敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はIBM Watsonのプロダクト・マネージャーを務めるアナミタ・グハさんの仕事術です。
アナミタ・グハ(Anamita Guha)さんはIBMのプロダクト・マネージャーとしてボット、AR(拡張現実)/VR(バーチャルリアリティ)テクノロジー、そして最も有名なWatsonに代表されるAI(人工知能)に携わっています。さらに、彼女は、TEDxSanFranciscoの分析やUCSFで臨床調査ラボの技術コンサルタントもしています。そんなアナミタさんはどんな仕事習慣を実践しているのでしょうか。
居住地: カリフォルニア州サンフランシスコ
現在の職業: IBM Watsonのプロダクト・マネージャー
仕事の仕方を一言で言うと: 整然としたカオス
現在の携帯端末: iPhone
現在のPC: MacBook Air
── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?
私は子ども時代をカンザスやインドなど世界のあちこちで過ごしました。両親は行く先々で交流するのが好きだったので、平日のディナーパーティーやカクテルアワーにたびたび私を連れていきました。そこで私はあらゆるタイプのバックグラウンドの人々に出会う機会に恵まれました。そのおかげで、人間が、家族を持つ、新しい仕事に就く、知らない町に引っ越す、といったさまざまな人生のステージに応じて折り合いをつけていく姿に目を向けるように。私は人間に興味を持つようになり、とくに人間がどのように考えてさまざまな状況を処理するのか興味津々でした。
それに加えて、私は幸運にもシリコン・バレーで育ちました。両親はテクノロジーの仕事をしていたので、いつも自宅に最新のガジェットを持ち帰り、最新トレンドについて教えてくれました。私はたった9歳で、他人のためにウエブサイトのデザインをはじめたのです。こうした経験がカリフォルニア大学バークレ校で認知科学を勉強することにつながりました。そこで人間が周囲の世界をどのように認知して学習するかを、スマートフォンやボットのようなテクノロジーを通して学びました。話を現在まで早送りすると、私は人間行動に自分の専門知識を応用してインタラクティブで「人間的な」プロダクトをIBMで開発することになりました。
──最近の1日の流れを教えてください
私の仕事の良いところは1日として同じ日がないことです。フレキシブルな仕事環境に感謝しています。最近の仕事の1日はこんな感じです。
自宅で早朝モーニングコールをいくつかこなしたあと、テックトークのオンライン講座で講義。そのあと、短時間ヨガをしてから徒歩で職場へ(たいていは歩きながら電話をするというマルチタスキングをしています)。
オフィスに着くと同僚たちとコーヒーを飲みながら交流。メールのチェック、会議、ブレインストーミング、などなど。たまに仕事のあとで、クライアントと夕食を共にすることもありますが、ほとんどの日は友人たちと一杯飲んだり夕食をしたりします。夜は自宅で読書しながらハスキー犬のミロと寄り添って寛ぎます。
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
カラーコーディングと手書きのメモ一辺倒なので、色とりどりのペンとノートとポストイットが無いと生きていけません。それから、何か音を聞いていないと集中できないので、Spotifyはなくてはならないものです。あと、日々のスケジュール管理はGoogle Calendarに頼っています。最後に、Siriのような音声型ガジェットをたくさんApple Watchに搭載して使っています。

── 仕事場はどんな感じですか?
どこにでもMacBookを持参しています。スタンディングデスクにもなる可動式デスクがあり、その上にはコンピューターの充電器以外は何も置いていません。モニターは全然使用していませんが、1日が終わってみるとデスクは散らかっています(帰宅する前に片づけるので、ご心配なく)。1つのプロジェクトに集中していたり新しいアイデアをブレインストーミングしているときは、自分の考えを書き出して視覚化する傾向があります。
── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?
人材こそ最も価値ある資産だと思うので、どんな人と出会っても個人的なレベルで相手を理解するために時間を使います。こうした人間同士の強いつながりは、同僚との信頼を築く助けになるだけでなく、彼らが何をするのが上手いのか、何をするのが好きなのか理解する助けにもなります。私は自分の弱みも正直にさらします。そうすることで、みんなが助けの手を差し伸べようと思ってくれるようです。
──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?
手書きのリストをたくさん作ります。前述した通り、何でもカラーコーディングするので、プロジェクトごとにノートとペンの色を決めて使っています。こうすれば、簡単に切り替えができて、時間効率が良くなります。このやり方は中学生のころにはじめたのですが(数学は赤、科学は緑、外国語は青、というふうにです)、いまだにやめられません。
──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?
身のまわりの世界を観察するのが好きです。実際、毎日自宅と職場の間を歩いて通っていますが、片道2マイル(約3.2㎞)もあるんですよ。あと、仕事のあとはいつも海岸まで散歩します(海から20分のところに住む者の特権です)。散歩中は音楽を聞いたり友人や家族と電話で近況報告しあったりして、仕事から離れるようにしています。
それからヨガも定期的にやっています。ヨガを始めたのは5年生のときでしたが、定期的にやるようになったのは3年前からです。
私は常に自分の意識を記録しています。過去を振り返り、複数の点が人生にできるのは楽しいことです。
──仕事の合間に何をするのが好きですか?
私は、人類の幸福のことばかり考えてしまいます。人はどうしたら幸福になれるか、どうしたら幸福の基準を高めるような習慣を身につけられるか、常に考えています。その結果、人々をもっと幸福にするささやかな副業をいくつも作るのが好きです。
──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?
誰もが本を読むべきだと強く思います。私の目標は年に最低25冊読むことです。どんな人にも必ずおすすめしたいのは『Never Split the Difference: Negotiating As If Your Life Depended On It』です。最近、Rupi Kaur著『Milk and Honey』を読み終えました。とても気に入ったので、24時間後に3回も読んでいました。
──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?
アメリカンフットボール選手のMarshawn Lynchさん!
──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください
スポンサーとメンターの違いを学ぶことが成功の秘訣だということです。2つの役割の違いを理解して、それぞれの役割を別々の人にしてもらうようにすることをすべての女性に(男性にも)おすすめします。助けを求めても構わないのです。
──ほかに何か読者に伝えたいことはありますか?
AIは世界を征服したりしないでしょう。私はAIは拡張知能だと考えるのが好きです。私たちが生きる世界の効率を良くして暮らしやすくするために存在しているからです。
Image: Lifehacker US
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]