コミュニケーションはいつだって簡単ではありません。
果たして、人々に注目される話し方のコツはあるのでしょうか?
レスター大学で意思決定を専門としている心理学者、Eva Krockow博士によると、比喩を使うのがいいのだとか。
博士はこの話題について、Psychology Todayで記事を書いています。その概要を下記に紹介しましょう。
なぜ比喩を使うといいのか
比喩は日常の会話にちょっとした彩を加えるだけでなく、複雑な概念を話題にするときに便利です。Krockow博士は、次のように解説しています。
複数の研究により、技術用語を含んだり背景知識を要するような複雑なメッセージは、多様な背景を持つ聴衆には届きにくいことがわかっています。
そんな複雑なメッセージも、比喩を使えばわかりやすく伝えることができます。抽象的な内容を、なじみのあるアイテムや問題にたとえるのです。
たとえ話は難しい話題をとっつきやすく興味深いものにすることがわかっているので、内容の理解が進み、相手の記憶に残りやすくなります。
コミュニケーションツールとしての比喩の使い方
Krockow博士はメイン州疾病管理・予防センター勤務のNirav Shah医師の例をあげて、比喩の有用性を訴えています。
Shah医師は2020年8月25日、COVID-19の蔓延についてこのように述べました。
私たちがいま対峙しているのは、巨大なチューブに入ったラメのようなもの。2週間前に地下室で開けたラメが、どういうわけか屋根裏でもあちこちに付いているのと同じです。
不運にも普段からラメとの接触が多い人なら、Shah医師の説明を聞けばすぐに、何を言わんとしているかがわかるでしょう。
また、普段ラメとの接触がない人でも、一度手に付いたラメがあちこちに広がる様子は容易に想像できると思います。
このように、うまく比喩を使うことで、聞き手にとって想像しやすいシナリオを与え、メッセージとの関連性を即座に理解してもらえるのです。
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