運動を十分にする時間を見つけるのに苦労していませんか。もしそうなら、それはあなただけではありません。
幸いなことに、スポーツ科学者による最近の論文が、時間効率の良い筋力トレーニングを行うためのガイドラインをまとめており、その中の推奨事項を参考にすると、最短の時間でほとんどのトレーニングをすませることができます。
ストレッチをスキップしてウォームアップを短縮する
前述の論文の著者によると、時間がかかるウォームアップは、的を絞って行うことが理想的です。
ウォームアップは、これから行うエクササイズに特化したウォームアップに限り、ストレッチは、トレーニングの目標が柔軟性を高めることである場合に限って優先することをおすすめします。
具体的なエクササイズに特化したウォームアップとは、これから行うエクササイズのウォームアップをセットで行うことです。
たとえば、スクワットをする予定なら、ウォームアップは、まず重りをつけないバーを使ってスクワットをし、次にバーに軽い重りをつけてスクワットをします。
その後、本番のスクワットを本来つけるべき重りをつけたバーを使って行いましょう。
それでは十分だと思えないなら、これは単なるガイドラインなので、楽しめることやトレーニングを気持ちよくできるようにすることを自由に取り入れても構いません。
ウォームアップを自分のニーズに合わせて調整する方法を詳しく知りたい方は、こちらの過去記事を参照してください。
ウォームアップの各パートの目的が説明されています。ただし、ウォームアップに何かを取り入れてもいいですが、どうしても取り入れなければならないわけではありません。
同時に複数の筋肉と関節を鍛えるエクササイズを選ぶ
最短の時間で最大量の筋肉を動かすエクササイズは、両腕または両脚を同時に使い、複数の関節を曲げるエクササイズです。また、上向きの動きと下向きの動きの両方を行うと理想です。
たとえば、1つのダンベルで上腕二頭筋カールを行うと、片腕と関節1つしか使いません(上腕二頭筋に肘を曲げさせているだけ)。
一方、懸垂は両腕を使い、肘と肩を使います。懸垂をしたことがあるなら、ウエストから上のほぼすべてを使うことを思い出してください。これで、時間がかかるトレーニングを完璧に時短できますね。
同論文の著者は、3つのエクササイズに絞らなければならないときは、以下を選択することをすすめています。
- 上半身のプル(懸垂や床に足を付けたまま体を斜めにして上体を引き上げる斜め懸垂など)
- 上半身のプッシュ(ベンチプレスやオーバーヘッドプレスなど)
- 脚のエクササイズ(スクワットなど)
マシントレーニングとフリーウェイトの両方が効果を発揮すると書かれているので、スクワットの代わりにレッグプレスをしたり、ベンチプレスの代わりにチェストプレスマシンを行うこともできます。
選べるなら、ダンベルよりもバーベルの方が良いようです。
なぜなら、バーベルの方が持ち上げる重量の調整がしやすく、ダンベルより重い重量を持ち上げられるからです。レジスタンスバンドや体重移動も、適切なレップ数を最後まで行うのが苦しいぐらいなら、効果があります。
適切なレップ数は?
各セットは何レップにすべきでしょうか。これは長い間議論されてきましたが、この論文の著者は2つの答えを出しています。
理想的には、最後の2、3回が辛いと感じるぐらいのレップ数が、理想的です。その場合、1セットのレップ数は6〜15回で、「もうこれ以上できない」となるまでやる必要はありません。あと2、3個しかできないと感じたら、そこでやめても構いません。
もう1つのオプションは、十分な重りがない場合に、もうこれ以上できないというところまでエクササイズすることです。この場合、レップ数は15〜40回です。
さらに時間を節約したいなら、セット間の休憩を減らすことも。
通常の休憩は3〜5分ですが、リフティング初心者なら、おそらく1〜2分の休憩で十分だと著者は書いています(それ以上長く休憩すると、バーにつけられる重りが本来より減るかもしれませんが、それでも筋肉には十分な効果があります)。
もっと時短するには、昔からボディービルダーがしてきたスーパーセット、 ドロップセットと短い休憩のセットを行えば、より短時間でより多くの筋肉に効果があります。
適切な頻度は?
全身トレーニングをしているなら、週に2、3回が適切な頻度でしょう。
しかし、重要なのは運動の総量であり、運動の日数ではないと論文の著者は述べています。ですから、週に1回しかトレーニングの時間を作れないけれど、少し長めに時間をとれるなら、1週間分の筋力トレーニングを1日に効果的に詰め込むことができます。
逆に、1回15分しか取れないけれど、毎日時間を作れるなら、普通のセッションを週に2、3回するのと同じ運動量にする方法があります。
週に1日しか運動できないなら、1日で行ってもいいですし、1週間の間に何度かに分けて行っても構いません。
たくさん運動できるにこしたことはありませんが、この場合、それが最小限の目標です。
Source : Springer Link