敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ子育て術「HOW I PARENT」シリーズ。今回は子どものための瞑想の手引書『Just Breathe』の著者、マリカ・チョップラさんの子育て術です。
マリカ・チョップラさんって何をしている人?
「私は何者なのか」
「私は何をしたいのか」
「私はどのように世の中の役に立てるのか」
「私が感謝していることは何か」
マリカ・チョップラ(Mallika Chopra)さんは、子どものころ、父親のディーパック・チョップラさんからこの4つの問いかけの答えを探すように言われていました。
大人になったマリアさんは、今では起業家であり、講演者であり、子どものための瞑想の手引書『Just Breathe』の著者として、この4つの問いかけを使って、人々が自らの意思を自覚して、より良い人生を歩む手助けをしています。
世界中の何千人もの人々に瞑想を教えてきたマリカさんは、タラちゃんとリーラちゃんという2人の娘の母でもあります。娘たちにも瞑想を教えているマリカさんの子育てハックを聞いてみました。
氏名:マリカ・チョップラ
居住地:カリフォルニア州サンタモニカ
職業:作家、講演者
家族構成:夫のスーマント・マンダル、娘のタラ(16歳)とリーラ(14歳)、愛犬のヨーダ
──最初に、家族とキャリアについて。ここまでの人生は概ね計画通り? それとも予想外のことが多かった?
ここまでの人生は平たんな道のりではありませんでした。
人間関係、健康、仕事のひらめきなどすべてがスムーズにいっていると思っていると、立ち止まって考えさせられるようなことが起こり、自問することになります。
「私は本当に幸せなのか。自分の意図にあったことをしているのか」と。
私はいつもこのように自分に問いかけています。
──朝のルーティンは?
朝は、とにかく2人の子供たちを6時57分のバスに乗せようと必死になります。
6時7分に目覚まし時計が鳴り、犬を散歩させたら、お茶を入れて、準備を整えます。夫は娘たちの朝食を作ります。
6時40分までに家を出たほうがいいのですが、たいていは6時45分になってしまい、バスまでダッシュします。
朝のこの時間は決して平穏ではありません。子どもたちを通学バスに乗せると、私は自宅に戻り、自分用のコーヒーを入れてベッドに座り20分間瞑想します。子どもたちも学校に向かうバスの中で瞑想してくれたらいいのですが、きっと眠っているんでしょうね。
──パートナー以外に、誰からどの程度育児を手伝ってもらっている?
私は家族の助けに恵まれてきました。母が、上の娘が生まれたときから、手伝ってくれています。
私がノースウエスタン大学ケロッグ校でMBAのコースで勉強中に、娘が生まれたので、母と義母とインドから来た叔母が交代で娘の面倒をみてくれて、私は授業に出るために奔走していました。
── 「これがないと生きられない」というガジェット・アプリ・チャート・ツールは?
iPhoneですべてカバーできています。電話機能、テキスト、メール、ニュースの閲覧、ソーシャルメディアなど必要なものが全部そろっていますから。あと、万歩計機能で毎日何歩歩いたか測るのが好きです。
──子育てをするようになってから仕事のやり方は変わった?
親になったおかげで世の中に語りかけられるようになりました。
自分が母親になるとわかったとき、自分はどこから来て、どのような教訓を子どもたちに伝えたいか考えなければならないと感じました。
それで、作家になり講演もするようになりました。
──どのように子どもを仕事に関わらせている?
うちの子どもたちは完全に私の仕事に関わっていて、それをとても誇らしく思っています。私は、『Just Breathe』を書くことにしたとき、何が子どもにとってストレスや不安の原因になるか娘たちからじっくり聞きました。
テストを受けることや、ソーシャルメディアを見て自分が誤解されていると感じるときなどがあげられました。
──夜のルーティンは何をしている?
朝と違って、夜はリラックスムードです。子どもたちは学校から帰ると家にいることが多いです。
宿題を済ませて、毎晩みんなで夕食を取るようにしています。家族がその日あったことを話すのはとてもいいですね。今起こっている出来事をみんな夢中で話すので、食卓の会話に事欠きません。
私は睡眠にはこだわりを持っているので、毎晩全員午後9時までにベッドに入ることを義務付けています。子どもたちが宿題で遅くまで起きていることはめったにありません。
──心に負荷がかかり過ぎているときでも、目の前の瞬間に集中し続けるテクニックは?
手に負えないと感じたり、怒りやフラストレーションを感じるときは、STOPを実践します。
- Stop(立ち止まる)
- Take three breaths(3回深呼吸する)
- Observe the body(体の状態を観察する)
- Proceed(続行する)
これを実践すると、闘争逃走反応モードから脱却して、どのような状況でも、もっと思慮深い反応ができるようになります。
子どもは簡単に大人の怒りのボタンを押してしまいます。
どのボタンを押せばいいか正確にわかっているみたいで、こちらは不本意な反応をしてしまうことがあります。
そんなとき、STOPを実践すると、小休止して、もっとマインドフルで適切な反応ができます。不本意なことを口にして、後悔することがなくなりました。
──家族の儀式はある?
あまり褒められたことではないかもしれませんが、『Scandal and Empire』のようなテレビ番組をみんなで見ます。私はパズルをして、あとの家族と愛犬のヨーダはソファで寛いでいます。

──親として一番誇らしく思う瞬間はどんなとき?
娘たちが親切で他人を尊重できるとわかったときです。知らない人から「あなたのお嬢さんたちは礼儀正しくて真面目ですね」と言われることがよくあり、そんなときは嬉しくて満面の笑みを浮かべてしまいます。
──1番情けないと思う瞬間はどんなとき?
娘の日記を盗み読みして、信頼を傷つけたとき。
──子どもたちにはあなたのどんなところを見習ってほしい?
感謝することの大切さです。
物質的なことだけでなく、人間関係や機会に恵まれていること、この地球に生きていることにも感謝することです。
──子育てで1番難しいことは何?
子どもを信頼することです。最近娘が車の運転をするようになりました。これは完全に娘を信頼しなければさせられないことです。
── 1日のうちで1番好きな時間はいつ?
学校の送迎バスから降りてくる娘たちを迎えて、その日あったことを聞くときです。あまり話すことがない日でも、一緒に車に乗って、娘たちがリラックスする時間が至福のときです。
毎日繰り返す儀式ではありますが、私には特別なことです。
今は上の娘が自分で運転するようになったので、妹も車に乗せて学校に送っていきます。ですから私は何か新しい儀式となるものを必死で見つけようとしています。
──子育てとキャリアを両立させている親御さんたちに伝えたい一言
すべてをこなそうとしないでください。よく考えて選択したこと以外は、潔く諦めましょう。私も親になってわかったのですが、タイミングをうまく計ることが肝心です。柔軟性を受け入れるともっと自由になれます。
Image: Courtesy of Mallika Chopra/Lifehacker US
Source: Amazon
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]