誰かの死を悼む方法に、正解、不正解はありません。それぞれが自分のやり方、ペースで喪失を乗り越えるだけです。
しかし、グリーフ(死別などによる深い悲しみ)は一筋縄ではいきません。乗り越えたと思っていても、ある歌や香り、記憶に触れることで、再び喪失感に襲われることがあります。
もっとも、人によっては「移行対象」を持つことで、故人の死を悼みながらも、その人を身近に感じ続けられることがわかっています。
移行対象とは?
移行対象は、子ども、とくに分離不安を抱えている子どもを扱ううえでよく出てくるワードです。
2018年の米Lifehackerの記事では、次のように説明しました。
母親から離れるのを嫌がる子どもには、ぬいぐるみやお気に入りのおもちゃなどの移行対象が役に立ちます。幼い子どもにとって、こうしたものが安心感と安定感与えます。
では、大人にとっての移行対象とはどのようものでしょうか?
グリーフのプロセスは、他のプロセスと同様、非常に個人的なものです。
「亡くなった大切な人の写真や動画に心の安らぎを感じる人もいれば、形のあるもの、亡くなった人が持っていたものを持つことでその人を身近に感じられる人もいる」とWell+Goodの記事でLisa Kanarek氏は話しています。
移行対象が喪失のプロセスをどのように助けるのか?
最初に断っておきますが、なかには移行対象を全く慰めに感じない人もいますし、むしろ故人が持っていたものから離れたほうが気持ちが楽だと感じる人もいますね。
しかし、そのほかの人たちにとっては、移行対象はグリーフと癒しのプロセスに欠かせないものです。
「多くの人にとって、それはその人が存在していたという証しなのです。予期せぬ死の場合はなおさらです」と、心理療法士でベストセラー作家のMegan Devine(LPC)が、Well+Goodのインタビューで話しています。
予期していた死であっても、その人がここにいたのに今はいない、という非現実感にさいなまれることがあるものです。
Source: Well+Good