余暇やダウンタイムは一見魅力的なのですが、実際に仕事や家庭での義務などから離れることになると、それがたとえ数時間であっても「生産的」ではないと思ってしまうことがストレスにつながります。
残念ながらこれはダウンタイムを持つという目的に逆行するもので、このように感じている人たちはバーンアウト(燃え尽き症候群)に近づいている(またはすでになっている)かもしれません。
この思考を乗り越えるための鍵はダウンタイムを組み入れることです。スケジュールするのではありません。次のポイントを考えてみてください。
ダウンタイム(一時的な休息)がストレスになる理由
『Journal of Experimental Social Psychology』(実験的社会心理学ジャーナル)誌に掲載された最近の研究によると、リラクゼーションや余暇を時間の無駄と考えると幸福感が低下する可能性があるそうです。
ラトガース・ビジネススクール・ニューアーク・アンド・ニューブランズウィックのマーケティング助教授で、この研究の著者のGabriela Tonietto博士は、プレスリリースでこう述べています。
仕事によって生きる意味や目的意識が生まれることもありますが、家族や友人と過ごす時間、趣味、運動などの余暇こそが私たちの人生を幸福で健康的にするものなのです。
しかし、誰しもが楽しみのために、何かをすることに価値を見出しているわけではありません。
「このような(余暇の)活動は非生産的な時間の使いかたであり、自分の幸福が犠牲になっているという常識を信じている人たちが大勢います」と、Tonietto博士。
余暇が無駄だと考えていると、余暇に費やす時間が楽しめなくなることが判明しました。
ダウンタイムを取り入れる方法
このステップは一筋縄ではいかないかもしれません。ダウンタイムを持つことに抵抗がある人は、午後の休暇や週末の休暇を1分1秒単位でスケジューリングして、ダウンタイムをできるだけ生産的に過ごそうとするかもしれません。
これは最初は素晴らしいアイデアのように聞こえるかもしれませんが、休息の時間にスケジュールに固執するという余計なストレスを必要とする人は誰もいません。
ですから、予定表にアクティビティをノンストップで詰め込むのではなく、2時間でも2日間でもいいですから、自分が使える時間を考えて、心から楽しめることをやるのです。
ダウンタイムに何をするかについて、複数の選択肢を持ちましょう。
そして、その時間に達成すべき目標は含めません(理想的にはそうすべきではありません)。たとえば、編み物が好きなら、一定時間内でマフラーを完成させるというようなチャレンジを自分に課さないようにしましょう。
または、午前中の仕事が休みだったとします。
軽めのストレッチで1日をはじめて、屋外でコーヒーを飲み、これまで時間が取れずに読めなかった本を読むかもしれません。
いろいろなことができますが、スケジュールどおりに行なわなくてもいいのです。読書やストレッチをしなかったとしても、心配は無用です。自分のダウンタイムなのですからね。
Source: Science Direct, Rutgers Business School Newark and New Brunswick, Rutgers