最新版となるFirefox 87に、「SmartBlock」という機能が新たに加わっています。
これは問題を起こすおそれがあるウェブスクリプトを、ローカルに用意した代用のスクリプトで置き換えるというものです。
「SmartBlock」とは?
その何がすごいのかというと、ウェブサイトのユーザー追跡をしっかりとブロックしつつ、ウェブサイトの表示や機能を壊さないところです。
言い換えれば、SmartBlockは、「いいとこどり」をかなえる機能です。
この機能があれば、強力なプライバシー保護の恩恵を受けつつ、ブラウザが特定のスクリプトの実行をブロックした時に出てくる、ウェブサイトを壊すバグの影響を受けにくくなります。
Mozillaはブログ投稿で、この機能が生まれるに至った事情をこう説明しています:
プライベートブラウジングのウィンドウや「厳格」モードで特に強力なプライバシー保護の仕組みを構築しようとする中で、私たちは根本的な問題に直面してきました。
それは、ウェブ上のトラッカーを全面的にブロックするポリシーを導入すると、一部のウェブサイトが正常に機能するために欠かせないコンポーネントもブロックしてしまう危険が避けられないという点です。
これにより、画像が表示されない、機能が動作しない、パフォーマンスが低下する、極端なケースではページそのものが全くロードされないといった問題が生じます。
Mozillaはこのブログ投稿で、SmartBlockの技術的な詳細には深く立ち入っていませんが、その概要をこう説明しています。
代用スクリプトはFirefoxにバンドルされています。
トラッカー由来のサードパーティのコンテンツは、実際には全くロードされません。
ですから、トラッカーがユーザーの行動をこの方法で追跡することは不可能になります。
そして、当然ながら、追跡スクリプトを置き換えるのにFirefoxが使う代用スクリプト自体には、ユーザーの行動を追跡する機能はありません。
設定方法
ただし、SmartBlock機能の恩恵を受けられるのは、Firefoxの強化型トラッキング防止の設定で「厳格」モードを有効にした場合です。
Firefoxのメニューから「オプション」を開き、「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。このパネルの「強化型トラッキング防止」で「厳格」が選択されていることを確認してください。

また、「厳格」モードに設定したことを忘れないようにしましょう。
というのも、SmartBlockを自動でオンにしていても、訪れたウェブサイトの表示が崩れたり機能が落ちたりするケースがあるからです。
そうした時には設定画面に戻り、「強化型トラッキング防止」を「標準」に引き下げる操作が必要になるでしょう。
そのほかのFirefox 87に加わった新機能も紹介しましょう。
Firefox 87では、ページ内検索で「すべて強調表示」オプションを有効にしている場合に、検索した文字列と一致するすべての箇所がスクロールバーに表示されるようになりました。
また、macOS版のFirefoxでは、VoiceOverの読み上げ補助機能がフルサポートされました。
Macユーザーなら、macOSの「システム環境設定」から「アクセシビリティ」へと進み、「VoiceOverを有効にする」をオンにすると、この機能を実際に試すことができます。
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David Murphy - Lifehacker US[原文]