし、造園もかなりやります。
──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?
あまり読書はしませんが、古い戦争映画を見るのが好きです。
次は、HBOの『Band of Brothers』を見ようと思っています。
じっと座っていられないタチなので、テレビ三昧になったことはありませんが、もし次にたっぷり時間をかけて見るとしたら、まずはこの作品ですね。
── どんな音楽を聴いていますか?
AC/DCやBruce Springsteenに代表される80年代のロックが好きです。あと、カントリーミュージックも好きです。

これからのことについて
──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?
私の友人で気象予報士の研修中のMike Troutさんです(ロサンゼルス・エンゼルスでセンターを守ってもいるんですよね)。
──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください
私の父の言葉で、「好きなことを仕事にしなさい」です。
毎日起きてその仕事をしに行くわけですから、せっかくなら楽しめることを仕事にするほうがいいでしょう。
それで、父は私に気象学の勉強をすすめてくれたわけで、私はそのことを嬉しく思っています。
──挑戦中の課題はありますか?
ライフバランスです。
いつも最高の父親、最高の雇用主、最高の友人、最高のパートナーでいようとしているのですが、ほどほどにしかできません。
こうした役割に最善を尽くせるように生活をシンプルにすることを学びました。それがとても役立っています。
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Image: Lifehacker US
Source: YouTube, The News&Observer, RadarScope, WeatherBug
Nick Douglas – Lifehacker US[原文]