敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ子育て術「HOW I PARENT」シリーズ。
今回は、忙しい人でも家族のために簡単に作れる夕食のレシピを提供するサイト「Dinner: A Love Story」のクリエイター、ジェニー・ローゼンストラッチ(Jenny Rosenstrach)さんの子育てハックです。
──ジェニー・ローゼンストラッチさんって何をしている人?
「今日の夕食何にしよう?」は、子育て中の忙しい親御さんなら誰でも毎日直面する悩みです。
ジェニー・ローゼンストラッチさんは、その答えを見つける手助けになれたら、という思いで、2人の子どもを育てながら、この8年間自身のウエブサイト「Dinner: A Love Story」でレシピや日々の個人的な想いをシェアしてきました。
彼女は、本も3冊書いています(『Dinner: A Love Story』、『Dinner: The Playbook』、『How to Celebrate Everything』)。そんなジェニーさんに、子育てハックを聞いてみました。
氏名:ジェニー・ローゼンストラッチ
居住地:ニューヨーク州ウエストチェスター郡
職業:家族の夕食に関するブログ「Dinner: A Love Story」のクリエイター、3冊の本の著者
家族構成:夫のアンディー・ワード、娘のフォーベ(16歳)とアビー(14歳)、ボストンテリア犬のアイリス(9歳)とビーン(3か月)
──最初に、家族とキャリアについて。ここまでの人生は概ね計画通り? それとも予想外のことが多かった?
大学生の私が、最終的には「夕食作り」に関するキャリアを歩むことになるよ、と言われたら、大笑いしていたと思います(今でもちょっと信じられないぐらいですから)。
私は15年間雑誌の編集者をしていましたが、職を失い、自分でビジネスをしようと決心して始めたのが「Dinner: A Love Story」です。
当初はそんなつもりはまるでなかったのですが、出版界でどんどんコンテンツを提供していくキャリアを長年歩んでいなければ、やれる自信も持てなかったと思います。
前職を辞めざるを得なくなったことが、幸運なサプライズにつながりました。
自分が「本当にやりたいこと」や「どのような生き方をしたいか」をどうしても考えなければならなくなりました。
──朝のルーティンは? スムーズに外出の準備をする裏ワザは?
子どもたちが小さい頃は、毎朝バスに乗せなければならなかったので、とにかく大変でした。
最近は、子どもたちもティーネイジャーになったので、自分で朝食を作って食べ、自分でお弁当を詰めています。子どもたちのほうが私より遅く寝ることが多くなり、学校には歩いて行きます。
今の私は子どもたちより、愛犬たちと朝の最初のコーヒーに気が向いています。それから、夜の支度を楽にする段取りを数分かけて考えます。
冷凍庫からチキンを取り出すにしても、夕食に間に合うように解凍しないといけないですから。
── 「これがないと生きられない」というガジェット・アプリ・チャート・ツールは?
New York Times Cookingから夕食のアイデアをもらっています。
Instagramで、我が子や甥や姪の近況をキャッチアップしています。『Happy Feed』は子どもたちが紹介してくれたアプリで、毎日感謝したいことを3つ書き込みます。
「土曜の夕食のポークカルニタス」とか「リサと近況報告しあった」とか、何でもいいんです。
嫌なことを忘れるのに効果てきめんで、目の前にある幸せを見逃さなくなります。
──子育てをするようになってから仕事のやり方は変わった?
初めて産休後に職場復帰したときは、あまりにも能率よく仕事をこなせるようになった自分に驚きました。
毎日決まった時間に(5時半か6時ごろです)退社しなければならないことがはっきりしていたので、自分で決めたその締切を守れるように必死で働きました。
でも、同僚たちにしてみれば、私が必要なときは早い時間につかまえなければいけなかったので、職場ではあまり好かれていなかったかもしれません。
1年後に初めて出産した同僚女性から、私が信念を持って帰宅時間を守り通したのを見ていたので、自分も子どもを産む決心ができたと言われました。
その言葉は忘れられません。
──子どもや家族の食事を作るときのベストハックは?
