やりがいのある仕事に就いて業務をこなしていくと、自信と成長につながります。

ただ、部下の仕事ぶりをいちいちチェックしたり監視したりする上司を持つと、部下は子どものように扱われていると感じてしまうことがあるでしょう。

仕事を任せてもらえず、作業を事細かに報告するのは逆効果です。

そのようなマイクロマネジメントをする、過干渉上司に対処する方法があります。

状況について上司と冷静に話し合う

上司に敵対的な意図がなく、神経質であっても良い人のようなら、過度な干渉について話し合いましょう。

自分との1対1の話し合いをする短い時間を、上司にスケジュールしてもらいます。

話し合いでは、きっぱりとかつ穏やかに伝えます。

小学校で学んだ自分の感情を表現する方法を思い出しましょう。「あなたが__________ する時、私はそれを__________ と解釈するので__________ を感じます」

具体的にはこんな感じです。

「あなたに注意深く監視されると、私は仕事を完了できると信頼されていないと感じて、やる気が失せるのです」

このあとに続ける会話では、自分の仕事は、分刻みのチェックではなく、アウトプットによって成果がわかることを上司に伝えます。

1週間、自分に仕事を任せて、完了時にのみ業務確認をすることが可能かどうかを上司に尋ねてください。

そして、上司には、自分は定期的なチェックインもかまわないのだが、1日の業務を事細かに報告しなければならないのは生産性の低下につながると伝えます。

「過干渉なマネージャーは、チームを信頼していないか、自分がマネジメントは得意ではないために型どおりに行動しているのです」

言葉ではなく仕事ぶりで示す

ニューヨーク市で営業職に就いているロジャー・スティーブンスさんは、過干渉な上司を持つのはどういうことかを痛いほど知っています。その上司の名前は伏せましょう(劣悪な職場環境よりも悪いことは職場環境がないことですから、協力してくれたスティーブンスさんが失職しないように)。

自分と同じような状況にある人たちへのスティーブンスさんのアドバイスはシンプル。部下は、過干渉されなくても自分だけで仕事ができることを、言葉で伝えるのではなく行動で示すということです。

私はただ上司を締め出して、ベストを尽くして仕事をして、他のことは気にしません。文字通りそうやって1日をやり過ごすだけです。アドバイスに関してはそれだけ。仕事をする。出勤して、仕事をして帰宅する。

「(マネージャーの過干渉は)部下よりも、上司本人の問題なのです」

必要なら問題を上申すべし

自分の仕事の目標を達成したり上回っていて、すでに上司と話もしたけれど状況が改善しない場合は、上申する時です。

上司にも上司がいます。下のレベルのマネージャーが社員に対してひどい状況を生み出している場合には、上のレベルのマネージャーが介入できるかもしれません。

ただし、問題の上司の過干渉スタイルは上からのプレッシャーのせいかもしれないので、上申するには状況を見極めなければなりません。上司の上司が同じようなマイクロマネジメントタイプなら、この方法はうまくいかない可能性があります。

上司の上司がもっと落ち着いているタイプのようなら、彼らとの話し合いにはしっかり準備して参加しましょう。

EメールやSlack、そして過干渉な上司との直接のやりとりの例、それらのやりとりがどの仕事についてなのかなどを記録したものを用意します。

改めて言いますが、自分は生産的な部下であり、直属の上司からの余分な口出しや子守りは不要であるということを上のマネージャーに示します。

「上司のマイクロマネジメントが我慢できない状況になったら、その上司の上のマネージャーと話して、自分がどう感じているかを説明するべきです」とスティーブンスさん。

また、あらゆることを書き留めておきます。

上司からタスクを受けて、それをすでに完了しているならそのことも記録します。それについて上司から何か言われた時にも記録しておきます。

そうすれば、ミーティングの時に干渉された証拠を見せることができます。

過干渉はおそらく上司自身の問題

実際仕事ができない部下(その場合は頑張るしかないですね)ではないなら、マイクロマネジメントはおそらく部下よりも上司本人の問題でしょう。

自分は良いリーダーではないと不安に感じているとか、成果が出せないとあせっていて、それらの懸念を投影している可能性があります。

目標を達成しタスクを実行しているなら、部下のあなたはきちんと仕事をしているので安心してください。それに、あなたは仕事だけの存在ではありません。

ですから、上司のあら探しによって自己イメージを下げなくてもいいのです。

過干渉なマネージャーは、チームを信頼していないか、自分がマネジメントは得意ではないために型どおりに行動しているのです」と、スティーブンスさん。

彼は、上司であることの意味については同情していると言います。「誰もが自分の役割を果たさなければならないので、理解はできます。

しかし、それでもスティーブンスさんいわく、過干渉な上司は「自分自身や自分のマネジメント方法を信頼していない」のです。

部下ができるのは、意欲を持ち続け、すべてを記録し、誰かが耳を傾けてくれるまで問題を上申することです。

もし耳を傾けて状況の解決に協力してくれる人がいない場合には、上司に気づかれずに新しい仕事を探すためのヒントをこちらからどうぞ