コロナのせいで過保護になってしまっているなら、それはあなたのせいではありません。
もともとステイホームが基本のシュフを除き、そうでない人たちにとって、家族がずっと家にいるなんてことはこれまでになかったことでしょう。
それが今や、一日中子どもがそばにいる。
そして、何をいつ食べているのか、どんな友達と付き合っているのか、Zoom授業でどう反応しているかなど、一挙手一投足を目の当たりにするわけです。
気にしないようにしようと思っても、常に同じ部屋にいる我が子が気になってしょうがない。
そんなあなたが、少しでも昔に戻るためのヒントを紹介します。
子どもの自尊心が低下するヘリコプター子育てとは
現在、多くの子育てスタイルに名前がつけられています。
その中でも「ヘリコプター子育て」とは、常に子どものそばをホバリングしながらコントロールしようとする、いわば過保護な子育てを指す言葉です。
その対極にあるのが「フリーレンジ子育て」で、自分の行為が周囲にどう影響するのかを経験させることで自立を促す子育てを意味します。
ヘリコプター子育てでは、自ら答えを出せる子どもを差し置いて答えを出そうとします。友達とのトラブルを、自分で解決させずに介入します。
野球チームのコーチに、我が子を先発ピッチャーにするように要求します。子どもが意に介さない大学やプログラムでも、誘導して参加させようとします。
そこに悪意はありません(傷ついてほしくない。成功してほしい。チーム内でもっと活躍できるはずetc.)。
でも、その先にあるのは決していい未来ではありません。子どもの自尊心は低下し、自身を失い、不安やうつにさらされることが増えるでしょう。
Kate Baylessさんは、「Parents」の記事でこう書いています。
ヘリコプターペアレントとは多くの場合、高校生や大学生など、何でもひとりでできる子どもに手を貸してしまう親を指します(大学の成績が悪いと教授に電話をする、授業スケジュールに口を出す、運動習慣を管理するなど)。
でも実際は、どんな年齢の子どもにもヘリコプター子育てという言葉は適用できます。
心理学者のAnn Dunnewold博士によると、幼児期のヘリコプターペアレントは、常に子どもの後を追い、一緒に遊び、行動を指示し、ひとりの時間をいっさい与えません。
また、学童期のヘリコプターペアレントは、お望みの教師やコーチに当たるように画策し、子どもの友達選びや行動の選択に口を出し、宿題や学校の課題に過剰に手を出します。
文字通りのホバリングに注意
比喩的なホバリングという言葉は、多くの場合、文字通りのホバリングを意味します。オンライン授業中、あるいは宿題に取り組む我が子のデスクのそばに、頼まれてもいないのに長居している自分に気づいたことはありませんか?
そんな自分を自覚したら、すぐにその場を去りましょう。
本来教育の場をコントロールすべきは教師であり、保護者が授業中の様子をリアルタイムで見るなんてことは、これまでになかった(そして今後もあってほしくない)ことなのですから。
子どもからヘルプを求められたら、どうぞ手を貸してあげてください。
でも、自分でできるはずなのに、またはあえて間違わせて自分で正す経験をさせるべきなのに、Zoomへのログインや出席フォームへの入力をしてあげるのはNGです。
離れて見守るか、手を出したい衝動が強すぎる場合は部屋から去りましょう。
趣味を持つ
ふざけているのではありません。「パンデミックの今、ベッドの下に眠っているバンジョーを取り出して練習をする絶好のチャンス!」なんてことは、今さら私が言うことではないからです。
でも、パンデミック前を思い出してみてください。あなたにも自分だけの時間があったはず。
ジムに行ったり、読書をしたり、友達とお茶をしたり、同僚とハッピーアワーで軽く飲んだり。
パートナーとの「デートナイト」もあったかもしれません。
外でソーシャルディスタンスを保てるものでもないかぎり、今この状況でそれらをすることはできません。
でも、代わりの何かを見つけてほしいのです。楽しくて、自分がひとりの人間であることを思い出させてくれる、何かを。
(望まれていないのに)中学1年生のわが子の学業や友達関係に週のほとんどを費やしていると感じたら、お風呂に入って、本を読んで、しばしのひとり時間をとってみてはいかがでしょう。
ヘリコプター脱却計画を立てる
ヘリコプターの素質がある人は、A型人間かもしれません。つまり、昔ながらの方法でToDoをリスト化して管理するのが得意ということ。
だったら、今すぐホバリングをやめて、紙とペンを用意して、子どもが自分ですべきことをリスト化してみては? そして、それに向けたアイデアを考え、計画を立てるのです。
もう家の庭でひとりで遊べる年齢なのにそうさせたことがないなら、そうするための計画を考えましょう。
最初は、一緒に庭で遊んでいるときに、おやつを取りに1分だけその場を離れてみる。次に、キッチンの窓越しに見守りながら、10分~15分庭で遊ばせてみる。
そうやって段階を踏むことで、いずれ夢の言葉「外で遊んできなさい!」を言えるようになるでしょう。
留守番ができる年齢なのにまださせたことがないなら、最初は軽いお散歩から。次に近所のお店に買い物、やがて少し遠くまでお買い物と、少しずつ時間を長くしていくのがオススメです。
リスクと報酬のバランスを見極める
親である以上、過保護になりがちなのは自然のことかもしれません。
でも、大学教員で「The Helpful Professor」の創設者でもあるChris Drew氏が「Scary Mommy」の記事で述べているように、親は我が子が自立したリスクテイカーになれるよう、過保護の衝動を抑えることが重要です。
では、自身を正すにはどうすればいいのでしょうか? Drew氏いわく「子どもが自分で何かをしようとしているとき、こう考えてみてください。最悪どんなシナリオが待ち受けている?
逆に、どんなメリットがある? 最悪ケースが膝のすりむきや5分間の涙で済むなら、その経験から得られる自信や自己管理スキルと比べれば、そんなに悪くないトレードオフではないでしょうか。
我が子にリスクをとらせないことは、彼らのチャンスを奪っていることに他ならないのです。
干渉しないでと言うことを許可する
親のホバリングを好む子はいません。大きくなるにつれて、その傾向は強まります。そしてそれは、子どもの問題ではなく親であるあなたの問題です。
愛するがゆえに手放すことは難しいけれど、彼らが1人の人間として自立することを学ばなければならないと認識していることを、彼らに伝えてください。悪習慣を断ち切るのは彼らの仕事ではありません。
でも、彼らが大きくなったら、「干渉はやめてほしい」と言うことを許可してあげてほしいのです。
実際にそう言われる日が来たら万々歳。それはあなたが自立を望む子を育てた証であり、子育ての最終目標はそこにあるからです。
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Illustration: Chelsea Beck/Lifehacker US
Source: Very Well Family, Parents
Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文]