ロティサリー・チキンがあるとすごく助かります。
スライスして、トーストした美味しいパンの上に、キャラメリゼしたタマネギと「スペシャルソース」と一緒に乗せます。
タマネギ、トウガラシ、トマトペーストをソテーして、チキンブロスに入れ、そこに細切りにしたロティサリー・チキンとライムジュース、フライドポテト、アボカドを加えると、たった15分で世界一のトルティアスープのできあがりです。
あと、必ずしもハックではありませんが、私は簡単に作れる夕食のレシピをたくさん持っていて、それを試してみた人は私がズルをしているような感じがするかもしれません。
──夜のルーティンは何をしている?
Netflixを見ているかベッドで本を読んでいるかです(最近のお気に入り:『You Think It I’ll Say It』、『Power of Moments』、『Educated』。これから読もうとしているのは『When She Was Good』です。Philip Rothの本は必ず読みます)。
──リラックス方法は?
「ブードルス」(ジン)さえあれば。
──子どもたちにはあなたのどんなところを見習って欲しい?
初めて自宅勤務を始めたときは、子どもたちが学校から帰ってきたらすぐにラップトップを閉じて、子どもとの時間を大事にしなくちゃ、という思いに取りつかれていました(だからと言って、私がものすごくよい母親だったというわけではありません)。
でも、子どもたちが大きくなってきた今は、真逆の考えになりました。子どもたちは、私が車を運転して子どもたちを送迎するところか、夕食を作って食べさせる姿ぐらいしか見ていません。
でも、仕事をしている私を見て欲しいのです。家庭のほかに、職業人としての人生もある私を見て欲しいし、私が何とか見つけた仕事と家庭のバランスを子どもたちも将来見つけて欲しいと思っています。
もちろん、これは完全に妄想でしかありません。私が仕事をしていようと料理をしていようと、子どもたちは自室に閉じこもって、勉強したり、友人にテキストメッセージを送ったり、ラップ音楽を聴いたりしていて、私が何をしているか全然気にしていないからです。

──お気に入りの変わった儀式はありますか?
オリンピックやワールドシリーズなどスポーツのビッグイベントがあるときは、テレビの前でみんなでナチョスを食べることにしています。
ひと夏に数回は、家族みんなでファーマーズマーケットに歩いて行って、トマトサンドイッチの材料を調達します。
私はユダヤ教とキリスト教長老派のハーフなので、我が家の祭日はいろいろなものがミックスされます。
キリスト教のイースター・ハムがユダヤ教の過ぎ越しの祭りのテーブルの上にありますし、家族でクリスマスツリーを飾り付けているとき、私はいつもユダヤ教のパンケーキ、ラートカを作ります。
家族で休暇に行って最初にすることは、ポップタルト(お菓子)を買うことです。普段の生活では食べないものなので、お祝い感があるからです。他にも家族の儀式はたくさんありますよ。
──子育てで一番難しいことは何?
ごく最近、「芝刈り機的な親(lawn-mower parent)」という言葉を知りました。
我が子が直面する障害や困難をできるだけ取り除き、子どもの行く手をきれいに整える親のことです(過保護な親という意味のヘリコプターペアレントの新しい呼び名かもしれません)。
子どもが小さいときは、簡単な問題しか直面しないので、解決も簡単でした。でも、今は違います。
子どもたちは、自分で問題解決の方法を学ぶ必要があります。親としては、子どもの芝を刈らずにいるのは本当に辛いです。
人間関係、学業、心身の問題で苦しむ子どもを傍観するのは辛いと思う親は私だけではないはずです。
でも、子どもが大きくなるほど、失敗したことがないせいで過酷な不安に苦しむ子どもの話を聞くようになりました。
子どもに悩みと格闘させることも大切だと気づきました。親にしてみれば、信じられないぐらい辛いことですが。
── 1日のうちで一番好きな時間はいつ?
家族で夕食の食卓を囲むときです。1日の中で家族全員が揃い、お互いの目を見て有意義なやり取りができる唯一の時間です。
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Image: Lifehacker US
Source: Dinner: A Love Story(1, 2, 3, 4), Amazon(1, 2, 3, 4, 5, 6), Instagram, Boodle
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]